LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:フラトン空港のLocalizer/DME Approachを初体験

2008-11-24 | Flight Log (機長)
朝から霧っぽい天気だった。Los Angeles International AirportやSanta Monica Airport辺りではかなり雲が低く(Low Ceiling)、Visibilityも1マイルちょっとという状況。シングルパイロットの小型機で自分が飛ぶような天気じゃないかな?!とも思った。ところが、Torrance AirportやLong Beach Airportなどの南側の海岸線に面する空港のATISを取ると、1000ft前後のCeilingに1.5SM HZ程度の天気だった。内陸ではVisibilityが悪く、Chino Airportまで行くGround Fogの為に着陸できるような状況ではない。Freezng Levelも十分に高く、Torrance, Long Beach, Fullertonあたりの空港でApproachを打って遊ぶには丁度よい天気だと判断。

Torrance Airportに到着すると、目視でもCeilingは1000ft、VisibilityもHazyながら3-4SMくらいある。とりあえずアプローチを打ち慣れたFullerton Airportを目指すことにした。Torrance Airport Ground ControlにTower EnrouteでFullertonまでのIFR Clearanceをリクエストした。空港は閑散としており、リラックスしながらTorrance Airport Rwy29Rにタクシーしていった。こんな天気の日に離陸していくのはIFRのトラフィックしかいない。Run upではいつも通りのクリアランスをもらった:

fly runway heading, intercept LAX170 radial, LIMBO intersection, V64, SLI, 3000ft / 4000ft after 10min departure, Departure Frequency 134.9, SquawkXXXXとのこと。

そしてすぐに離陸となり、雲の中に入っていった。しばらくして雲から突き抜け、真っ青な空が一面に広がった。これが気持ちよくてIFRで飛んでいるようなもの。何回雲を突き抜けても飽きることはない。 4000ftまで上昇してレベルオフし、Fullerton AirportのATISを取って驚いた。なんとLOC/DME Approachを使っていた。かなり天気が悪くても、前線が来ているような天気じゃない限りVOR-A Approachで十分なFullerton Airportなので、この日もVOR-Aのアプローチチャートを膝において準備していた。Fullerton AirportでLOC/DMEを打ったことはなく、すぐにApproach Chartを取り出して目を通すことになった。機内は自分一人、にわかに忙しくなってきた。FullertonのATISを聞いても、たしかにVisibilityが悪く、VOR-A Approach & Circle to Landでは下りれる感じじゃない。Socal ApproachからはDirect SLI VOR then Depart SLI at 060 headingと言われた。引き続きSNA Class C Airspaceを避けるように左旋回を指示され、そのまま180度旋回をしてFullterton Airport LOC/DME ApproachのLocalizerをインターセプトすることになった。3000ftを維持し、Approach Course Headingは243。距離はDMEで測定するべきだが、DMEとGPSの両方を用い、基本的にはGPSを中心に使った。Socal Approachからレーダーベクターされたコースと高度ではかなり急峻な降下で雲の中に入ることになった。減速しにくいMooneyでこういう飛び方はしたくない。雲の中で速度コントロールするのは気持ちよくないが、ステップダウンしながらブレイクするのを待つ。高度900ftくらいの所でブレイクしたが、視程が悪くて空港が見つからない。2マイルくらいの所でなんとか空港のライトが見え、ほっと一安心。そこからは楽勝でRwy24に着陸となった。

動画:Fullerton Airport Localizer / DME Approach Rwy24 
http://www.youtube.com/watch?v=kecJP_GK344


実際の飛行時間は短かったが、ちょっと疲れたので休憩を取る事に。近くのパイロットショップに立ち寄り、チャートなどを購入してレジのおじさんと立ち話し。30分くらいの休憩の後、そのままTorranceに戻ることにした。 帰りもTower EnrouteでIFR Clearanceをもらい、After Departure Right Turn Heading 120, Rader Vector to SLI VOR, maintain 3000ftといういつも通りの単純なもの。Celingは1500ft、トップは2300ftくらいで、天気はどんどん良くなってきている。すぐにSLI VORまでDirectの指示をもらい、SLIからはHeading 210で飛べとのこと。そしてすぐに右旋回を繰り返し、2000ftに降下してTOA Rwy29R ILSのクリアランスが下りた。この2000ftが丁度雲の中で、IMCでの水平飛行が続いた。これはなかなか気持ちがよい。そしてすぐにLOC/GSをインターセプトしてアプローチ開始。1300ftくらいでブレイクしてしまい、あとは単調なStraight in landingとなった。

この日の反省点としては、Single Pilot IFRは面倒でも地上でできることをきちんと全てやっておくに限ると思った。いくら何十回と訪問した勝手知ったる近所の空港とはいえ、”きっといつも通りこのアプローチのはずだ”と決めつけて離陸するのではなく、その空港の一通りのアプローチチャートを準備して目を通しておくくらい慎重な方がいい。それにしても、IFRで飛べば飛ぶほど鍛えられる。アクロ機でSport Flightをするのも飛行機野郎だが、Single Pilot IFRでLos Angelesの空を雲を突き抜けて飛び回るのも飛行機野郎だと思う。飛行機遊びは奥が深くて楽しい。




皆さんのクリックでランキングが上がると励みになります。
 にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へ

Keywords: Mooney, M20C, Instrument Approach, IMC, Fullerton Airport, FUL, ムーニー, 飛行機, 計器飛行, フライト

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
IF免許 (くらげ)
2008-12-02 22:19:29
いつもIFは楽しそうだなと思います。
FAAのIFの免許が日本のIFに書き換えができれば是非挑戦したいですね。
返信する
Unknown (C2)
2008-12-03 05:29:30
FAAのIFRが日本の計器飛行証明に書き換えれるようになるといいですね。FAAではIFR Holderの事故率がnon-holderより低いという統計事実をもとに、IFR Check Rideをうけられる条件を引き下げました(最低クロカン時間など)。日本も是非そうしてもらいたいものです。低高度で雲を右に左に避けながらの飛行は安全とは言えませんから。

ただ、日本の管制が計器飛行の機体をどれだけさばけるかという問題もありますので、免許だけ増やすというのは無理なのかもしれませんね。

ただ、やはり小型機で安全に飛べる範囲で視界ゼロの雲の中に入って飛ぶのは快感そのものです。死に一番近い免許と言われるIFRですが、やはり挑戦してみる価値はあると思います。私はPrivateを取った時より、IFRを取った時のほうが喜びが大きかったです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。