LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

ロッキー山脈の中で最も美しい、The Teton RangeをHuskyで飛ぶ

2013-06-27 | Flight Log (体験飛行)

仕事でワイオミング州のジャクソンホールまでやってきた。Teton National Park、The Teton Range ティトン山脈の雄大な自然を空から見てみたいと思っていたが、ジャクソンホール空港/Jackson Hole Airport JACはGeneral Aviationに冷たい空港のようだ。機体レンタルができるようなFBOは無く、外来機の駐機サービスを提供しているだけ。そこで、近隣の空港を探すと、直線距離で西に11キロ離れたDriggs Reed Airport/DIJを見つけた。ちょうとTeton Rangeの西側になり、ワイオミング州とアイダホ州の州境を越えてアイダホ側に入ることになる。当日いきなりの電話予約だが、機体は確保できた。選択した機体はAviat Husky、Backcountryが似合う名機。

Jackson Hoke, WyomingからDriggs, Idahoまで陸路だと1時間程度。せっかくなのでJackson Hole Airportで車を借り、雄大なジャクソンホールの景色を楽しみながら、車でティトン山脈を越えてアイダホまでのドライブを楽しんだ。車を走らせること1時間、Driggsに到着。

すぐにFBOに入り、パイロットのジェフ、そしてAviat Huskyとご対面。非常に綺麗な機体。それから、凄く格好いい。すぐにコクピットドリル開始。エンジン始動、タクシー開始。ジェフにtaildraggerの経験はあるのか?と訊かれ、ほとんど無いと返答。すると、じゃあタクシーするのも大変だぞ!と言われ、すぐに操縦を任された。確かにtaildraggerをソロで飛ばしたことはないが、愛機グラマンはキャスター式のノーズギアだし、風が弱い時のタクシーはブレーキじゃなくてラダーだけで方向制御している。この日は4−5ktの左後ろからの風だったので、楽勝でノーブレーキ、ラダーのみでタクシーした。上手いじゃないか!とジェフ。普段からキャスターノーズのグラマンでラダーを使ったタクシーには慣れている!と返答。

すると、じゃあ変わったことをしよう!と、ジェフがGrass strip/芝生から離陸。これは大変新鮮。Driggs Airportのfield elevationは6200ftだが、この日のDensity altitudeは8400ft越え。それなのに、フラップ1段出して200ftくらいの滑走で離陸した。恐るべき離陸性能。気温の高いアイダホの高原で、Huskyは正にその実力を発揮する。Rwy21 grass stripからの離陸後、そのまま右旋回してティトン山脈に向って飛行。ここではリフトを得たりしながら上昇。最終的には11000ftまで上がった。アイダホ側から見下ろすティトン山脈は本当に綺麗だった。ちょうど今晩の宿泊先、ジャクソンホールのTeton Villageの山を介した裏側/西側を飛んでいたことになる。最初は無口だったジェフだが、もともとサンフランシスコの出身で、元の仕事の業種も自分と近く、だんだんと打ち解けていった。非常にいい感じの男だ。

エンルートはずっとHuskyを操縦させてもらったが、なかなか素直な機体。Citabriaのような操縦性を想像していたが、実はもっと穏やかで、思ったよりもRoll rateなどは低い。ラダーの効きも必要にして十分だが、想像していたよりは効かない。あと、操縦桿がスプリングで中立位に戻りたがる仕掛けがちょっと特殊で、Cirrusのような感じ。慣れれば問題ない。流石にslow flightは超一流、凄い操作性だった。その後、Steep turnやforward slipなども行った。20−30分ほどして確信したのは、”これ欲しい!”という事。最新のデザインの機体もいいが、ファブリックに被われた高揚力のバックカントリー尾輪式の機体が放つ魅力は最高だ。特にアイダホの自然の中を飛んでいるから、さらに魅力が増すのだろう。

しばらくして、Driggs Airportに戻ることに。せっかくなので、ジェフに操縦を交代し、Grass stripへの着陸をお願いした。もちろんこちらも操縦桿に手をかけ、着陸の感じを味わった。フルストール3点着陸を狙い、ショートファイナルはパワーカーブの後ろ側に入れるように飛んでいた。そしてストールホーンを鳴らして点着陸。快晴のアイダホの空、芝の上のランディング。最高だ。

(動画)http://www.youtube.com/watch?v=ckdXFwShPmQ

せっかくなので、更にもう1本、低高度でトラフィックパターンを回った。500ft AGLくらいの低空飛行、short patternを回る。アイダホらしい景色が広がり綺麗だった。そして再び3点着陸。

(動画) http://www.youtube.com/watch?v=-vcEpxPD94s


フライト後、ジェフとは意気投合。ハンガー全部を案内してくれた。これは最高だった。またDriggsに戻ってきたい。そう思わせるほど良い体験をした。


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2 コメント

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Unknown (テバネ)
2013-07-02 05:04:39
離陸が何とも言えないですね~

テールがフ~と浮くのが、何とも言えないですね。

しかし・・・・・・・あっという間の離陸ですね~

何でこのタイプの飛行機日本で見ないのですかね~
私が知らないだけかも知れませんが。
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Unknown (c2)
2013-07-22 14:12:17
>テバネさん
バックカントリーの機体なので、アラスカやアイダホ、ワイオミングなどの広大な自然の中で威力が発揮する機体。高揚力機なのでグライダートーイングなどでも威力を発揮しますが、日本の国土を考えると人気が出ないかもしれません。
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