LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:双発機でロングクロカン

2009-03-07 | Flight Log (機長)

久々に双発機 Beechcraft Duchess BE76でクロカン飛行をすることになった。一緒に飛ぶのはMulti-engineのインストラクターの免許を最近取ったというアメリカ人。彼は6000時間近い飛行時間を持つパイロットだが、Multi-engineの飛行時間が30時間程度しかなく、私よりも少ないくらいだ。是非とも時間を貯めたいとのことで、右席に座ってもらうことになった。私は基本的にこの機体(BE76 N6704X)をソロで飛ばせるので、横から手出しはしないで欲しいというのは明言しておいた。

Torrance Airportから出発してレストランのある空港で食事してから帰還という計画。色々考えて遅くまでレストランの開いているDelano Airportに行く事になった。念のために離陸前にレストランに電話、オープンしていることを確認した。 久々に左右別々にエンジンを始動するMulti-engineの儀式を味わった。Run Up Areaでは、これも久々となる二つのエンジンとプロペラののRun upを行う。やはりMulti-engineは楽しい。久々の離陸はRolling Take Offではなく、基本に忠実に完全に停止してフルブレーキ、両エンジンに出力を上げて左右エンジン計器を確認、機体のYawingを確認、そこからブレーキリリースしてグランドロール開始。決められた通りにコール合うとしてVrで離陸、Vyで上昇してギアアップしてからすぐにCruise Climbとした。Multi-enginの離陸は緊張するが、Singleとは違った楽しさがある。 グングンと高度を上げてLAX越えをし、Woodland Hillsの上空でSocal Approachを呼んだ。そのままGorman VORを目指して飛び、高度は8500ft。この辺りでかなり自分の錆もとれ、だんだんBeechcraft Duchess BE76に乗れて来た。

とくに問題なくBakersfield Approachへの繋がり、淡々とした飛行が続く。巡航では何も難しいことはないが、山岳部を飛ぶ時にエンジンが二つ回っているのは安心感を与えてくれる。夕方となり霧が出てきて、かなり視界が悪くなってきた。Bakersfieldの手前からどんどんと降下を続け、並走するFreewayを見つけ、Delano Airportまで向かうことになった。やはり右席にHight time pilotが乗っているとナビゲーションが楽。まるで人間GPSという感じで、こちらは操縦にさえ集中していればいい。 いよいよDelano Airportに着陸することになった。Rwy32に着陸する為にDownwind entry、フラップを下ろし、85-90ktで飛び、ファイナルでは80kt強で進入。ラウンドアウトからフレアまでは気持ちよく、綺麗な着陸を決めた。最後にBE76を飛ばしてから半年というブランクを感じさせない。

Fuel pitで給油、そしてParkingに駐機。以前も来たことがあるメキシカンで食事となった。このアメリカ人インストラクターはなかなか紳士的な良い感じの男で、飛行機以外の話しも盛り上がり、あっという間に辺りは真っ暗になってしまった。 Delanoからの離陸はRwy 14を使うことにしたが、Airport Chartを覚えておかないとタクシーウェイが分りにくい。Rwy14のHold Short Lineの手前でRun upを行い、すぐに離陸となった。せっかくなので夜のInstrument Approachでもして遊ぼうということになり、Bakersfield Aiport ILS Rwy16Lを打つ事にした。特に難なくILSを打ち、そのままmissed approachとしてコースに復帰、Torranceを目指して飛行した。 基本的にSingle engineでのナイトフライトは高速道路や都市部などを飛行し、平地などの緊急着陸場所を考えながら飛ぶが、Multi-engineだと夜の山岳部を越えてまっすぐ飛行。この安全、安心感はたまらない。最近のFADEC仕様のMulti-engineはコンピューター故障で2発とも止る心配があるので自分の中での信頼性は低い。しかしBE76のようなアナログ的で2個あるエンジンの操作系が2系統という古い機体の場合、整備さえよければEngine Failureに対する信頼性が最新の機体よりかえって高いのではと思っている。

Van Nuys Airportの西で降下を開始し、Special Flight RuleでLAXを越え、Long Beachの沖の方まで飛行してから、Torrance Airport ILS Rwy29Rを打つことにした。漆黒の闇の中、冬の極寒の海上を3000ftくらいの低高度でレーダーベクターされている時も、Multi-engineという安心感がある。ILSも無事決まり、接地もまあまあ。少し高さの感覚が合わず、ショックゼロ!という着陸にはならなかったが、十分に満足てきる範囲の安全な着陸だった。たまにMulti-engineを飛ばして遊ぶと楽しい。



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (HK)
2009-03-07 15:13:42
双発機で計器飛行を自由自在にできる。いつかはC2さんに様に飛行機を楽しめるようになりたいです。
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FAR 61.57 (blue sky123)
2009-03-07 23:57:57
90日以内に必要な要件です。
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Unknown (C2)
2009-03-08 01:06:43
>HKさん
自由自在とはいきませんが、VFRでもIFRでも、Multi-engineは独特な楽しさがあります。Multi-engineを頻繁に飛ばしているわけじゃないですが、MooneyというComplex/High performance aircraftを毎週末、時間を気にせずに飛べる環境にある今の私の環境は幸運だと思います。

>blue sky123さん
斜め読みされたようですが、最初のパラグラフに明記されているようにこのフライトにパッセンジャーはいません。右席は双発飛行時間は私より少なくてもMulti-engine Instructorですので、このフライトでこちらはPIC/DUAL、向こうはPIC/as Instructor。FAR 61.57を理解せず飛んでいるパイロットなんていません。
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