この日も軽くVFRで飛ぶことにした。愛機グラマンに乗り込んでエンジン始動、プライム2回。そしてランナップエリアで暖気。すると目の前でCessna Citation ExcelがTaxi-way Aを逆行、そしてタワー前で停止した。なんだろう?と思っていたが、なにやらジェットエンジンの出力を上げて轟音を立てている。
ジェットエンジンの排気臭が凄いので、ランアップをさっさと終わらせて離陸することに。ちょっとの臭いだと空港を連想させて嫌いでもないのだが、この日はそういう次元じゃなかった。American Flyersの訓練機、セスナ172に続いて私も離陸。離陸許可と同時に管制塔からCitation in the North taxi-way, run up at 80% power, be cautionとのこと。念の為、滑走路の南側半分を滑走してCitationから離れ、そこから右フルラダーを蹴ってセンターラインへ、そしてRwy-headingに静態してから離陸した。海に近づくと真上にセスナ172を発見。やたらのんびり飛行していて、すでにサンタモニカ空港のClass D Airspaceの上を飛んでいる。これはもしかして海岸線を観光フライトしている機体か?と思った。そのままVisual separationを保ち、その機体の下を通過していった。向うは70kt以下で飛んでいるようで、こちらは80ktは出ていた。そのまま海岸線を飛行。すると、すぐに管制官からFrequency changeと言われた。ただ、後ろにいる別のトラフィックにグラマン(私)についてTraffic Alertを出している。Grumman 2800ftなどと言っているが、こちらは2300ftくらいを飛んでいた。おかしいなと思い、Frequency change後も管制塔の周波数をモニターしていた。しばらくしてまた後続の機体にアラートを出しており、しまいにはFrequency changeをしたのに私にもアラートを出してきた。どうも話しが合わないので、
"What's my position and altitude on your radar?"
と私が問いかけると、高度は500ft以上、ポシジンも1−2マイルほどずれている。Pitot static inspectionを終えたばかりなので、そこまで高度が狂うはずがない。ここで気付いたのが、恐らく先ほど自分が抜かしたのが先行していたAmerican flyersの機体で、前後逆になり管制官が勘違いしているのだ。
"I think the traffic flying ahead and lower is me, and the Cessna is flying higher behind me."
ここで管制官がお互いの高度を確認、やはり逆転していた。それが分れば両機ともFrequency changeとなった。誰が悪いと一概に言えるもんじゃないが、こんな事初めて。後続機が私より高いところにいるので、こちらは180度反転、3500ftでSpecial Flight Ruleを目指す。この時マリブ上空くらいまで来ていた。IAS95kt、外気温は22度。LAXの上空通過、そしてプラクティスエリアに出た。ここからはSocal Approachに繫いでトーランス空港でPractice ILS/LOC approachをして遊ぶことに。エアロバディックをしている複葉機が居たので、それを避けるようにさらに海側に出た。3500ft、Point farminよりも南3マイルの所でSocal Approachを呼び、Squawk0234をもらう。やる気のない管制で、heading 060, altitude your decretionとのこと。すぐに2000ftまで降下すると、あっという間にFinal approach courseへレーダーベクターされることに。ところが、heading 100!と変更があり、トラフィックアラート。どこにいるのかと思えば、真上にエアロバティックをしているBoeing Stearmanが居た。危険。こんなところでエアロバティックをしないで欲しい。もっと西側ですればいいのに(するべき)、IFRのトラフィックも交差する東側まで来るのは賢明じゃない。こんな忙しい空域でループをして遊ぶことはないのに。この機体をやり過ごしたら、再びレーダーベクター開始、すぐにheading 030、そして330と左ターン、すぐにFinal approach courseに乗った。トーランス空港に向けて先行する機体、ATCから判断して日系スクールの訓練機のようだった。同じようにPractice Approachを打っていた。こちらはその訓練機に続いてNo.4。そのままファイナルを飛んでいると、Riter Aviationの双発訓練機、Duchess N6704XがタクシーバックしてRwy29Rから再度離陸するようだ。着陸訓練をしているのだろう。そのDuchessに進路を譲るため、管制官からChange to Rwy29Lと言われた。Practice Approach中止、そのまま左側に進路を変え、フルフラップでRwy29Lに着陸となった。
以前はトーランス空港よりもサンタモニカ空港の方が燃料代が安かったのだが、最近は価格が逆転。当然満タンに給油した。そしてすぐにRwy29Rから離陸、コンプトン空港に向って1600ftで飛び、そのままLAX Class B Airpace Floorを潜る。そして今回はパサデナの方に向って飛んだ。ローズボールが見えるくらいの所で左に旋回し、2000ftでBurbank Class C Airspaceの下に潜る。この行程は油温を気にしながら2200ー2300rpmの低速飛行をした。そのまま西に飛び、Blue Whaleの上空でサンタモニカ空港の管制塔を呼ぶ。ところが返答なし。サンタモニカ空港のClass D Airspaceの境界が近づき、そのまま360turnをして進入を防ごうかと思ったら、Grumman straight inと管制官。ちゃんと認識していたが、返答するタイミングがなかったようだ。先行する機体に続いてNo2だが、なかなかNo1が見えない。前方に1機いるのだが、凄く高い位置を飛んでいる。すると、No1のセスナがgo aroundとなった。これはインストラクターの判断だろう。やはり異常に高いのが先行するセスナで、高度処理を誤った訓練生の操縦を敢えて修正せず、教育的意味でゴーアラウンドをしたのだろう。こちらは減速を指示されていたが、No1がgo aroundしたので関係なくなった。そのまま100ktくらいまで再度加速し、Fwy405の上空で減速、70ktでラウンドアウトし、気持ち良く奇麗な着陸が決まった。
ATCをBGMのように楽しみながら、軽くVFRで飛んでいたつもりが、この日もHobbs 2.1時間飛んだ。