LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ(動画):セネカでIFRフライト

2011-05-28 | Flight Log (機長)

グラマンがまだ飛べないので、この日はセネカで飛ぶことにした。トーランス空港は程よい1400ft Brokenという雲で、IFRで突き抜けて下さいと言っているようなもの。空港に到着、セネカのプリフライトを行った。左メインギアのタイヤの空気圧が低め、右タイアは溝がない。ただ、飛べないというレベルじゃない。右エンジンはちょっとオイル漏れが気になる。機体もいつになく小汚い。

機体に乗り込み、左エンジンから始動。調子は良い。Avionicsのマスタースイッチを入れ、ATISを取るが、ラジオの雑音が酷い。これは受信だけではなく、送信も悪いようだ。Ground controlにコンタクトしてラジオチェックするが、scratchが多いとのこと。ただ、こちらの話していることは分るようなので、短めのIFRを飛ぶことにした。本当はCamarilloまで行きたいと思っていたが仕方ない。Tower Enroute Control IFR to Santa Monica Airportをリクエストした。そしてもらったクリアランスは:

Cleared to SMO; After departure fly runway heading, intercept LAX VOR 170 radial, LIMBO intersection, V64, SMO VOR 125 radial, SMO VOR, SMO VOR 059 radial , ELMOO intersection, Direct; 3000ft / 4000ft 10min after departure; Socal Departure frequency 124.3; Squawk 466X

このリードバックをするのに3回かかった。Read back自体は全く正しいのだが、途中で無線が切れてしまうのだ。これはIFRでのフライトは無理かと思い、ランプに戻ることも考えた。ただ、Com2の方だと送信が良いようで、とりあえず飛ぶことにした。すぐに離陸許可が下り、Rwy29Rからheading 290で雲を目指して飛んで行く。Manifold Pressure 35inch、2500rpm、120ktでぐんぐん上昇。雲の中に入り、Heading indicatorに目をやると、なんと270を指している。あれ?と思って計器をスキャンすると、左エンジンのManifold Pressureが3インチほど落ちていた。スロットルケーブルが渋いのが原因だと思う。すぐに35inchまでスロットルを上げると、その後は問題なかった。すぐに雲を抜け、heading 360を指示される。1分もたつと、今度は030、そして330と、頻繁にheadingを変更させられる。すぐに4000ftに到達し、Manifold Pressure 30inch、2400rpmのエコクルーズ設定とした。ここでSocal Approachからラジオのスクラッチ音が多いとお小言をもらう。こういうIFRは気分が悪い。念の為、トランシーバーを手元に置いておく。すぐに3000ftへの降下指示、そして128.5へと周波数変更。ロサンゼルス国際空港へ降りる旅客機も捌く周波数なので、なかなか割り込むタイミングが見つからない。やっとタイミングを見つけたと思うと、ラジオの調子が悪くタイミングを逃す。これは駄目!と思い、Instrument Approachを諦めVisual Approachを打つ事に。その旨伝えると、すぐに別の周波数をくれた。VOR-Aだとあと2回は周波数変更があるが、Visualだとすぐにサンタモニカ空港管制塔へとハンドオフされる。Airport insightしているので、すぐに左旋回してVisual approachの開始。しかも、管制塔はいきなりcleared to landをくれた。ラジオの調子が悪い時には有り難い話しだ。

トーランス空港からサンタモニカ空港までのフライト動画

着陸はぱっとしないものだった。イメージより0.5ftくらいラウンドアウトが高い。最後のフレアでごまかしてソフトに接地する感じ。高さ感覚があまい着陸はショボイ着陸だ。

着陸後は一度Fuel Pitに向かい、そこでエンジン停止をした。この日のサンタモニカ空港には水上機仕様のセスナキャラバンが居た。ジェット機などより格好良い。あと、ハリソンフォード氏所有のビーバーが来ており、おそらく本人だと思うが、サンタモニカ空港Rwy21から離陸していった。

ラジオに問題を抱え、またIFRで飛ぶのを躊躇していた。とりあえずトーランス空港のATISを電話で取ってみると、1400ft overcastになっていた。これは雲の下をはってVFRで飛ぶには不向きな低い雲だ。とりあえずラジオチェックをしてみると、サンタモニカグランドコントロールは"Scratchy but understandable”との返事。その言葉に勇気づけられ、IFRでの帰還を決めた。もらったクリアランスは:

Cleared to TOA; After departure fly runway heading, upoin reaching LAX 315 radial turn right heading 250, Radar vector to SMO VOR, SMO VOR 125 radial, V64, SLI VOR, Direct; 3000ft/4000ft 5min after departure; Socal Departure frequency 125.2; Squawk 464x

離陸待ちは10分未満、すぐにリリースとなった。いつものようにサンタモニカ沖の海上で行動を稼ぎ、3000ftを越えた辺りで右旋回でSMO VORに戻ってきた。そしてSMO VOR 125 radialに乗って延々のフライト。出力設定は行きと同じでMP30、Prop2400rpmというエコ設定。本来はもっと西側へとレーダーベクターされるのだが、この日はちょっと違っていた。そのままトーランス空港上空近くまで飛び(雲の下なので見えないが)、そして3000ftへと降下。ここからは全てレーダーベクターとなる。2000ftに降下を指示されてから、完全に雲の中に入った。考えていたよりも長い時間雲の中を飛ぶことになり、heading 030そして320と左旋回しながらのレーダーベクターが続く。最終的にはheading 320でTorrance Airport ILS Rwy29RのLocalizerをインターセプトした。そしてOuter Makerより2マイルくらい手前でトーランス空港管制塔へハンドオフされた。さっそく管制塔へコンタクトすると、Rwy29R cleared to land!!とやる気がない。まだAirspaceにも入ってないし、雲の中だし、降下も始めてないのに、着陸許可が下りてしまった。ただ、先ほど同様、無線の調子が悪い自分には有り難い。1400ft Overcastなので緊張も何もないアプローチとなり、すぐに空港が目に入ってきた。Rwy29Rへの着陸はラウンドアウトの高さを意識し、自分でも納得のいく出来のものとなった。終わりよければ全て良し。気分良くフライトを終えることができた。

サンタモニカ空港からトーランス空港までのフライト動画:

やはりマルチエンジンでのIFR Flightは楽しい。ただ、今は空の原チャリ、愛機グラマンでのフライトが恋しい。

 

 

 

 

 

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