LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:俊足クロスカントリー

2016-03-24 | Flight Log (機長)

この日は朝から曇り。最初は700ft Overcastで、サンタモニカ空港のVOR-A/GPS-Aのminimum以下の天気。Instrument Approachで降りてくる機体なし。ILSのある近隣空港にダイバートしているのだろう。しばらくすると、1000ft Overcastになった。これなら楽勝で降りれる。さっそく飛ぼう!と決めたが、なんやかんや用事を済ましているうちに1000ft Scatteredになってしまった。これはマズイと空港に急ぐが、すでに雲が晴れ上がってしまった。1000ft以下はかなりのHaze、Marginal VFRだ。とは言えIFRで飛んでもさほど意味ないので、クロカンフライトをすることにした。せっかくなのでエンジンの設定を色々と試して遊ぶことに。

燃料が少ないのでAmerican Flyersにタクシー、満タンに給油した。Justice AviationのCessna172SP、あとライトクラブのDiamond DA40がやってきた。満タンにしたあとにSouth East Runupへ。この景色も懐かしい。その後、Rwy21から離陸、2600rpmくらいに絞るようにした。騒音は大きめだが、無理に回転を落とさないのでシリンダ0ヘッド温/CHTの変化が少なめ。クルーズクライムも2550rpmくらいで飛んでみた。海岸線を飛び、Class B Airspaceの下をくぐってヴァンナイス空港の上を通過。Burbank Class C Airspaceの遥か上を飛び、7500ftでの巡航開始。2500rpm 21.5inchでの巡航、おおよそ71-72%程度の出力。POHによれば、6000-8000ftで最高速が出る。10000ftまでは性能低下は最小限。7500ftは最高巡航速度を試すのに最適。ここでJPI EDM700を使って、完璧なRich of Peakに合わせて飛ぶことに。Lean assistで丁寧にミクスチャーを絞り、エギゾースト温/EGT1510くらいでシリンダー4番がPeakに達した。ちょっとLean側にいってしまったので、ミクスチャーを押戻してEGT1500Fくらいを維持。しばらくして1480F前後に落ち着いた。この時、CHT330-370Fくらいで安定。意外にも3番と4番のシリンダーが一番熱い。ここでIAS153kt程度で安定していた。Garmin530Wの機能を使ってTASを計算すると、173ktと出た。テールウィンド成分は17ktくらいあり、右後ろから吹いているらしい。Ground Speedは190ktを記録。さらにテールウィンドを探して上昇、進路も090から070としてテールウィンドをもろに受けるよにした。すると、9500ftで対地速度200kt超えを達成。大満足。

いろいろ設定を試したが、やはりカタログ数値通りの性能が出ている。ノンターボ IO-520BAエンジンのBonanzaだと、8000ftくらいが一番飛びやすいんだなと思った。そのままエルモンテ上空を通過。ここでクルーズディセンドをしてみた。IASはYellow arcに入り、GSは210ktまで上がった。S35 Bonanza、最高だ。ちなみに、Vneまではまだまだ余裕がある。FAA Certificationを受けるテストではIAS248ktでダイブテストをしたBonanza 35。高度1万前後をIAS170ktでかっ飛んでもガッチリしている。

そのままSan Bernardino上空まで飛び、Redlands Airportに着陸してみた。ここで燃料満タンにはせず、ちょっと休憩した後に離陸、今度はちょっと南よりコースで飛ぶことにした。4500ftでの巡航。出力設定は2500rpm 20inch、そしてRich of peakでの飛行。IAS150kt弱を維持していた。TASを計算すると163ktと出た。この高度で20inchのスロットル開度にしては上出来だろう。あと、3番のCHTがちょっと370Fを超えたのでカウルフラップは開けてあったから、抵抗で1-2kt減速してたかもしれない。そのまま4500ft で巡航。コロナ空港横を超え、フラトン空港上空通過、そのまま西に向かい、Special flight ruleに入ってから北上した。LAXを越えた後、そのままサンタモニカ空港に降りずにパシフィックパリセイズまで飛ぶ。ここで2400rpmまでゆっくり30秒くらいかけて回転を落とす。すると、CHTに変化なく、良い感じで消費燃料も1ガロン/時間ほど低下した。やはりプロペラの回転数の上げ下げはゆっくりやるべきだなと痛感。

マリブ過ぎたところで右180度旋回、やっとサンタモニカ空港へ向かう。ここで管制塔を呼び、Right traffic Rwy21 ident!との指示。巡航降下しながら170ktくらいで突っ込み、トラフィックパターンの手前でギアを出して120ktまで減速、さらにフラップも出して100ktまで大減速。ここでmake your base turn West of Rwy405, Challenger on 10mile final, Rwy21 cleared to landと管制官。何をしてほしいのかわかったので、ほぼショートアプローチの要領で飛ぶ。ちょっと高さが甘かったかもしれないが、ラウンドアウトは綺麗に決まり、接地も超滑らか。着陸自体の出来は80点だが、サンタモニカ空港の空域に入ってから一気に減速して、Challerngerの着陸を邪魔せず管制塔の要求に応える飛び方は100点だ。こうやって協力的だと管制塔とも仲良くなれる。

駐機スポットに戻り、機体を吹いてカバーをかけてフライト終了。この全行程、1.6時間くらいでこなした。素晴らしい俊足ぶりだ。このBonanzaの飛び方、さらにわかってきた気がする。


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