LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:ナイトフライト、真横からのクロスウィンド

2010-12-11 | Flight Log (機長)
日没後、サンタモニカ空港に到着。夜なのに風が強いし、風向もおかしい。海風じゃなく、サンタモニカの山を駆け下りてくるような風。エンジン始動、ランナップエリアに向かい、念入りにランナップ。暖気中もマグチェックし、ラフらないか調べる。特に問題なかった。

Rwy21から離陸、270 at shore lineを選択。綺麗な夜景のなかを離陸していった。特にFequency changeも指示されず、そのままSpecial flight ruleへ。そしてロサンゼルス国際空港の上を越えた。この時のIndicated Airspeed(IAS)は100kt弱なのに、Ground Speedは120ktを越えている。この高度(3500ft)で、この位置(LAX上空)で、20kt以上の風が北から吹いて来るのはサンタアナウィンドの時くらいしかない。こういう風が夜に吹いているのは珍しい。そんな追い風にのってパロスバーデスの丘を越え、海側まで一気に出てしまった。そして降下を開始し、ロングビーチ近くでトーランス空港管制塔を呼んだ。Rwy29Rへストレートインを指示されたが、右45度くらいからのクロスウィンドの中をCrabbingで下りて行く。実際に滑走路の上まで来ると、建物などの影響でクロスウィンドは弱くなっていた。とりあえずFuel Pitに向かい、満タンまで給油した。ちなみにトーランス管制塔はクリスマスのライトが飾り付けられていた。ホリデーシーズンぽくていい。

とりあえずトーランス空港を離陸することにした。Rwy29RからRight downwind departure、1900ftくらいでコンプトン空港上空へと向かい、そこからロサンゼルス国際空港のClass Bの下を潜ってのフライト、いつものコース。ここでIAS100kt弱、しかしGSは80kt台。この高度で15kt以上の向かい風が吹いているというのはあまりないこと。そして、かなり酷い揺れ。ダウンタウン近くでは更に激しい揺れだった。完全にハリウッドの山から流れ落ちる北風の影響だ。

”ここまで揺れると、夜空の散歩を続けても楽しくない”

そう判断して急いで帰ることにした。Fwy10に沿ってサンタモニカ空港を目指す。ただ、強い北風の影響で、感覚的には30度くらい機首を右に向けないとFwy10に沿って西へ飛べない。空港まで6.5マイル東の地点でサンタモニカ管制塔を呼び、Straight in Rwy21と指示された。しかし、強い北風の影響で、なかなかファイナル側に機体が進まない。Short finalに来たが、ここでも強いRight correction angleを取らないと駄目なほどだった。管制塔からはWind 300 at 10ktという情報が来る。Rwy21なので完全に真横のクロスウィンドだ。これは面白い。ショートファイナルに来てから、310at11kt、テールウィンド気味になった。滑走路の長さは十分なので、この時点で5ktほどエアスピードを上げた。Rwy21のThreshold少し手前でラウンドアウト、左ラダー右エルロンのクロスコントロールとなるが、左ラダーは楽勝で余っている。さすがにテールウィンドもあり、長い制動距離となったが、着陸としては大満足の出来。これが短い滑走路なら、ショートファイナルでテールウィンドを聞いた時点で迷わずゴーアラウンドだったと思う。

わたしの後、ナイトランディングの訓練をしているセスナ172が蛇行しながら着陸してきている。苦労しているのが分るが、夜にこういう経験をしておくと良い飛行機乗りになると思う。私のグラマンとこのセスナ172の着陸を最後に、Rwy21からRwy3に変更された。

軽い夜空の散歩に出たつもりが、凄く楽しいフライトになった。







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