LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:虹の橋を越え

2010-06-03 | Flight Log (機長)
愛機グラマンのAnnual Inspecitonの時期が来た。5月末でAnnualが切れる。ところが、翌日から日本出張で、ロサンゼルスに戻るのは6月に入ってからになってしまう。出張から帰ってきた時には、愛機グラマンはAnnual切れの機体になってしまう。機体の駐機場所となっているサンタモニカ空港でAnnual Inspectionを行えれば問題ないのだが、やはり長い付き合いがあり信頼しているトーランス空港の友人メカニックに任せたいところだ。その為には、この日のうちに機体をトーランス空港に移す必要があった。

これから飛ぼう!という時、Annual Inspectionを行ってくれるRiter Aviationから電話があり、こんな状況で来るの?とのこと。サンタモニカ空港周辺は低気圧性の天気で1000ftから10000ftくらいまで雲だらけだが、はっきり言ってHard IMCにはほど遠い天気。ところが、トーランス空港周辺は激しい雨が振っているとのこと。TOA ATISは500ft SCT, 1000ft SCT, 10000ft OVC, Visibility 2smという感じ。ILSがあるので下りられないわけじゃないし、近隣の空港は1000ftくらいのOVC / BROKENというCeilingなので、Missed Approachとなってもどこにでもダイバートできる。極端な話し、トーランス空港でMissed Approachとなれば、サンタモニカ空港に帰ってくればいい。その時には、出張から帰ってきたらAnnual切れの機体のFerry Flight許可を取ってトーランス空港に運ぶだけのことだ。

せっかくの程よい曇り空、さっそく飛ぶことに。機体に乗り込みすぐにエンジン始動。ランナップエリアに向かい、Torrance Airport(TOA)までのTower Enroute IFRクリアランスをもらった。いつものクリアランスで:

Cleared to TOA; Upon departure right turn heading 250, Radar vector SMO, SMO 125, V64, SLI, Direct; 3000/4000ft 5min; Departure 125.2; Squawk 4xxx

ビジネスジェットのChallengerに続いて離陸許可が下りた。滑走路端に来て右ターン、heading 250となったくらいで雲の中に入り、そのまま2分ほどActual IMCとなった。雲の上に出ると、マリンレイヤーとは違う低気圧の天気が広がっていた。何度見ても、この景色は綺麗だなと思う。3000ftくらいまで上昇した時点でいつものように右ターン、Direct SMO VOR, resume own navとなった。3600ftくらいで090headingで飛んでいる時、つぎの管制圏へハンドオフ。4000ft!と念を押され、早く上れ!とおしかりを受けた。

SMO VORに到達する前にheading 130となり、レーダーベクター開始。内陸からトーランス空港にかけては比較的雲も少なく、BrokenからScatteredという雲が被っている。トーランす空港の上空だけに8000ftくらいの厚さがある雨雲が被っているが、どうやら南の方からかなり天気が回復してきているようだった。この大きな雨雲がトーランス空港周辺に激しい雨を振らせていたのだろう。 どんどん南に進みながら、3000ftに降下することになった。このあたりまで来ると、天気は回復していた。

ファイナルアプローチコースに向けてレーダーベクターされ、トーランス空港の上空をポッカリと包むように浮いているその雨雲に突っ込んでいくことになった。その雲の直近まで来ると、なんと北側に虹!!が出ていた。ちょうどその虹の上を飛ぶことになった。正に名曲のごとくOVER THE RAINBOW、最高の気分。そしてそのまま雲の中に再突入。  

虹の上を飛ぶ短い動画
http://www.youtube.com/watch?v=Z31D9iiByTQ  


雲から出ると目の前はロングビーチ。ここで2600ftへ降下、左旋回しながらTOA Localizerをインターセプトした。すぐにトーランス空港の管制塔へハンドオフされた。この時TOAはCircle to land Rwy11とのことだったが、はっきり言って強い風じゃない。管制官はRwy29Rでもいいけど、、、というので、こちらは当然 Straight in Rwy29Rをリクエストした。すぐにcleared for visual, cleared to landとなった。トーランス空港のfieldはかなり濡れており、相当な雨が振ったのだと分った。その為、誰も飛んでいないので、すぐにcleared to landとなったわけだ。

日中だというのに、管制塔がタクシークリアランスをくれた。 一過性とは言え豪雨の後、飛んでいる機体どころかタクシーしている機体もない。管制塔も暇なのだろう。Riter Aviationまでのタクシークリアランスをもらい、無事に機体を整備用のハンガーに入れることができた。今回も徹底的に整備してもらうつもりなので、仕上がりが楽しみだ。



にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。