LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:風は強いが、飛ぶにはちょうどいい天候

2018-10-04 | Flight Log (機長)

南カリフォルニアは、ここに来てやっと30度超えする日がなくなった。機体カバーを見ると、紫外線による損傷が激しい。だいぶゴワゴワした質感になり、カバー全体が硬化しているのがわかる。カバーが機体を守ってくれた証拠だ。ハンガー空き待ちが何年続くかわからず、フルボディーカバーは欠かせない。さっそくプリフライトインスペクションを行う。前回グリースアップした箇所はそのまま滑らかに動くが、時間があるので可動部には再度LPS1とLPS2をスプレー。

機体に乗り込んでエンジン始動、ランナップへタクシー。上空には強風を思わせる小さなレンズ雲のようなものが浮かんでいる。とりあえず飛んでみようと思った。ランナップの後、Rwy21から離陸。Pilatus PC12に続いての離陸となった。離陸後に左に進路をとってペンマーゴルフ場に向かうVFR dparture procedure。この時、PC12のwake turbulenceに入った。中型ジェットのwake turbulenceに比べるとなんて事ない。ここで管制塔からtraffic alertあり。海岸線を南下するヘリコプター。1100ftの高度なので、すぐ発見した。黒いRobinson R44だった。なんでこの位置を、こんな高度を飛んでいるんだろう?と思った。ちょうどシングルエンジンのRwy21からの離陸航路と交差する。管制塔もこういう飛ばせ方はさせないで欲しい。あと500ftくらい低めを飛んでくれれば問題ないのに。管制官に許可をもらい、推奨されているVFR departure procedureから外れ、そうそうに北向きに進路をとる。これでヘリと進路が交差しない。

パシフィックパリセイズ上空で進路をさらに北へ。ここで山越えをしたが、山の向こうはとんでもないボコボコ。Moderate turbulenceで、用事がないのならさっさと進路を変えたいほどの揺れ。ここで東へ進路をとり、5500ftまで上昇したが、ハリウッドの山でかき乱された気流がturbulenceとなってひどいゆれ。 Maneuvoring Speedで飛ぶほどではないが、高速巡航は無理。2400rpm 21inchの低出力設定で飛ぶ。基本的に南風なので、バーバンク空港から東に逃れると、山岳の風下から風上に変わる。これでturbulenceが皆無となり、高速巡航開始。2500rpm、23インチ、16gphの設定で飛行。カウルフラップは閉じた。あと室内空気取り入れ口も閉鎖。これでIndicate Air Speed 156kt, True Air Speed174ktと出た。少し北よりに進路をとると、Ground Speedは180ktに近づく。気持ちいい巡航だ。ここでちょっとトイレ休憩したくなり、眼下のブラケット空港に降りることに。管制塔は暇そうで、right traffic Rwy26Rとなる。旋回降下してダウンウィンドに入り、すぐに着陸。かなりの横風着陸だった。

休憩を済ませ、すぐにブラケットを発つ。そして2000-3000ftの高度で南西に飛び、いつものようにトーランス空港に向かう。ここでは2400rpm 20inchののんびり飛行。ただ、飛行機が本当に飛びたい速度ではなく、少しピッチアップ気味だ。何の気無しにトーランス空港のATISをとると、Rwy11を使用していた。海岸線の空港、SMO LAX HHRは海側へ離陸しているのに。Left trafficで11Lのトラフィックパターンに入るが、Can you accept South Rwy?と管制官。Affirmと返答し、Rwy11Rへ着陸。Taxi way Eからタクシーアウトし、Transient parkingへ駐機した。この空港ののんびりした感じが好きだ。自分の機体を眺めながら、自販機でスタバのモカを購入して休憩。

ここ1ヶ月、IFRを飛んでいないので、帰りはIFRと決めていた。グランドにコンタクトし、Tower Enroute IFR to KSMOをリクエストし、Taxi to Rwy11Lとなる。Taxi way E-A-B-Rwy11Lとタクシーし、ランナップでクリアランスをもらう。Rwy11Lからのクリアランスは:

Cleared to KSMO; after departure fly Rwy heading, radar vector to SLI,V8, POXKU, V363, BAYJY, V186, DARTS, Direct; 3000ft/6000ft 10min; departure frequency 127.2; squawk 477x

Rwy11LからのIFR departureは超久しぶり。しかも、新しいTEC IFRコースになってからは初だ。ちょっと待たされたが、無事に離陸許可。滑走を開始、気流が不安定で機体がガタガタする。Socal departure最初のコンタクト、identと言われ、すぐに6000ft上昇指示。クルーズクライムじゃなく、Vyクライムを指示される。パロスバーデスに当たった南風の気流でガタガタゆれるが、そのまま暴れる機体を抑えて上昇を続ける。4000ftでresume own navと管制官。1000-1200fpmで上昇していたから、レーダーベクターで左右に振られずに済んだ。3000ftくらいからは気流も安定していた。SLI VORの手前からオートパイロットヘディングモードで飛行。フルスロットルで2500rpm、16.5gphくらいの流量。JPIが調子悪く、rich-of-peakを正確に設定していない。これでIAS155kt, 6000ft, OAT 66Fだったので、DA7809ft, TAS174.3ktと出た。いい感じだ。GS177-178ktで飛んでいる。V363に入ると、GS188ktまで出ていた。ここでHector VORの周辺でsevere turbulence HIWASがレポートされているとSocal approach。おそらく上空は20-30ktの南風だろうから、これが山でかき乱され、北の砂漠は大荒れなのは容易に想像がつく。V363に入る手前から、GPS Nav modeで完全オートパイロット。何もしないで愛機が勝手に飛んでくれる。V186に入ってもGS177ktくらいで飛んでいた。いつ降下かと思っていたが、反対方向から5000ftを飛ぶチェロキーがくるので、なかなか高度を下ろしてもらえない。Descend in 8mileと管制官。Expect RNAV21と言われ、すぐにGarmin G530WにSMO RNAV LPV 21 approachを入力。結局6000ftのままfinal approach courseをインターセプトすることになった。かなりスロットルを絞り、降下を開始。それでもGS165−168ktでの飛行。なかなか減速できず、上昇して減速、ギアダウンして再度降下、アプローチ再開。すぐにcleared for visual, cleared to landとなった。RNAV LPV approachにも慣れてきたが、この高度からの降下では、Glide slopeの恩恵に預かれない。Glide slopeを捕まえたのはショートファイナルだった。着陸は無事に決まり、気持ちよくフライトを終えた。

パフォーマンスといい飛行特性といい装備といい、今の愛機に全く不満がない。EGT/CHTだけが問題だが、エンジンの癖を理解しているので、パネルマウントの計器でなんとかなる。ほんと、S35はいい機体だ。

 


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