LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:夕暮れ時、前線の雲の下を飛ぶ

2010-10-21 | Flight Log (機長)
最近は天気が悪く、気軽に飛べる感じじゃない。IFRで飛べばいいのだが、”気軽”に空の散歩をするというわけにはいかない。特にnon-precision approachしかないサンタモニカ空港ベースで飛ぶようになってから、Ceilingが1000ftからちょっとでも下がれば降りれなく事があるので、気軽なIFRという感じが薄れた。ILS Approachがあったトーランス空港が懐かしい。

そんな曇りがちな天気の中、Ceilingが2000ftから3000ftくらいの高さになる時があった。夕暮れ時の空、雲と雲の間から見る夕陽は幻想的だ。十分にVFRで遊べる天気なので、ここは飛ぶことにした。海岸線は比較的雲がないことから、西へ向って飛ぶ事にした。

エンジン始動、この日も右に座り、ランナップエリアへ。寒くなってきたので、ちょっと長めの暖気となった。ランナップの後、Rwy21にタクシー。Right turn at shore lineで離陸したが、気温が低くなったので非常にパフォーマンスが良い。1000fpmの上昇を示している。しかも、60kt台での上昇を維持すればこのレートを維持できそうなくらいだった。海岸線で右に旋回したが、上昇力が良いので、80ktくらいまでピッチダウンして上昇を抑えた。2500ftでレベルオフ、2500rpmの出力設定を試すが、夏場よりも10kt以上は速い。やっとグラマンには辛い夏が終わったのだなと感じる。やはりこの機体は気温15度前後で飛ぶのが最高だ。もちろん気温が低ければ低いほどいいが。

パシフィックパリセーズからマリブビーチの上空を飛び、さらに西を目指した。そしてペパーダイン大学の上を越え、ちょっと先に向って180度旋回した。低気圧の雲が空を多い、その影から夕暮れの太陽が見える。なんとも綺麗な景色だ。山の斜面の途中には霧がかかっている。サンタモニカ空港を目指して東向きに飛ぶが、色々と出力設定を試してみた。2400rpmで巡航してみたが、気温が25度以上の時の2500rpmのパフォーマンスが出る。しかも油温はまったくもって安定している。2300rpmや2400rpmの低出力設定で飛んでいる時のAngle of attack / pitchに関しても、明らかに夏場と今とでは違いがある。気温の差、空気の密度の差を、愛機のパフォーマンスから感じ取れる。

パシフィックパリセーズからサンタモニカの管制塔を呼んだ。Right traffic Rwy21とのこと。パターンに入ると、すぐにcleared to landが出た。小さめのベース-ファイナルを飛び、Rwy21に着陸した。本来はショートファイナルをリクエストしないといけないくらいの小さいトラフィックパターンだが、管制塔はこちらが小さめのパターンを回ることを承知している。ローカル空港だからこそできる事だと思う。

ちなみに、こういう天候のフライトでは、Low Altitude IFR Chartと、近隣空港のApproach Chartを持参しているので、何かあればいつでもIFRで飛べるようにしてある。2000ftくらいのCeilingがあるとは言え、VFRしか選択肢がない状態で前線が通過する雲の下を飛ぶのは危険だ。







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