LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:Gusty過ぎて着陸断念

2016-01-03 | Flight Log (機長)

この日もサンタアナウィンド。サンタモニカ空港に到着すると、オフショアの風が吹く。今日も揺れるかなと覚悟した。すると、隣の隣に駐機するチェロキーのオーナー、Edが話しかけてきた。彼はチェロキー以外に、アローとセスナ310を持っている。いろいろと立話しをしていると、M20JのオーナーのStevenがやってきた。駐機スポットを変えたので、みんな最近知り合いになったばかり。Edは早々にハンガーに篭り、機体整備を始めた。Stevenは一緒に飛ぼう!と誘ってくる。Mooneyと速度競争するのも悪くない。目的地は?という話しになったが、カマリロ空港でしょ!とSteven。こんなサンタアナウィンドが吹くなか、北に行くのはやめたほうがいいんじゃない?と言ったら、楽勝だよとSteven。そうこうしていると、サンタモニカFAA管制塔で働くボブもやってきて、カマリロのカフェがいいよとのこと。Stevenはガルフストリームパイロットだし、StevenのM20Jに同乗するボブはFAA管制官。無謀な連中ではない。そんな彼らがカマリロに行きたい!というなら、こっちも付き合うことにした。

かなりのテールウィンドだが、まだRwy21を使用していた。ランナップの後、Rwy21から離陸。M20Jは3分ほど先に離陸していった。早々にクルーズクライムに切り替え、120ktで上昇しながらM20Jを追いかける。向こうもGround Speedを稼ぎながら海岸線を飛んでいる。ところが、サンタモニカマウンテンから吹きおりる強烈なTurbulenceでガタガタゆれる。これは無理しても意味ないので、早々に上昇して砂漠側に逃げることに。そしてのカマリロ空港のATISを取ると、Wind 030 at 20kt gusting 27kt、Rwy8 in useとのこと。これ、着陸厳しいでしょと思った。030 at 20ktならまだしも、Gusty27ktが気になる。本当に彼ら、この中を降りていくのだろうか気になった。一応カマリロ管制塔にコンタクト、そのままダウンウィンドへ。ところが、高度維持するのもキビしい、ボコボコの揺れ。ビジネスジェットがWind informationを取っていたが、Gust 35ktといっていた。止めとこう。まだまだ不慣れなボナンザ、無理は禁物。管制塔には、Too gusty for me, departing back to Eastとリクエスト。すると、そういえば、先行するMooney NxxxEJから言付けで、彼らも降りれなかったと伝えておいてくれと言われたよと管制官。なるほど。

揺れと闘いサンタモニカ空港の空域まで戻ってきた。4000ftを飛行していたが、このまま帰還してもつまらないので、そのまままっすぐspecial flight ruleを飛んでトーランスまで行くことにした。そこで給油しようと思った。2500rpm、22インチ、そして16gphくらいのfuel flowに設定すると、みるみると160kt IASに迫る速度が出た。爽快感を得ながらプラクティスエリアまでまっすぐ飛ぶ。最終的にはIAS162ktくらい出たと思う。ボナンザS 最高だな、と機内で独り言。Angeles Gateまで出てトーランス管制塔を呼ぶ。Rwy29R straight in、cleared to landとなった。140kt以上を維持してアプローチしようと思ったが、なかなか速度と高度制御できない。あと、3−4マイルファイナルでかなりのturbulenceがあった。Vaまで減速したくなるようなturbulence。ランディングギアを出して減速。ところが、すごいリフトに見舞われ、すごいピッチダウンでファイナルを飛んだ。300ft以下まで高度が下がると、何事もなかったかのように風がやんだ。フッと気をぬいたのか、そんな緩やかな風の中、バルーニングしてダサい着陸。

そのままFuel pitに行き、30ガロン以上の給油。すぐに帰還、Rwy29Rはランナップエリアが混んでるから29Lにする?と優しい管制官。最終的にお勧めに従い、Rwy29Lに向かった。すると、JJ HeliのHさんが小声で呼びかけてきた。どうも!と私。短時間ながら、このボナンザのお披露目となった。

Rwy29Lからstraight out departure。海岸線ではパロスバーデスの乱気流で揺れた。そのままダウンウィンドに右ターンしたいほどったが、なんとか上昇しながら左ターン、そして3200ftでトーランスを越え、かなりの揺れの中を飛び続けてコンプトン横を通過。1800ftで北上し、ダウンタウンからFwy10に沿って飛行。後ろを揺らされる感じ。やっぱりVテールの揺れかたはちょっと違う。CGを中心にテールが回る感じがする。7マイル東で管制塔を呼ぶ。Wind calm Rwy21 cleared to landと管制官。こんなガタガタ揺れてるのに、Wind calm??と思った。ファイナルまで全然calmじゃない。そしてショートファイナルからノーフラップで85ktくらいでアプローチし、300ftくらいまで下がってくると風が止む。そのままフレア、タッチダウン。良い感じに決まった。Aerodynamic brakeを最大限に使用、ノーズアップを維持してウイリー走行。

駐機スポットに戻ると、Stevenから置き手紙。降りれなかった!、ゴメン!とのこと。向こうは私が果敢にも着陸したと思っているようだ。この日のフライト時間1.5時間。揺れの中でのVテールボナンザの特徴的な挙動がわかってきた。


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