最後まで人が煎るのです。
この世間に存在する色々な仕事、プロの仕事・その技と言えるものに、精しい【数字】で仕事をする場面はあまりないように思います。
プロゴルファーがスイング角が何度で、ヘッドスピードをどれだけで、風向きが、風速が・・ピンまで何Mまで精密測器で測ることがないように、
大工さんが、鉋の刃の出を測ったり、鑿を研ぐ角度を測りながら研いだり、
魚屋さんが、定規で切り込みの場所を決めたり、寿司屋さんが握りご飯の重さを測ったり、
マッサージ屋さんが、圧す圧力を測ったりしないように・・
外科医の仕事がロボットで出来ないのは、数値で測れない微妙さが判るからなのでしょうか?
下町の工場の職人さんの技が、最新の精密機械で製作するのもよりも優れていることが、度々TVで取り上げられています。
如何でしょうか?貴方の身の回りでプロの仕事で数字で仕事している人はいますか?
勿論、数字が仕事の人は別ですよ、トルクレンチで規定の仕事とか、検査系の仕事とかです。
コーヒー焙煎も、甘栗の焙煎も、焼き芋屋さん、鰻屋さん、お茶やさんとか、大体同じだと思うのです。
「他と一緒にするな!」という尊大な人はいないと思います。
尊大な人間は大嫌いです。
尊大とは、俺はスゴイと思ってる人です。
黒を白にして、それを赤と呼んでるような人です。
その反対が謙虚。
私は謙虚ではありません。しかし、ないものを有るという程、尊大ではありません。
このブログの主旨は、一貫して、珈琲焙煎は決して技術ではないということです。
コーヒー焙煎は、「作業」だということです。
しかし、ブームというものは恐ろしいもので、金が舞い込んでくるからでしょうか?金の亡者達が、色々な手を使って人々を騙そうと必死です。
丁度、バブルの頃のような金儲けの話、要するに株式・相場で儲ける為の、色々な指標が本になり、講演会が開かれ、新しい手法が開発され、マスコミでは何十億儲けた女将さんがもてはやされてました。どれもが、その道のプロ(騙すプロ)が考えた立派に科学された数字で寸分の隙間も無いものばかりでした。コンピューターを駆使し、いかにも儲かりそうな・・・・・・・・
それどころか、テコを利用して何倍にも儲けるように推奨されてました。
そして皆さん、散々な目に遭いました。
玄人(プロ)は、昔ながらのヤリ方で、皆生き残りました。
さて、同じ繰り返しです、数字は偉く思われます、数字は信用されやすい、そこを利用されます。
プロの仕事、これは鍛錬です。同じことの繰り返して上手くなれるのです。
今、日本で焙煎されている人で、時間や色で焙煎が判るなんていう馬鹿はいないでしょう。
ま、最初に素人を教えるには数字が判りやすくて良いかもしれません。
何十年も焙煎されてる方は、SCAAの指標も関係ありません。それ以前からやってるわけです。
現実問題、一日に何焙煎もする時に、必要なのは【完煎】だけ判っていれば、あとは差し引きだけです。
小学生のように、「色見本」持って煎ってるプロはいないのです。
数字で済めば簡単なのです。全自動化出来ます。だから職人技だと言いながら数字並べる野郎も全くの偽者です。
コーヒー焙煎はほとんど全自動化出来ます。
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しかし、
【完煎】にいたる、その数秒は絶対に無理でしょう。
そこは数字や色見本では出来ません。しかし技術ではありません。
数字で焙煎するなら素人だということです。
あくまで最後は人が煎り上げるのです。そこに行かない焙煎なんて何の意味もないです。
ガテマラSHBをその日で煎り上がる焙煎教室をやってます。巷で買うガテマラはほとんどダメなのは【完煎】が理解していないからです。