「文芸」昭和45年3月号に掲載されて、短編集「小えびの群れ」に収められました。
この短編の構成は、以下の通りです。
一 中学一年の良二と、会社に勤めたばかりの和子が、展覧会を見に行った話。
二 二人が、展覧会の後で動物園(おそらく上野動物園)へ行った話。
三 動物園の話の続きと、グリム童話「水牛の革の長靴」について
四 「水牛の革の長靴」の続きと、グリム童話「金の毛が三本はえているおに」について
五 「水牛の革の長靴」の続きと、まとめとして展覧会で二人が見た肖像画のお婆さんと、二つの童話に出てきたお婆さんたちについて。
この作品でも、作者の家族の話と、童話を融合させて短編にまとめています。
特に、お婆さんをキーワードにして、両者を有機的に結び付けることに成功しています。