現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

庄野潤三「小えびの群れ」絵合わせ所収

2020-12-02 14:22:38 | 参考文献

「新潮」昭和45年1月号に掲載されて、この作品を表題とする短編集に収められています。

 この作品の構成は、以下の通りです。

一 中学二年の良二が、科学雑誌の付録の抵抗測定器(?)や小えびの卵孵化セット(?)で遊んでいる話。

二 小えびを塩水につけて孵化させる話。

三 良二に庭の椎ノ木の枯れ枝を取らせる話。

四 良二が、母の誕生日に櫨の木を贈った話。

五 小えびの話の続きと、良二が笛で「おしばな」という曲を吹いた話。

 この作品に限らず、作者の三人の子ども(他に和子と明夫)の中で、一番下の良二のエピソードが圧倒的に多いです。

 上の二人の子どもたちが大きくなって、作者との距離ができたということもありますが、良二が一番おっとりとしていて、作者に対して素直だったという理由もあるでしょう。

 この関係は、良二が成人して家族を持つようになってからも続きます。

 また、良二の妻になる女性や子どもたちも、作者のお気に入りだったようで、作品に頻出します。

 

 

 

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