現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

木と市長と文化会館 または七つの偶然

2018-09-15 14:41:43 | 映画
 1992年のエスプリのきいたフランス映画です。
 村の活性化のために文化会館を作ろうとする市長(本当は村長の方が正しいのではないでしょうか?)と反対派のエコロジストの校長を中心に、みんなが議論を戦わせる姿を描いたドキュメンタリータッチの映画です。
 市長や校長(この二人は直接は議論しません)を中心に、市長の愛人の女流作家、この問題を取材に来た女性フリーライター、彼女が記事を載せた政治雑誌の編集長、文化会館建設のコンペに優勝した建築家、村の英語教師、牧畜を営む老人など、様々な人が、それぞれの立場で堂々と意見を述べ合います。
 私にはあまりフランス人の知人はいないのですが、みんなこんなに議論好きなのでしょうか?
 日本では日常会話ではタブーとされる政治がらみの話(社会党と緑の党が中心)でも、フランクに自分の意見を述べ合い、反対の立場の人の意見にも感情的にならずに尊重するので、かなり衝撃的でした。
 特に、校長の10歳の娘(校長の意見にも反対の立場)が市長を論破する場面では、今の日本の児童文学が忘れている「子どもの立場に立つ」が鮮やかに実現されていて感心しました。
 校長の娘の意見の通りに、文化会館の代わりに村の人たちがみんなで集まれる緑地が作られるラストは、ちょっとハッピーエンドすぎる(しかもそこだけミュージカル風)気もしますが、まあ一種の寓話と考えればいいのかもしれません。

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エンタ―テインメント作品の書き方

2018-09-15 10:21:32 | 考察
 児童文学のエンターテインメント作品には、それに適した書き方があります。
 いくら文章や会話や描写がすぐれていても、それだけでは優れたエンターテインメント作品にはなりません。
 いや、最近のエンターテインメント作品では、かえってそのために古い感じがして、読者から敬遠されるかもしれません。
 そこでは、大人のエンターテインメント作品と同様に、偶然の多用、荒唐無稽な設定、極端にデフォルメされたキャラクターなどが、スピーディなストーリー展開と読者の興味をつないでページをめくらせるために有効です。
 さらに最近では、ストーリーの一貫性よりも、個々のシーンがいかに読者にうけるかが重要になっています。
 一番大事な点は、作者がエンターテナーに徹して、芸術性、社会性などの文学に求められる他のエレメントを捨てて、消費財としていかに読者を楽しませることができるかに注力することです。

物語の世紀末―エンターテインメント批評宣言
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9月14日(金)のつぶやき

2018-09-15 06:37:14 | ツイッター
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