God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

さて、その後の犬だ

2006-09-18 21:11:49 | 歴史/民俗/伝統芸能
 縄文時代が過ぎ、弥生時代になると再び韓半島を経由してさまざまな犬種が渡来しましたが、これらの犬たちは本土と四国九州に広まったにもかかわらず、北海道と沖縄には渡りませんでした。おそらく同時に渡来してきた人たちの移動と軌を一にしていたのでしょう。しかしながら、弥生時代には犬を食用にしていたという以外は、犬と人のかかわり合いの実態はよくわかりません。なんせ、弥生時代には動物を表現した図像があまりにも少なく、しかもその多くが鹿であるからです。おそらく稲作がはじまって、狩猟・採集の象徴である犬の重要性が低くなってしまったことと関連があるのでしょうが、この件についてはまたいずれ。

 時代はうつり、古墳時代。ここでは動物のかたちをした埴輪が見つかっています。中でも多いのは馬ですが、犬も決して少なくありません。

この犬は、首輪をしています。埴輪で表現された犬は耳をピンと立てて凛々しくたっていますが、見るからに従順そうで、人に付き従っているようすがあらわれています(私の主観)。
埴輪の並べられ方を見ると

どうやら狩りの一場面を再現しているものもあるようです。やはり人に飼われていたのは猟犬なんでしょうかね。

 古墳時代以降はしばらく具体的な様子が分かりませんが、鎌倉時代ぐらいからは絵巻物などによく犬が描かれていますから、平安時代くらいでもけっこう犬は巷にも普通にうろうろしていたと見えます。


家の縁の下や庭先、さては縁側に上がり込んで昼寝をしている!



 その一方で、人々は一向に意に介していないようです。ま、犬がうるさくて石を投げつけている場面なんかもあるようですので、ほんとうに身近にうろうろしていたんでしょうね。たとえば屋敷の中やお寺の境内、市場なんかで人の集まるところにはたいがい犬の姿が見えます。その一方で、山の中はもとより田畑なんかのあるいわゆる在郷のほうには犬が描かれていません。まさか農村には犬がいなかったというわけではあるまいし。絵巻物なんかでは犬はにぎわいの象徴として描かれている風もあります。

 自由にうろうろしている犬以外に、飼われている犬もいます。



これは狩りに行こうとしている人々ですが、真ん中あたりに犬がいます。この犬には首輪がはめられているので、飼い犬であることが分かります。もっとも、リードはしていません。姿格好からすると、ハウンド??
 つまり、この頃には自由な犬と飼い犬である猟犬がいたようですが、愛玩犬はいなかったのかもしれません。愛玩犬が入ってきたのはおそらく江戸時代になってからではないのでしょうかね。

 ちなみに猫はこんな感じだったり、
こんな感じだったり、完全に束縛されて愛玩されています(笑)

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ほんっとに (セイ)
2006-09-19 02:41:36
かわいくない猫の顔!

狛犬みたいな顔じゃ。

リードをつけられているのがいいですね~

かねがね、猫にリードは似合うと思っていました。

やっぱりそうだったにゃ。
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結局昔から ()
2006-09-19 11:46:39
猫はねこっかわいがりなんだにゃ~ん
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ねこって (あつし)
2006-09-21 02:01:36
いつも寝ていてばかりで、人間の子供(赤ん坊?)みたいだから「ねる」と「こども」の頭文字をとって「ねこ」ってなったらしいけど、ほんとかな?

子供のように寝てばかりいると言われると確かに・・・そうかもしれん>ねこ
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本来、 ()
2006-09-21 20:51:16
猫は夜行性のはずなのですが、

夜も寝てばっかりですよね(笑)

私も子供ではないのだけれど

寝てばっかりです(爆)
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▼^ェ^▼ (ひす)
2006-09-24 11:12:03
いや~、面白かった~♪

実は、毎月送られてくる犬の会報にも

たまにこういう特集があるのですよ。

その中の古い図版を眺めては、われら夫婦は、

「これはテリアだ!」

「これはハウンドだ!」

「日本犬はよくわからん・・」

などと盛り上がります。

そういうわけですので、

無論今回も大変盛り上がらせていただきました。

(*^人^*)



会議の成功をいのってま~す!ヽ(・∀・)ノ
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ありがとうございます ()
2006-09-27 20:47:43
会議は無事成功したようです(笑)

会議報告をしたのち、動物シリーズを

再会します!!
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