God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

美神降臨

2006-05-26 21:43:43 | その他
さて、のびのびになっていた英国フォークソングの話を再開します。今回は非トラッド系のフォークソングが中心になります。しかしながら、これはそれほど系統だって発展したジャンルではないので、むしろ私の愛聴盤の紹介になってしまいますが、悪しからず(笑)

 その前に少し、英国フォークのリスナーの話をしておきましょう。そうしないと我が国における英国フォークの受け止められ方の特異性がなかなか理解できません。英国フォークのファンは、大きく二つに分けられます。まず、アイリッシュパブなんかを根城にする、トラッド系フォークあたりから聴き始めた人たちがいます。ある意味正統派であり、けっこうお互いに情報を共有していたりして、微笑ましい(?)人たちです。また、同じイギリスのパブ・ロックやアメリカのフォークソングなんかから聴き始めた人たちも割と近い位置にいます。
 そしてもうひとつ、プログレッシブロック通称プログレと呼ばれる、70年代にイギリスから始まった一風変わった音楽からなだれ込んできた人たち。もしかするとこちらのほうが多数派かもしれません。もっとも、絶対数はどちらも微々たるものですが(笑)私ももちろん、プログレから入っていきました。

 いつの頃からかプログレファンのなかでは、英国フォーク三種の神器あるいは三大美神という呼ばれ方が広まっていました。これはチューダーロッヂ、メロウキャンドル、スパイロジャイラをさす言葉です。スパイロジャイラが3枚のアルバムを出している以外は、いずれも1枚しかアルバムを出していない、いわば一発屋的なバンドです。というか、あれほどのアルバムを一枚でも作ったことが奇跡に近いと言えるでしょう。



 その中で、頂点に君臨していたのがこのスパイロジャイラのサードアルバムです。どこかくぐもったうつろな響きの奥から、壊れてしまいそうな女声が漂ってくるような、クラシカルな音作り。それに色々な音が絡み付き、ときおりしゃがれた男声が浮かび上がってくる。しっとりした、まさに英国の片田舎の霧の中から、はかなく響いてくるような音です。私も思い入れたっぷりですが、このアルバムを好きな人はみんな思い入れがあるはずです。この女声、バーバラ・ガスキンさんは、その後ハットフィールド&ザ・ノースというプログレバンドを経て、80年代には先進的なポップス・デュオを結成しています。その辺も女神の頂点たるゆえんでしょう。



 その一方で、このチューダー・ロッヂはどちらかというと素朴で暖かみのあるアコーステックな音作りで、「カレッジバンド」などと評されたりもします。紅一点ヴォーカルのアン・スチュアート嬢の声はしっとりとして、オーボエなんかの木管楽器とよくなじみます。暖かな木漏れ日のようなバンドでございます。



 このメロウ・キャンドルは女声二人を要する、三つのバンドの中では一番カラフルな音作りをしているバンドです。カラフルというか一番リズムがはっきりしています。けっこう勢いのある曲もあり、パワフルなボーカルを聴かせてくれたりもします。
 このメロウ・キャンドル、80年代頃からずっと囁かれていたひとつの噂があります。それは「どうもセカンドアルバムがあるらしい」ということなのですが、長い間噂のままでした。その噂の真偽が比較的最近になって、マニアの努力によりようやく解明されたのです!実はメロウ・キャンドル解散後、ボーカル一名を含むメンバーの幾人かが南アフリカにわたり、そこで限定200枚の自主制作アルバムを制作していたのだそうです。おそらくこれが幻のセカンドアルバムというふうに伝わっていたのでしょう。しかし、誰が発掘してきたのでしょうかねぇ、そんなマイナーなアルバムを(笑)


 ここでお気づきでしょうか?どのバンドも女性ボーカルです。プログレ好きは美しい女声が大好きなのです(笑)ですが、女声ボーカルのプログレはそれほど多くないので、ついフォークのほうまで遠征してしまうのでしょうか。まるで男子高生が女子高の文化祭のフォークダンスに参加するように(笑い)

 次回はそれ以外の非トラッド系フォーク、たとえばトレイダーホーンやトゥリーズをはじめ、あの人たちやあの人たちの話をします。多分。ああ、なんか別館と区別がつかなくなってしまった・・・

純和風

2006-05-20 16:22:21 | 日々の暮らし
 少し時間があったので、ちょっと仙台まで足をのばしてきた。目的は、特に名前を書きませんがちょっと有名な和菓子やさん。

こんな看板です。街の中心部から少しはずれたところに、目立たずにあります。この看板一つで商売になってるので、人気のほどが伺えます。

 通りから中をのぞくと、こんなふうになっています。住宅とオフィスが半々ぐらいのなかに、まるでここだけ別な世界が開けているようです。


 玄関にはこんなものがかけられています。やはり看板でしょうか?それとも、かつてはこんな懸魚がかかった大店で商いをしていたのでしょうか(笑)ちなみに、中央の一番大きな二文字は、なんて書いてあるのかしら??



 商売の邪魔になっては行けませんので、お店の中の雰囲気は、外からちょっとだけ・・・


 見本の入った小さなショーケースが一台置いてあるだけで、注文を受けると裏で箱詰めしてくれます。10種類くらいの上生菓子とちょっとしたおせんべい、どら焼きが並んでいます。店の奥には座敷があって、そこでいただくことも出来るようです。上生は一つ200~250円くらいで、オーソドクスで地味ですが美味しさは私の保証付き(笑)

 あした、私の家にお茶飲みにくる人は先着で賞味できますよ(爆)

う~ん、聴いてみたい(三船敏郎風に)

2006-05-13 21:49:24 | 物欲地獄
はたして、どんな音なのだろうか??
普段私たちが耳にしている音はさまざまなシステムを経由して、
さらにさまざまなスピーカーから発せられています。

同じ音源でも、システムやスピーカーが違えば、
再生された音はかわってきます。
では、本来の音はどんなものなのでしょうか??


このスピーカーシステムでもって、いちどお気に入りの音楽を
じっくりと聴いてみたいと思いました。
この直立する二本の筒がスピーカーで、亀の子みたいなのがアンプです。
その名もyoshii9



細部まで、まったく新しいスピーカーであることを主張しているかのようです。

今なら、まずこれを聴いてみたい!!!

里山?うちは山かい!?

2006-05-05 20:02:53 | 日々の暮らし
さて、巷ではすでに桜前線が通過し、葉桜満開?になっているようですが、
うちの庭では満開になっている花や、これから満開になりつつある花があります。
その花とは、たとえば薄紫のこんな花。可憐な、それでいてちょっとグロテスクな・・・

  

この二つの花は雌雄で、上が雄花です。ということは下が雌花で、
バナナ状の子房が肥大して実になるのです。紫色のバナナ・・・う~ん。
実はこれ、あけびの花です。

 さて、続いてはこの博山炉のようなつぼみ。



これは小指の第一関節よりももう少し小さいものです。で、これがやがてほころんで、



何かの触手のように、小さなつぼみがのびてきます。この小さなつぼみの一つ一つは
燐寸のあたまよりも、もう少し小さいものです。



これは灯台躑躅です。うちのあたりではまだ開きはじめですが、
これから白くて可憐な花が咲き乱れ?ます。

こんにちは~、こんにちは~、世界のぉ国から~

2006-05-03 07:24:19 | 歴史/民俗/伝統芸能
 ドングリを含んだ食生活は、なにも岩手県に限ったわけではありません。北日本では多かれ少なかれ、堅果類がその食生活の一端を担っていた場合が少なくないのです。その一方で、ドングリについては三年に一度はけかちつまり不作のときがあるため、その補助として安定して実を結ぶトチが絶対的に必要となるそうです。逆に、栗やトチは量的にはドングリよりも収穫しやすい、つまり大きいので拾いやすいのですが、甘いので飽きるのだそうで、主食にはならなかったようです。

 考えてみれば葛粉は葛の根茎から取り出した澱粉だし、ワラビ粉や片栗粉についても同様です。地下から掘り出すか地面に落ちたのを拾うかの違いはどちらかと言えば植生の違いと必要量(依存度)の違いでしょう。植物から澱粉を取り出すという意味においては、それほどかわるものではありません。たとえば彼岸花も救荒植物で、鱗茎をさらして食用にしています。現在では本葛は高級品ですが、これは澱粉を分離するのに手間がかかるのと、取り出した澱粉の純度が高いため、白くて癖ないことなどによるものです。片栗粉は今となってはもちろん馬鈴薯から作られており、コーンスターチとかわりありません。

 さて、このドングリ、食べるのは日本人だけではなかったのです。韓国では現在でも普通にドングリ粉(トトリないしトドリ)を店頭で売っています。韓国では食生活において、いわゆる雑穀の占める割合が日本よりも高く、様々な穀類が流通しています。そんななかで、ドングリの粉も500グラムほどの袋詰めで売られています。
 この粉でもって、韓国の人たちは「ムック」と呼ばれる豆腐のようなものを作ります。トトリ・ムックです。私は食べたことがありませんが、やや癖のあるごま豆腐のようなものなのでしょうかね??そのほか、冷麺もかつてはドングリ粉で作られていました。ドングリ粉はグルテンが豊富であるため(このへん、想像です)、通常の麺類のようにこねたりのばしたり切ったりはできません。(熱湯で)ドロドロに溶いた粉を、湯を沸かした大鍋の上に底に穴をあけた缶を据え、その缶の穴から直接お湯の中に流し込みます。穴の大きさが面の太さになり、麺が固まったら冷水にとって丼に入れます。冷麺のコシは本来ドングリによって作られていたのです!!なので、スーパーとかでパッケージに入っている半生の冷麺は、やはり本場ものの食感にはかなわないようです。

里山通信(笑)

2006-05-01 19:13:34 | 日々の暮らし
 休みの日に、ちょっと近所を散歩してきました。徘徊ではありません、念のため。今日はそのつれづれに撮った写真を。

まずは家の裏で見つけたもの。今年はこの姫踊子草が大発生しています。拡大すると結構可憐なんです、この花。


さて、自宅の裏を流れる川には最近になって立派な橋がかかりました。その橋からはこんな眺めが。見えるのは水道管を渡すための鉄橋です。人はわたることが出来ません。新緑が柔らかくかすかに揺れていました。



山の裾にあるお寺の境内の裏は家から歩いて15分ですが、今回はここで時間を食ってしまいました。たくさんのものを見つけたので(笑)

まずは浦島草です。
一見すると花のように見えるのは花を包むホウで、中から上にのびる花序の先端は大きく弧を描いて垂れ下がっています。これを釣り竿に見立てて、浦島草。花は花序の下のほうにあるので、この写真では見えません。

これとそっくりなのがこのマムシグサです。ちょっと写真はピント外れですが、
 ほら、鎌首をもたげてるでしょ??

こういう草が生えているところは、わりに開けて風通しが良い、日のあたらない傾斜地です。そんなところにはもっと可憐な花も生えています。たとえば碇草は、ハート形の葉をした小さな花です。
花の形がいかりみたいでしょ!これは滋養強壮薬で、焼酎に漬けたりします。

これはホウチャクソウ


似た仲間にナルコユリとかアマドコロがあるけれど、葉のつき方や花のつき方がすこし違います。

これは食べられる鳥足ショウマ、三つ又に分かれるあたりが鳥の足を彷彿とさせるようです。私はこれを油揚げと一緒に醤油で炒り煮にして食べます。seiさんはそれを炊きたてのご飯に混ぜると帆立ご飯の味になると主張していますが・・・


さて、このへんでおなかがすいてしまったので、そろそろ

です。帰る道々人の家の庭を拝見していると、素敵な紅葉に目が止まりました。これは出猩々たぶん。小さいおさるさんの手のひらがいっぱい!

そうこうしているうちに、無事家に