God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

こんなところでお会いするとは!

2006-01-27 23:08:05 | その他
 つい最近購入したDVD2タイトル。どちらも韓国の伝統芸能がらみです。


 まず1枚目はパンソリ。ソリとはすなわち「うた」のことであり、パンにあわせてソリするから「パンソリ」だそうです。韓国を代表する伝統芸能で、韓国でも最もポピュラーなものなのでしょう。パンソリと言う言葉は耳にしたことがあるかと思いますが、実際にはその実態はよく知られていません。太鼓だけという簡素な伴奏と一人でかたり歌うところから、一般に日本の浪曲や浪花節に似ていると言われますが、実際には一人芝居にちかい、極めて演劇的な芸能です。伴奏の太鼓は杖鼓とよばれる鼓を大きくしたようなもので、片方を撥で、反対を手でたたきます。太鼓の役目は歌の進む一歩先を地ならしすることだそうで、どんなパンソリの名手でも、下手な太鼓では歌えないそうです。歌い手は扇子だけを小道具に、かたりと歌を使い、ナレーションを交えながら登場人物を演じ分けます。身振り手振りはもちろんのこと、時には客席と掛け合いをしながら、ひたすら歌いまくり、演じまくります。

 実際には、パンソリと呼ばれる歌には5曲しかありません。官吏「李夢龍」とその恋人「春香」の運命的な出会いとわかれ、そしてドラマチックな再会を描いた春香歌、孝行娘の半生を描いた沈清歌、三国志を題材にした赤壁歌、竜宮城から使わされたカメがウサギの肝を取ろうとするがウサギが機知で切り抜けると言う日本むかし話のような水宮歌と、これまたむかし話でおなじみの正直な弟と強欲な兄の物語興甫歌の5曲です。なんかこう、みんな一言でコメントしてしまうとミもフタも無い感じがしますが、他のものはともかく、春香歌は全曲演奏するのに6~8時間かかるそうです。さすがに、全曲演奏する機会は多くはなく、通常はハイライトないしはダイジェストでの演奏となるようです。そして、これらの5曲は演奏者によってあるいは地方によってテキストに変化が見られます。

 現在、もっとも著名なパンソリ歌手は安淑善さんでしょう。韓国の人間国宝で、パンソリ5曲を完奏できる数少ない歌手のひとりでもあります。また、彼女はカヤグムとよばれる伝統的な琴を弾きながら歌ったりもします。韓国伝統音楽の中で、初めて弾き語りをしたのが彼女らしいです。で、上記のDVDはその彼女の日本公演の模様がたっぷりと2時間おさめられています。もちろん、パンソリだけでなく民謡や伝統音楽んも含めて、どことなく(儒教的に?)張りつめた感じのするストイックな演奏がおさめられています。いやぁ、もう舞台の上で熱演しています。いっさい手抜きなしで声を張り上げ体を揺すり、あるいはささやくように、全身で踊りながら、たっぷりと楽しませてくれます。至福です。


 さて、もう一枚は東海岸の民俗芸能である巫堂による豊漁祭ビョルシン・クッです。

民俗芸能と言いましたが、厳密には祭祀になります。東海岸に伝わる伝統的な祭祀儀礼を執り行うのが巫堂ムーダンです。基本的には巫女ですが、彼女たちには「神」が憑いたりすることはなく、世襲制で練習によって巫女になっていきます。形としては神様の言葉を伝えたり病気を治したりするのではなく、つまり神を内側に持つこと無く、祭に神を呼んできて、歌と踊りでもてなして、すこしお願いをして、和やかなうちに送っていくのが仕事のようです。ですから、メインはやはり女性の歌と踊りになります。もちろん、客席も踊ります。渾然一体となって、おそらくは神様も踊ってます。

 で、何が凄いって、その伴奏!!まず大きめの銅鑼がゆったりと単調にたたかれ、これが民族音楽の必須アイテムであるドローン通奏低音になります。それに2種類の鉦と杖鼓がそれぞれ異なった独立したリズムで重なります。これが必須アイテムの二番目ポリリズムです。さらにそれに絡んでくるのは、阿部薫もかくや!!!と言わんばかりのフリーキーな胡笛!さすがは人間文化財の金石出!とにかくもうフリーフォームなチャルメラ吹きだと思っていただければ。その脇では銅鑼奏者があたかもジョン・ボーナムのごとくぐるぐると撥をまわしているシュールさ加減。

 ところが、歌が主になって伴奏が控えめになると、とたんに「いわき蟹洗温泉ヘルスセンターカラオケ歌謡ショー」になってしまうその落差(笑)ほんとに最後の〆は祝い舞とクレジットされているけど、ここで初めて4ビートが耳に入ってきた。あれ、どっかで聴いたような・・・これは釜山港へ帰れじゃ!そりゃあ神様も楽しかろう
ちなみに解説は催吉城先生と野村伸一先生のお二方。ここでにやりとしたあなた、韓国民俗学が好きな人でしょう(笑)
とにかく、現在日本で手に入れることのできる巫堂関連の映像は小沢昭一さんのところか、さもなくばここぐらいしかありません。ここは以前より1万円くらい値下げしているような気がする。もちろん今回購入したDVDよりもこっちのほうが良いのはわかっているけど、やはり値段が・・・・というわけで、かなり貴重な映像がお手頃価格でお茶の間で楽しめると言うお話でした。


 なお、この2タイトルは、「東京の夏」音楽祭の記録で、ほかにも普段耳にすることが出来ない様々な音楽がラインナップされています。ちなみに、昨年は「ドゴン族」が来たらしいです。
今年は何が来るのかしら??行ってみたい。

はがせ、ビリビリと

2006-01-14 22:29:55 | 歴史/民俗/伝統芸能
さて、久々に仕事の話です(笑)今回の話は「土層転写
 昨年、仕事である発掘調査をしている途中で、地層についてある疑問がわきました。なんでこの土がここに堆積しているのだろう??はい、何を言っているのかわからないですね。えー、一般には遺跡とは人々の生活の跡が長い年月をかけて土に埋まってしまったものです。ま、世の中には地表に露出しているものもありますけど。で、遺跡は自分から土にもぐっていくわけではないので、何らかの理由で遺跡のうえに土がたまっていくということです。そして、土がたまるには様々な理由があります。たとえば落ち葉がたまって出来た腐葉土がたまっていったり、洪水で一瞬にして泥に埋もれたり、火山の噴火でとんできた火山灰が4mもつもっていた例もあります。で、今回の調査で見つかった地層はこう。

だいたい2.5mくらいの厚さです。つまり縄文時代の中頃から約4000年間で2.5mの土がつもったと言うことになります。この部分はいわば谷の底なので、土がたまりやすい条件があり平地に比べて極端に土がたまる、つまり埋まっていく速度が速くなります。すこし北側の平地では、4000年でおよそ30 cmほどしか土がたまっていませんから。

 さて、中程から上のネズミ色~灰色あるいは黄土色(まさしく黄色い土!)の部分は、洪水によってたまった土というより泥や粘土です。問題はその下の土。おじさんの腰から下あたりの真っ黒な土。おびただしい縄文土器のかけらの混ざった真っ黒な土。最も厚いところで80cmもたまっている。こんな土、どうやったって自然にはたまらない。何故たまらないのかは、今回の話の本題ではないので、気になる人は個人的に私に聴いてください(笑)結論としては、あえて誤解を恐れずに非常に簡単に言うと、縄文時代に人が埋め立てをしたということになります。埋め立てをしたのか土捨て場にしていたので埋まっちゃったのかは問題ですが。

 そういう珍しい地層だということになったので(まるで他人事のよう)、その地層を転写して標本を作ると言うことになった。標本の出来上がりは天地2.5m×幅15mになるという計算。で、専門業者に簡単な見積もりを出してもらったところ、いっせんまんをこえるという結論。で、誰がそのお金を出すの(爆)さて、ここで救世主登場。近所に住んでるその方面に明るい同業者の俺、やりますか?の一言で、我々は自分たちでやるしかあるまい作戦を開始した(爆)

 当日はあいにくと最高気温4℃という悪条件。まずは指揮官を中心に簡単なブリーフィング。特に薬品の特性とその取り扱いについてのレクチャーを受ける。みんな割に神妙な感じ。


 そして、指揮官を先頭に、薬剤を刷毛で地層に塗り付ける作業が始まった。


寒さと戦い、時間と戦い、初日予定してたおよそ9mにわたって、薬剤を塗り終わったのは10時。はじめに塗った部分から反応が進んで、白く変色していく。いい感じ。


 薬剤の反応が進んで、硬化が始まったところで裏打ち用の布を貼付ける。貼付けた布の上からさらに薬剤を塗り付ける。つまり薬剤で布と地層の表面を一緒に固めてしまうのである。でも傍目から見るとなんか新手のインスタレーションか?新しい宗教か?


 初日予定していた部分のカバーが終わったのは、お昼をすこしまわった頃だった。


 全長15mの土層標本というのは、もちろん東北では最大級である。それを素人が集まって自力でやろうとは。で、これが初日の約9m分。大きい標本の場合、裏打ちした布の繊維が自重で裂ける場合があるので、斜めにたすきをかけるのがポイントらしい。


 次の段階に進むには、薬剤が固まっていないと仕方がない。ひたすらこらえて待機・待機・待機・・・最終的に次の段階に進んだのは3時をすこしまわった頃。つづいて、固まったこいつを引きはがすと、地層が剥ぎ取られるという寸法。もうおわかりでしょう。つまり湿布薬をすねにはって、剥がすとすね毛がついてくるというのと原理は一緒です(爆)
 で、9mだと1mあたり100kgとしても1t近い重量になってしまうので、分割して剥がすことにした。

はじめはおずおずと。上のほうからスコップを入れて、少しずつ剥がしていきます。


でまあ、すこしたつと力一杯になってしまうのですが。

もう少したつと、今度は重くて重くて!

一枚分およそ1m幅で剥がすのに、15分くらいかかったかしら。ほっと一息の場面。

出来上がりはこのとおりです。これは見本用に別に作成したものですが、本当の標本はこの倍くらいの幅のものが15本!


 大仕事でございました。いやぁ、満足満足。ところで、今回使用した薬剤は商品名トマックといいます。奈良国立文化財研究所(当時)が開発した、水と反応して硬化する専用の薬剤なのですが、塗り付けて取ると膜になる、とるとまくになるとるとまくトルトマクトマック おあとがよろしいようで!

道案内

2006-01-08 21:27:04 | その他
 さて、トラッドシーンについて多少なりとも書き散らしてきましたが、やっぱり音楽は聞かないと始まらない、ということで、ミュージックガイドです。皆さん、RealPlayerの準備はよろしいですか??

 では、比較的なじみやすいエレクトリックトラッドから、ノリノリのナンバーを。Steely Spanの2ndである Please To See The Kingから、2曲目Cold,Haily,WindyNightと、5曲目Boys Of Bedlamをお聞きください。また、しっとりしたバラッドならトラッドの歌姫ことMaddy Priorのうたう1曲目のBlacksmithがおすすめです。骨の太い朗々とした歌声は彼らの3rdであるTen Man MopからMartinCarthyのうたう1曲目GowerWassairをどうぞ。これほど直球の歌手はいまとなっては国宝ものです。

 さて、すこし遡って、エレクトリックトラッドの源流となるFairportを聞いてみましょう。名盤Liege&Liefから、すべてを受け止めて歌うSandy DenyのMatty Grovesはいかがでしょうか。本当はCrazy Man Michaelをお聴かせしたいのですが・・・そして、彼らの最初のライブアルバムhousehullでは、Sandyが抜けた後、残ったメンバーが嫌々ボーカルをとります。このぶっきらぼうがまた違った魅力を醸し出しています。演奏のほうも無骨な感じで男所帯!って感じです(笑)

 すこし免疫が出来ました?ではピュアトラッドへ足を運んでみましょうか?もちろん、トラッドはMartinに始まりMartinに終わる(と私は思う)ので、彼のデビューアルバムその名もMartin Carthyから1曲目のHight Germanyをどうぞ。この歌いっぷりと絶妙なリズムアクセントに惚れられない方はピュアトラッドに深入りできません。続く2ndであるSecond Albumも名盤です。ここではトラッドが本来あるべき形の一つである無伴奏の歌唱を2曲目のBall o'Yarnでお聞きください。またこのアルバムでは盟友Dave Swarbrickも大々的にフィーチャーされています。二人の絶妙なコンビネーションは3曲目Farewell Nancyで聞くことが出来ます。また、彼の参加したもう一つのバンド、Brass Monkeyの3曲目The Miller's Three Sonsではバラッド+コーラス+ブラスバンドというイングランド音楽のエッセンスが濃縮されています。

 さて、次にFrankie Armstrongはどうでしょう。かつてはエレクトリックトラッドから聴き始めたトラッドファンが彼女の歌を聴いて度肝を抜かれ、深みにはまるというのがお決まりのパターンだったらしいです。本当は空の星を落とすほどの歌声と評されたLovely on the Waterが一番のおすすめです。ほとんどが無伴奏のトラッドで、とくに古典的なマーダーバラッドであるThe Cruel Motherや、(不実な恋人の)墓の上で一年と一日踊り歌おう!と歌うThe Brown girlは、その力強さにおいて他の追随を許しませんが、同時に亡き恋人の墓に一年と一日涙をそそぐ歌も収録されています。ちなみに私はこのアルバムからトラッドに入りました。もしFairportやSteeleyeあたりから入っていれば、あるいはこんなにはまり込まなかったかもしれませんね(笑)残念ながら、現在は試聴できないようなので、後年出たライブアルバムI Heard a Woman Singingをどうぞ。2曲目・5曲目を聞くと、往年の輝きは未だ色あせていないという感じです。

 大御所Shirley Collinsについては、あまりにも多すぎるのでまずはベスト盤でも。これはどれも古いスタンダードナンバーのように、優しく響きます。でも、彼女の真骨頂は姉妹で作り上げた古楽よりのLove, Death & The Ladyか、トラッドシーンきってのおしどりアルバム?エレクトリックトラッドよりのNo Roses でしょう。でなければ異種格闘技とでもいうべきFolk Roots, New Routesあたり。これは版元が変わって再発されているはずです。

 え?なんか全部地味で素朴だって!?いえいえ、百年、二百年、三百年の年輪を重ねて音楽自体が枯れているのです。そして、かすかに見せるを聴き取ってください。ここまで来ると、うたが人を選んでいるのかもしれません。

 最も主要なものをさらに厳選してさらに私の趣味で紹介しました。そこから先は気に入った演奏を見つけて、演奏者の参加アルバムをたどって行ってください。このジャンルは『深い森」と形容されています。思いもよらないところにひょっこりとたどり着いたりします。たとえば有名なところではこれにSteelyey Spanのある人が参加していたり。この超有名なアルバムにFaiportの誰かが参加してたり。

 あと、言い忘れました。トラッドを語る上で書かせないのがtopictrailerといったレコードレーベル。これらのレーベルにははずれはありません!!マニアックすぎてついていけないのはあるかもしれないけど。
 そして、フォークシーン、エレクトリックトラッドシーンで活躍した伝説のプロデューサーこそ、Joe Boydその人なのです。さあ、お手持ちのこのアルバムを確認してみましょう!そこにはトラッドシーンの面々の名前とともにJoeが刻まれています。というわけで、いったんお休みした後に非トラッド系のフォークの話をしましょうか。次回は久々に仕事の話をしましょう(笑)

追加

2006-01-03 21:32:04 | その他
前出のチャイルドのバラッド集大成については、邦訳全訳チャイルドバラッドが進行中だそうです。

少々お高いのですが、もし原文も合わせて載っているのであればかなり魅力的!
訳文のみであれば・・・・そんなもん、見てもしょうがないような。
まぁ、前書きとか分類基準とかは見てみたいけど。

食らえっ、エレキテル!

2006-01-03 14:22:37 | その他
改革と探求

 さて、イギリスでも1960年代の後半から1970年代にかけてフォークブームが巻き起こった。これはアメリカのブームが飛び火したものであり、当初はみんなディランのコピーから始まっていたという。しかし、アメリカン・フォーク派とフォーク・リヴァイヴァル派は次第に融合してゆき、というよりオリジナルな音楽を目指していたアメリカンフォーク派がフォーク・リヴァイヴァルに目を付け、しだいにトラッド色を強めていくのであった。

 その急先鋒であったのがかのFairport Conventionである。1967年に結成されたこのバンド、当初はというよりも1969年発表の3rdアルバムまではまだオリジナルのほかにディランのカバーをやっているのであるが、この3rdアルバムで初めて1曲だけトラッドを演奏している。これは船乗りの生涯を歌った11分を超える大曲である。続くアルバムでは実質2/3がトラッドで残りがトラッドと区別がつかないほどのオリジナル曲であることから、いかに彼らがトラッドを気に入ったかがわかるというものである。

 で、イギリスはトライトン(ノートン+トライアンフ)なんてバイクを平気で作るような合体好きの(?)国民性を持っているものだから、ここで初めてトラッドにエレクトリックギターが導入されることになる。というよりエレクトリックバンドがトラッドを導入したというのが正しいか!?おそらくこれはフォークリヴァイヴァリストたちからは絶対に出てこない発想であろう。ここから、トラッド系フォークはエレクトリックトラッドとピュアトラッドの二つの流れが始まるのである。ちなみにピュアトラッドは無伴奏ないしはギター/フィドル/アコーディオン等による伴奏が標準である。あ、ジグやリールといった踊りの伴奏曲の場合はインストです。これは「モリスダンス」の曲集。


 このエレクトリックトラッドが、実はその後のトラッドの主流になります。ピュアトラッドはその大部分がフォークリヴァイヴァルの創成期組で、若手はほとんどがエレクトリックトラッドを進めていきます。が、ただ一人だけ例外がいました。プロフェッサーと呼ばれた男、Ashiey Hutchingsその人であります。Fairportのベーシストであった彼は、「大地を穿つ」ベースプレイとともに、Cecil Sharp Houseの記録保管室で古くさいテキストを引っ張りだして古いテープを聞くのに何時間も費やすような男で、さすがにこれにはトラッド好きのメンバーたちも閉口していたようである。
 そんな彼がフォークリヴァイヴァリストであるShirley Collinsと結ばれるのは必然であるわけで、その結果としてこうした傑作「夫婦」アルバムが生まれてくるのである。


 また、Fairportと同時期に活躍したPentangleはアコースティックなバンドなのだが、、様々が音楽性をもつバート・ヤンシュとピュアトラッドの探求者肌のジョン・レンボーンの双頭バンドであった。

もちろん、この二人は後に袂を分かち、レンボーンは古楽の探求へと旅立つのであった。

 その一方で、Faiportの後を追うように、様々なエレクトリックトラッドバンドが出現した。なかでもFairportを離れたAshiey Hutchingsが新たに組んだバンドSteeleye Spanはフォークリヴァイヴァルの雄Martin Carthyをボーカルに迎え、さらにフォークリヴァイヴァルの第2世代の担い手Maddy Priorをもう一人のボーカルに、 ギターのTim Hart、フィドルのPeter Knightが脇をかため、つまりAshiey以外はほぼピュアトラッドのフォークリヴァイヴァリスト出身という鉄壁の布陣であった。ここに真の意味でのトラッドのエレクトリック化が完成するのである。ちなみにかのA,L,Lloyd氏もエレクトリックトラッドを認めていたそうで、Fairportは一時期彼をボーカルに迎えようとしていたとか。

さて、Steelyeyの紡ぎだすFairportでもなし得なかった凍てつくような緊張感をはらんだ硬質のエレクトリックトラッドは空前にして絶後であったが、その後頂点を極めた彼らは空中分解しMaddyがバンドを継承、ほかのメンバーは再びピュアトラッドに還ってゆくのであった。
<つづく>
正月から濃くって御免なさい。ていうか、こういう話をおもしろがる人っているのかしら(大謎)

新年 あけましておめでとうございます

2006-01-01 16:26:13 | その他


私をとりまく状況は、ますます厳しさを増してきますが、昨年同様やりたい放題を貫く所存であります。
皆様、是非是非、暖かく見守ってください。

あと、くれぐれも私が書いていることを鵜呑みにしないでくださいね。嘘は書きませんが、書いてあることだけが本当ではないし、思い込みが激しいし、記憶で書いてる部分が多いし・・・