さて、試験が済んだあとで、別件があり仙台に直行。
ここでも時間調整のため本屋に入る。
日本の歴史をよみなおす/網野善彦
とともに購入、ホテルにチェックイン後読み始めたらとまらない!!
小川未明と言うと日本のアンデルセンとも言われ、
「赤い?燭と人魚」で有名だけれども、
ここでは童話作家として名を成す以前に書かれた話が中心である。
あるいは雪深い越後の冬の夜であり、
あるいはどことも知れぬ異国の夕べである。
しかし、うら悲しくも胸を押さえつける恐怖は
不条理とやるせなさをともなって、
まぎれもなく、今自分がいる場所と
地続きだとしか思えないのだ。
それは幻想などではなく、まして幻視などではなく、
未明が見つめた、北国のうちひしがれた、
疲れ果てた、救いのない人々の姿の
その向こうに透けて見える荒涼とした
人の真実の姿なのだ。
それゆえ、モダンホラーとは異なり、
恐怖はいつどこから襲ってくるのでもなく、
自分のうちから湧きだして、あたりを満たすのである。
それは見ては行けないものを見た時の恐怖であり、
見たくないものを見せられる恐怖と紙一重かもしれない。
是非、日本の風土から滲みだした、
土俗的な恐怖を味わってください。
巻末に収録されたほんの6ページほどの掌編である
「貸間を探がしたとき」のうちの2ページほどの後段。
そこに、近代日本のすべての切なさと恐怖が詰め込まれています・・・・
ね!なんか怖そうでしょ(w)