God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

阿武隈高地の花崗岩 その3

2016-05-05 05:31:13 | 里山通信

さて、同じ地点でもやや顔つきの異なる花崗岩も存在します。

こちらはかなり風化がすすみ、全体的に角が取れて丸くなっています。

ペグマタイトの岩脈が左端のほうに見えますが

この岩塊の各所に、そんなペグマタイトが隠れています。

 

 

岩塊自体は一般的な?花崗岩帯です。拡大するとこうなります。

 

 

石英・長石・雲母・角閃石などがモザイク状になっています。

鉱物毎に結晶化する温度が異なるため、マグマがゆっくり冷え固まるときに、

順々に結晶化していくことでモザイクが出来上がるようです。

なので、結晶同士の結びつきが弱い場合には、

風化などによって結晶ごとにバラバラに崩れます。

花崗岩がバラバラに崩れて出来た砂/土を真砂(真砂土)と呼びます。

 

 

で、時折そんな花崗岩の中にあらわれる巨大な結晶がペグマタイトなんですね。<つづく>


阿武隈高地の花崗岩 その2

2016-05-04 06:57:52 | 里山通信

さて、花崗岩はそれぞれの鉱物が別々に結晶化したのでモザイク状になると言う話をしましたが、

最後まで残った鉱物が長い時間をかけてゆっくり結晶化することによって

巨大な結晶が出現することがあります。それをペグマタイト(巨晶花崗岩)と呼びます。

前回の最後にあげた写真は、まさにその巨(大結)晶です。

 

 

ここではこんなふうに帯状にペグマタイトが走っています。

 

 

よく、表面に「白蛇」が浮き出しているような石があったりしますが、こんな現象なんですね。

で、どのくらい結晶が大きいのかと言うと、こんな感じです。

 

 

これがさらに大きくなると、天然記念物に指定されている郡山市鹿島神社のペグマタイト岩脈のようにになります!

ま、そうそう大きくならないから、天然記念物なんですけどね~。<まだつづく>

 


阿武隈高地の花崗岩 その1

2016-05-03 18:15:55 | 里山通信

のっけから堅苦しいタイトルでごめんなさい(笑)

最近虫や花を撮りに行く気力もなく、石や地層ばっかりです。

え?そっちの気力はあるのかって??

いやあ、石や地層は時期も関係ないし、逃げないので(爆)

 

さて、阿武隈高地は花崗岩帯です。うちの事務所の裏山も阿武隈高地の末端丘陵なので

ところどころ、花崗岩や花崗岩が風化した真砂土が顔を出しています。

造成などで掘削しているところでは、かなりしっかりした岩盤が見える場合もあります。

 

で、裏の山にはこんな所があります。

 

 

かなり頑強な花崗岩の岩盤ですが、縦方向に石の割れ目が見えます。

これは節理(せつり)といって、石が出来る時や風化したときに、

ある条件がかさなって一定の方向に割れやすくなる性質です。

縦に板状に割れたものが手前から崩落し、ブロック状になったものが積み重なっています。

 

 

かなり発達した節理が見えますね~。

節理が発達している上のほう半分は比較的硬質なようで、

それほど風化や浸食がすすんでおらず、岩盤の表面が平板です。

節理が止まっている岩盤の下半は表面から細かく崩れるように風化しているので

表面がザラザラになっているのがわかります。 わかります? わかります!

硬いからこそ、圧力などで岩が変形したときに、その力を受け止めきれずに

弱い節理の部分が割れてしまっているのかもしれません。よくわからないけど(笑)

柔らかければ、力を受け止めて変形したりバラバラに崩れたりしそうですから。

 

 

ピンク色のアルカリ長石を含むきれいな花崗岩ですね~!