God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

決算

2004-12-30 21:39:21 | 日々の暮らし
今年の10月からの3ヶ月間で購入したものをちょっと並べてみました。う~ん、こうして見ると凄く金遣いがあらいような気がする。その少し前にモンティ・パイソンズのDVDボックスも買っちゃったし。

音楽はかなり韓国の伝統音楽に傾倒しているようだ。パンソリの春香歌6枚組は凄い内容(6枚組で全1曲!!)だが
4200円とリーズナブル。これから先、全曲を演奏する人はもう現れないかもしれない。海童道(わだつみどう)は1000枚限定の再発らしいが、あっという間に完売。これを待っていた人が1000人もいたのか大謎?
今年は「古典を極めると前衛に至る」というチョイスの一年だった、のか?

CD類
アン・スクソン / 春香歌(6CD)
アン・スクソン + キム・デレ / LIVE CONCERT
パク・ピョンチョン、チョー・ゴンレ、キム・ファンギュ ほか / 珍島サンヨソリ
キム・デレと珍島のアンサンブル / 巫楽~珍島シッキムクッ
キム・ソクチュル、キム・ユソン / 東海誤鬼クッ(トンヘ オグクッ)
キム・ソクチュル / ノプセパラム
アン・スクソン / カヤグム・ピョンチャン
ROYALS / DUBBING WITH THE ROYALS
海童道宗祖 WATAZUMIDO / 海童道<>
Korean Traditional Performing ArtsYomillak
T.R. Mahalingam/Divine Sounds Of The Bamboo Flute "Mari"
海童道宗祖 WATAZUMIDO  /神秘の竹の音 -前衛と古典-
LULA CORTES E ZE RAMALHO  Paebiru
ケヴィン・エアーズ /不思議のヒット・パレード
Petula Clark /owntown: Best of Petula Clark
A&O / Spirit of the Ancients
頭脳警察 / 頭脳警察 music for 不連続線
都々逸特選
ほぶらきん/ランニングホームラン
ロマン・ポルシェ/暴力大将
イ・ジョンヒョン/Let's gO to My Star
イ・グァンス/アラリオ - The Sounds of Arirang
百怪の行列/ここは浅草、恋の番外地

書籍は、生死に関わる民俗学についてはまぁライフワークみたいなもんだから順当なところでしょうか。文化財の保存/修復に関わる事も、仕事の延長と考えられなくもないし。これに染織関係がプラスされると、目も当てられない。この方面の書籍はほとんど古書店で入手しているのだが、やはり高価なものは天井知らずで手が出ない。以前は漆芸に興味があったけど、あまりにも情報が少なすぎて挫折。親しい人で染織にはまっている人がいて、その影響を受けたのだが、彼女は手技に惹かれ、私はその歴史とそれを生み出した風土に興味がいく。同じ入り口でも、行く先がこうも違うものかとおもうと、面白い。

書籍
おばあさんの植物図鑑
生と死の民俗史
森の神々と民俗
信仰と民具
山人(さんじん)の生業
死の民俗学
丹下左膳(3)
日本仏教の世界1 古墳からテラへ
韓国の民俗戯
動物信仰事典
ミュージアムサイエンス2002
ミュージアムサイエンス2003
建造物彩色の保存と修復-日本および東アジアの社寺を中心に 
宮本常一/空からの民俗学
戸板 康二 / 歌舞伎への招待
土の中から出てきたよ
歴史的にみた染織の美と技術
弥生の布を織る?機織りの考古学
目で見る繊維の考古学
織物の原風景

来年はどうしたものか!?

好きにしなはれ・・・ってあきれた声がどこかから聞こえてきそう。


そういえば、最初の出会いも年末だった。

2004-12-25 13:38:10 | その他
かつて「デスマーチ艦隊」というバンドがあった。
 年末に仙台に遊びにいったときに少し時間が余ってしまい、目についたHMVで棚をあさっていて引き当てた。なかなか狙ったジャケットワーク。丸尾末広という微妙な外し具合が悪くない「空にはとどろ。号砲の。」。友部正人の「ブルースを発車させよう」と、どちらを買うかしばらく迷って、デス艦を選んだ。
 さて、実際に聞いてみて最初の感想は「だめだ、こりゃぁ」と笑ってしまった。でも実際にはこれは私の中では結構気に入ってる。小細工なしでもいけるのに小細工してしまったり(しているように聞こえる)、やりたい事とやってる事のギャップに気づいていない(ように聞こえる)、焦点が定まっていない(ように聞こえる)などなど。あくまで私的な意見ですが。なにより、いい加減さとまじめさのバランスが悪い。もっともっとでたらめでも(失礼)いいのになぁ。
 たぶん、このままでは自然に消えてゆくだろうに、もったいない。あと少し何かが変われば、凄いバンドになりそうなのに、惜しい。などと失礼な事をかんがえつつ、いつの間にかCD2枚とビデオ1本が棚に収まっていた。正直、CDでは不満が残るので、ぜひともライブを見てみたい!!とおもいつつも、惜しまれつつ解散、その後消息不明。と思っていた。

 しかし、私が知らなかっただけで、さらにスケールアップして未だにばりばり現役でやっていたとは!!己の不明を恥じ入るばかりである。しかも、それは私の大好きな音楽家さんである久保田安紀さんのホームページを拝見していて知った事である。彼女が「浅草ジンタ」というバンドのライブに行って、楽しかったという話で、「リーダーのダイナマイト和尚~」というくだりがあった。えぇ??ダイナマイト和尚??デス艦のリーダーの!?すぐさま浅草ジンタのページに飛んで、ヒックリガエッタ。まだ聞いた事が無いけど、ゼッテェ、デス艦よりすげえと思う。たとえば、ストレイ・キャッツがブライアン・セッツアー・オーケストラになったような(???)
 そして、どういうかたちでも、好きなものと好きなものがつながっていくことは、とても嬉しい。たとえば、親しい友人同士がじつは知り合いだとわかったときのように。あぁ、早く浅草ジンタのアルバムを注文しなくっちゃ!
 ちなみに、デスマーチ艦隊のシングルコレクションのタイトルはあの街この街デスマーチデス。こういうセンスがたまらない人はまずデス艦からお聞きください。

見逃すな!!

2004-12-25 08:28:59 | その他
年末年始、おすすめ番組のご案内です。

12月26日 22:00~0:45
  NHK教育 劇場への招待 「スーパー歌舞伎 新・三国志?・完結編」

12月27日 19:30~20:45
  NHK総合 大自然スペシャル ジャイアントパンダの素顔に迫る』

12月31日 13:00~15:00
  NHK教育 京都南座顔見世大歌舞伎 「箱根霊験誓仇討」

1月1日 23:00~04:59
  NHK教育 「日本の話芸 名人たちの至極の芸 選りすぐりの10人の落語を一挙放送!」

1月2日 19:00~22:00
  NHK教育 こいつぁ春から~初芝居生中継「新皿屋舗月雨暈・魚屋宗五郎」「男の花道」

1月2日 11:00~
  NHK教育 「坂東玉三郎の古典芸能図鑑」

こんなとこかしら!?おすすめはスーパー三国志と、中村鴈治郎の「男の花道」。とくに鴈治郎は気合い入ってると思います。本物の芸人さんをいっぺん見てみてください。大自然スペシャルは番組の音楽の中に、私の大好きな音楽家の久保田安紀さんがボーカルで参加しています。素敵なお声を聞いてください。
           

てんこ盛りであった。

2004-12-12 16:20:15 | その他
 ゴジラを見に行った。最新作。もっとも面白かったのは宝田明が光線銃(表現が古い!)をかまえながら、「昔は百発百中と言われたんだ」と言うところ。この作品は過去のゴジラのみならず様々な特撮映画に対するオマージュに溢れているのだが、まさか宝田明の往年の名作「100発100中」まで引っ張りだしてくるとは!!彼はミス日本の選考会の司会を第1回から勤めているんですよね、たしか。
 映画は?まあ、いいんじゃないですか、あれで。今までの映画のnonstop-remixだとおもえば、息もつかせぬ展開は楽しかった。re-mix自体の方向性で好き嫌いは分かれそうだけどね。
 惜しむらくは、故平田昭彦さんを出してあげたかった事!あの人のいないゴジラはゲイブリエルの抜けたジェネシス(シドの抜けたピンクフロイドじゃないとこがミソ)の様なものだし。あと、今の人たちはミリタリー風の衣装が何となく似合わない。誰かが指摘していたけれど、たとえば戦後しばらくの間戦争映画では「待てぃっ!」と言っていたところを、最近は「待てっ!」と軽く言ってしまう、というような鉄の規律と男の世界(なのか??) のバックボーンがとおっていないからかなぁ。
 文句をいいたい人は言うだろうし、ツッコミどころも満載であった。でも、金と時間を返せとは思わなかったよ。

本当にあんまり好きじゃないんだ

2004-12-10 22:33:18 | その他
宮崎駿は。でも、ちょっと凄いと思った。

 今回は宮崎アニメです(爆)これほど私らしくないテーマは無いかもしれない。

彼は作品ごとにやりたいテーマがはっきりしている(と思う)。
 かれの出世作と言われる(のか?)「カリオストロの城」は、いかに少ない労力で映像をつくるか、ということへの挑戦がテーマ。ほとんど若手に効率の良い映像制作を教育するためにだけ作ったものだという。おそらく普通に見ていては気がつかないほどのある意味「手抜き」のオンパレードらしい。
 もちろん「ナウシカ」は世界観の創出。一見魅力的なキャラクターと重みのあるストーリー、意味深な世界ではあるが、単に世界観創出のための構成要素として生み出された極端に類型化された人物と、借り物の疑似神話的世界が織りなす継ぎ接ぎな世界は、しかし見事なほど破綻なく紡がれてゆく。
 トトロ??なんだっけ、それ。平面のままで、何かしたかったんじゃない?おそらく従来の感覚でのアニメの集大成であり、それに対する決別であったのかも・・・
 紅の豚は、コンセプトが糸井重里。キャッチコピーを他人に頼んでどこまでコラボレートで切るかやってみたかったのか。だったら魔女の宅急便はきっと「タイアップ」がしたかったんだろう。その制約の中で、どこまでできるのか試したかったのかも。
 もちろん、もののけは、「人」を動かすのが楽しくってしょうがなかったようだ。これでもかこれでもか、というほど動き(動かし)まくっている。もちろん彼の場合は、それは声優を含めてトータルで初めて「動かす」という事なんだろう。
 千と千尋は今日テレビで見た(笑)映画館で見たらもっと強烈だったろうな、と思わせるほどにひたすらこだわったと思える色彩と背景の醸し出す「雰囲気」。古今東西のすべてが引用され、主人公と直接絡むキャラクター以外は動くものも動かないものも、背景と化しているのだ!!とくに秀逸なのは顔なしが千に黄金の粒を出したあとあたりで、まるで信貴山縁起絵巻の飛蔵の様だ(けっこう褒めてるのか、私は!)。
 では、ハウルは??まだテレビでやらないから見てないけど、アニメでやる「胸キュン」がしたかったのか?もしかしてBGMと映像を連動させる事かも。千と千尋でも、結構BGMはそれまでに無い工夫がしてあったし・・・

 しかしながら、、そんな事を言われたところで、おそらく彼の作品の魅力をいささかも減じる事はないのだろう。実際そのアニメーションに対する強烈な偏愛から生み出される映像を作品として完結させ、あまつさえ商業ベースにのせる情熱と能力には私も脱帽してしまう。かれがそのすべてを集大成したとき、いったいどんなものが出来上がるのか。そのときまで、欲望でギラギラしていて欲しいような気がする。勝手に枯れるなよ、宮崎!

なんだかんだいいながら、長くなってしまった。不覚!!!

無題

2004-12-09 19:31:27 | その他
10年ほど前に一緒に仕事をした事のある知人が亡くなった。
多分私よりも3、4歳若いくらいだったろう。遺影にはオヤジが写っていた。
今死んだとしたら、遺影に写っている私はやっぱりオヤジ面なんだろうか。
あんまり自分が死ぬという事を考えた事は無い。
さわりたい土器があるうちは手が動いていてほしい。
行きたいところがあるうちは足が動いていてほしい。
読みたい本があるうちは目が見えていてほしい。
聞きたい話があるうちは耳が聞こえていてほしい。
話したいネタがあるうちは口をきいていたい。
やりたい事が一段落するまで、あと100年は生き続けたい。

メートル原器!

2004-12-06 21:41:30 | 歴史/民俗/伝統芸能
 最近ニュースでよく見る和歌山の「駿河屋」さん。粉飾決済だかなんだかであんまりよろしくない。
 さて、駿河屋さんと言えば「煉り羊羹』!実際においしいのであるが、美味しい羊羹なら、好みもあるだろうがむしろ「虎屋」のほうが美味しい(けど高い)。では、どうして煉り羊羹は駿河屋なのだろう??実は駿河屋、本社は現在和歌山だが、創業の場所は京都なのである。そして、千利休(!!)の助言等を受けつつ完成させた煉り羊羹。つまり初めて煉り羊羹をつくったのが総本家駿河屋なのである。
 ゆえに、煉り羊羹の「かたさ」の基準は駿河屋であり、羊羹のかたさを表すのには「駿河屋よりかたい」「駿河屋より柔らかい」という表現を用いるものらしい。
駿河屋こそ、和菓子界のメートル原器である。駿河屋の灯を消すな(笑)