東京旅行中に読みました。
読んだ感想ですが、村上流の完成された文体と春樹イズムの洗練されたストーリーがびっくりするほどに面白い!!!
いままで色々な短編集を読みましたが、現時点ではこの短編集がベストです。
過去に読んだ短編集では印象深い作品とそうでもない作品があったのですが
この作品集は全編を貫くミステリーというか不思議な話が凄く印象的でどれも余韻が深く残る・・・
【偶然の旅人】
どこかであった出来事がどこかでリンクして共時性という意味を持つ・・・
偶然とはなんとドラマチックなんだろうと思える作品でした。
【ハナレイ・ベイ】
息子の不幸な事故死でハワイのハナレイ湾を毎年訪れる女性の思い出と不思議な出会い。
村上春樹って正直、なんでこんな展開を考えるのだろう・・・って思う。
ちょっと不思議で悲しい気持ちになる作品でした。
【どこであれそれが見つかりそうな場所で】
作品集のなかでも極めてミステリーな作品。
ストーリーの世界にどっぷりとはまってしまいました・・・(笑)
春樹の小説が持つ魅力に浸れる作品ですね、でもよくこんな発想が出来るのがミステリーです。
【日々移動する肝臓のかたちをした石】
これは主人公が出会った女性がミステリーですね。
しかし面白いです!!!実際にこういう女性に逢ってみたいです。
【品川猿】
最後の作品はちょっと強引な展開ですが、流石です!!!物語に引き込まれたまま最後まで持っていく展開が見事。
ちょっと阿部公房を意識した作品なのかな?
たしかに名前が思い出せない世界ってどういう感じになるのだろうか・・・
全体的に凄く読みやすくて作品一つ一つの完成度が高いですね。
いままで以上にこの作品で村上春樹ファンになれたようです。
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