MASTER PIECE

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大場電機鍍金工業所

2020年01月14日 16時31分34秒 | 書籍

東京のブックオフにて購入。

つげ義春さんの自伝的作品集。
内容は著者の少年時代、青年時代の悲惨な(笑)青春ってところかも。
しかも内容が貧困と現実逃避、性欲のはけ口、苛立ちと未来への不安。。。読んでいて落ち込む要素満載。

しかしなぜか読んでて絶望感は感じない。
それは戦後の時代背景が、みんなそんなだったから・・・
そうですね、昭和30年代はみんな生きるのに必死だったってことかも。

この作品集で一番印象に残っているのが「海へ」という作品。
肺炎で亡くなった父親の葬儀の費用もなく、川へ流してしまった一人ぼっちの女工はどうなってしまったんだろうか?

あとお金がなくてもどうにかなってしまう人情的なお話もあり。
つげ義春の世界観がよく出ている作品だと思いました。