MASTER PIECE

映画 音楽 書籍 etc

R62号の発明 鉛の卵

2013年11月15日 21時27分25秒 | 書籍



安部公房の作品5作目。

昭和28年~昭和32年の短編集を読んでみましたが、かなり難読でシュール・・・

表題の【R62号の発明】は自殺志願者がロボットに改造されて復讐する話。
【変形の記憶】は死んだ主人公が幽霊になって軍隊トラックに乗り込む話。
【人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち】は未来の特権階級と食用にされる人間の話。
【棒】も【鍵】もかなりシュールで奇妙な話。
【鉛の卵】についてはタイムカプセルで80万年後に目覚めた男の苦悩とは・・・

安部公房については純粋なSF小説や読み物としてはポピュラーではなく難しいけど
思想や哲学としては十分に読み応えがあります

今まで4冊読破しましたが、面白さとしては短編よりも長編のほうが余韻が残る感じです。

昭和30年代の作品のイメージだけではなんとも言えないが
アンダーグラウンドの香りが漂うこの短編集はある意味、驚きに満ちた作品集でした。