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安部公房の作品5作目。
昭和28年~昭和32年の短編集を読んでみましたが、かなり難読でシュール・・・
表題の【R62号の発明】は自殺志願者がロボットに改造されて復讐する話。
【変形の記憶】は死んだ主人公が幽霊になって軍隊トラックに乗り込む話。
【人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち】は未来の特権階級と食用にされる人間の話。
【棒】も【鍵】もかなりシュールで奇妙な話。
【鉛の卵】についてはタイムカプセルで80万年後に目覚めた男の苦悩とは・・・
安部公房については純粋なSF小説や読み物としてはポピュラーではなく難しいけど
思想や哲学としては十分に読み応えがあります。
今まで4冊読破しましたが、面白さとしては短編よりも長編のほうが余韻が残る感じです。
昭和30年代の作品のイメージだけではなんとも言えないが
アンダーグラウンドの香りが漂うこの短編集はある意味、驚きに満ちた作品集でした。