赤いカバーに岡本太郎の題字でインパクトある書籍ですが。
インパクトはこの本の内容です・・・
岡本太郎の内宇宙と言うか、美の認識、芸術の根源の探求、岡本太郎哲学満載です。
「私はいわゆる美術品に興味がない。芸術家でありながら、展覧会に行ったり
画集をひらいて見るなどということはむしろ苦痛だ。それらは狭い枠のなかに、窒息してしまっている。
なにか惨めな気がする。人間の生活はいつも全体であり、幅いっぱいにあふれ、ふくらんでいるはずなのに
その一部だけを引き抜いて固定し、形式化して味わうのだ。白々しい。」 (P11、P12 原文のまま引用)
多分、岡本太郎のスタンスをよく表していると思う。
すごい芸術家だけど変な人は発想力とか物の見方が明らかに凡人とは違います・・・
読み込む程にそれを実感する事ができる。
一般に理解される芸術は芸術ですら無いと言い切る所が凄い。
人間が無くしてしまった根源的な命の回復こそが芸術である・・・
【無限への変換】
「綾とりの糸は天と地、昼と夜をくぐり抜ける。整然としながら無限の迷路だ。」
「同じ遊びでも、たとえば折り紙にはそのような感じはない。はじまりと終わりの秩序がきまっている。」
「綾とりははじめも終もない。循環する。鮮やかなくっきりした形を開きながら目的的な完結がない。」
「瞬間に形になり、瞬時に消えてしまう。だからこそまた一つ一つのイメージが鮮やかに心に残る。
紐はものではない、ただ展開し、流れてゆく運命である」(P240 原文のまま引用)
いやぁー面白いです、難しい言い回しも有りますが、目から鱗の発想はとても興味深い。
芸術とは技術ではなく内なる衝動の爆発って言うことかな。
そういえばそうゆうCMが昔ありましたね(笑)
読めば必ずためになる、そうゆう書籍だと感じました。