『中村座炎上から五年、長きにわたって江戸歌舞伎の中心であった中村座は太夫元の十一代目中村勘三郎と立女形の荻野沢之丞が皆をまとめ、その地位を守ってきた。しかし沢之丞が老いて引退を表明し、現役最後の舞台の上で不審な死を遂げた。疑われた大道具方の甚兵衛だが数日のうちに首を吊った姿で見つかった。今度は沢之丞の跡目として有力視されている次男・宇源次に疑いの目が向けられた。北町奉行所同心・薗部理市郎が探索に当たるも糸口が掴めない。水死体で発見された大工と甚兵衛の共通点が浮び上がり、大奥を巻き込んでの一連の事件のつながりが見えてくる。舅・笹岡平左衛門の協力を得て事件解決に立ち向かう理市郎。多彩な人物の生き方のなかに芸の理を説く長編時代ミステリー。「非道、行ずべからず」「家、家にあらず」に続く三部作完結編。』
続けて三部作完結編。
『非道、行ずべからず』から5年後。
三作を続けて読んだのは正解だったなと思う。
ミステリーとしててはなく、人間模様、芸の理のひとつの解として面白く読んだ。
それが『風姿花伝三部作』と銘打った所以だろう。
『家、家にあらず』の瑞江も登場(しない方がおかしい)