俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

白梅

2018-02-23 | 俳句・春・植物


八重野梅


白梅や残心とふを銘として



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バラ科の落葉小高木。

中国原産。

日本には八世紀頃渡来したとされる。




白加賀


白梅も種類が多く、一重や八重など様々である。




鶯宿(おうしゅく)



鶯宿には逸話が残されている。

宮殿の立派な梅が枯れてしまったことを嘆いた村上天皇は、

家臣に代わりの梅を探させ、勅命によりある屋敷に咲いて

いた見事な梅を献上させた。

献上されたとき、その梅には持ち主の女性がしたためた歌

が結ばれていた。

 勅なれば いともかしこし 鶯の

 宿はと問はば いかが答へむ

歌を書いたのは紀内侍(紀貫之の娘)で、感心された天皇は、

梅を女性に返し、以後、この梅は鶯宿梅と呼ばれるようにな

ったという。




月宮殿



武道における心構えに残心というものがある。

一つの動作が終わってもなお緊張を解かないことで、例えば

弓道で矢を射たあとその到達点を見極める心の構えなどで

ある。

白梅を見たとき、凜と咲く姿に「残心」を心構えとしていること

を思った。




野梅


杖つきて翁の通る野梅かな



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薄紅梅

2018-02-22 | 俳句・春・植物


淡路


薄紅梅丘に誰かの歌ひをり



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色の薄い紅梅をいう。




曙枝垂



同じ薄紅梅にも様々な種類があり、色の濃さが微妙に異

なる。




西王母



西王母とは、中国の神話に登場する女神(仙女)で、不老

不死の霊薬とされ、三千年に一度実を結ぶという桃の木の

所有者であるという。

野梅系紅筆性に属し、花は気品があり、美しい一重咲きで

ある。




世界の図



なだらかな枯芝の丘を登ると、そこには薄紅梅が咲いていた。

近くで、誰かが一人で「庭の千草」などを歌っていた。




花香実(はなかみ)


枝垂れたる薄紅梅や昼の鐘



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余寒

2018-02-21 | 俳句・春・時候




丘陵の稀に人ゐる余寒かな



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寒明後の寒さをいう。







「春寒」には春であるのに寒いという感じがある。







これに対し、「余寒」には寒が明けてもなお寒さが残っている

という気分がある。







武蔵丘陵森林公園を歩いた。







曇っていて人影をほとんど見かけなかったが、たまに二人

連れに出合ったりすると、余寒を一層強く感じた。






丘陵に鎌倉古道余寒なほ




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春の山

2018-02-20 | 俳句・春・地理




水筒を飲み干してけり春の山



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雪が解け、木々が芽吹く春の山は生命力に満ちている。







春の山は、初春、仲春、晩春とその趣を異にし、雪解けの山、

木々の芽吹く山、霞たなびく山、小鳥の囀る山と変化する。







春の山に登ってきて喉が渇き、水筒のお茶を飲み干してし

まった。

そんな明るい春の山である。






春山の熊笹に径ありにけり



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春の雲

2018-02-19 | 俳句・春・天文




人気なき丘に登りて春の雲



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春は、空全体に白く刷いたような雲やふわりと浮いている

綿雲が現れることがある。







初春は冬雲に近く、晩春は夏雲に近い。

仲春の雲が最も春らしい雲といえる。







人が誰もいない丘に登った。

遠くを眺めると、春の雲がふわりと浮いていた。






山の上の昼の眩しき春の雲



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