笑顔浴

優しい時間

幻覚・幻聴の苦しさ

2010年06月05日 | Weblog
杜子春という青年が仙人になるために
峨眉山の山頂で、鉄冠子が見せる恐ろしい幻覚・幻聴に
決して声をあげないで座り続ける修行に挑戦するのですが
両親を鬼達が責め立てるむごさに
思わず「お母さん!」と声を発してしまい
気がつくと唐の都の片隅に座っていたという
芥川氏の「杜子春」という物語があります。

統合失調症の治療薬を販売する会社で幻聴の模擬体験ができます。
音声の内容はホラー映画やサスペンス映画のような
気持ちが悪く恐ろしいものだとか。
幻覚幻聴が3Dの迫力で見えて聞こえるものだとしたら
まるで怖い映画の中に私がのみこまれた状態で
頭で映画だと理解しても、感情はパニック~。
何とかしてチャンネルをNHKに変えたい!
患者さんはどれほど恐ろしいことでしょう~。

神経伝達物質が脳の中で怖い物語を創りだしているそうです。
恐ろしい連中が家の中に入らないように「家の鍵を3重5重に交換する」
ストーカーされるので「警察に連絡する」
襲ってくる相手に反撃するため「家族が見えない相手に暴力を振るう」
それぞれの理由があっての行動ですが、周囲が混乱するのも理解できます。


25年前の職場の友人で、私のボランティア活動をいつも支援くださるYさん。
彼女を恐怖のどん底に陥れている(奴)は主に
「お風呂の中」「トイレの中」「寝る前」に声をかけてくるらしいので
すぐに!どこにいても!逃れられる方法!が必要です。

「歌を歌うと聞こえなくなる」「なら、それ使えるね」
「好きなテレビを見てるときも、大丈夫」「ふーん、読書もいいかも」
「手遊びはどう?」「何するの?」「お手玉!」「やってみる」

 集中できることを探しているこの時間は、怖くない時間でした。
 
怯えて時間を過ごす苦しさを軽減できるよう、二人で考案し試行錯誤しています。
怖い相手とは、腕力ではなく心理戦ですので、私も精一杯闘います。




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