写真は、お気に入りCDの1枚。
ヴァンハル/2つのバスーンのための協奏曲
指揮者:サラステ(ユッカ=ペッカ)
演奏者:ウメオ・シンフォニエッタ
1stBassoon アンニカ・バリーン(シュライバー)
2ndBassoon アルネ・ ニルソン(ピュヒナー)
昔レコードを持っていて、CDで再販になったときに購入した。現在は廃盤になっているようだ。
ヴァンハル(1739~1813)はチェコ系の作曲家で100曲以上の交響曲、100曲以上の弦楽四重奏曲を残している。というがあまり知られていない。バスーンのためには、ハ長調の協奏曲と、この曲の二曲があるようだ。
この「2つのバスーンのための協奏曲」は、流れるような気持ちの良い1楽章、叙情的な2楽章、軽快な3楽章からなる。
このCDの魅力はなんと言っても、ソロの二人の絶妙な掛け合いと、音が重なったときの響きの美しさである。それを支えるオーケストラも決して二人を邪魔せず、絶妙のアンサンブルを聴かせている。何度聴いても飽きのこない気持ちの良い演奏なのだ。名盤といってもよい。聴いていて幸せな気分になる。
ソロの二人は、シュライバーとピュヒナーを使っているが、その音色の違いがまた演奏に魅力を加えている。シュライバーの柔らかく深い音色と、ピュヒナーの輪郭のはっきりした張りのある音色。誰が聴いてもその違いが分かるだろう。そして、二人の奏でるはっきりと違う音色が見事に溶け合い、美しい響きを創り出している。こんなに美しいバスーン2本の響きはめったに聴くことができない。
同じ曲をトルコヴィッツと馬込さんが録音しているが、私にはまったく別の曲に聴こえる。トルコヴィッツは言うまでもなく馬込さんも上手いし、二人の音色が全くかけ離れているわけでもないのだが、聴いていて気持ちよくないのだ。二人のソロもオケもそれぞれに良いのだろうが、ひとつにまとまっていない感じがする。こんな言い方は失礼だと思うが、それぞれに練習してきて、さぁ一回で合わせて録音しましょうか、といった感じがするのだ。
いつかこの曲を演奏したいと思い楽譜(ピアノ伴奏版)も購入してあるのだが、まだ実現できていない。今も、この曲を聴きながら書いているのだが、この曲を聴くとバスーンをやっていてよかった、と心から思う。
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