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ボナンザ

2007年04月21日 23時37分46秒 | スポーツ
適当にチャンネルを回していたら、NHK-BS2で「運命の一手 渡辺竜王VS人工知能ボナンザ」という番組をやっているのを知り、途中から興味深く見た。
渡辺明竜王は若き気鋭の棋士。一方のボナンザは最強と謳われる将棋ソフトだ。この対戦自体は結果も含め知っていたが、その詳細は知らなかった。番組ではボナンザの健闘ぶりが素人にも分かりやすく説明されていた。

将棋ソフト同士による世界一決定戦のような催しは行われている。その成績優秀なソフトは確かアマチュアの棋戦にも参加している。ボナンザはここ数年そうした場で実力を発揮し、多くの将棋ファンに最強と認識されているソフトとなっている。
将棋連盟は公の場でコンピュータソフトとの対戦を原則禁じて、正式な対戦のみ行われるようになった。要はスポンサーがキチンと付いた試合以外は禁止という感じだが。その初めての対戦がこの渡辺竜王対ボナンザだった。

チェスでは世界チャンピオンがコンピュータソフトに敗れるという衝撃が世界を駆け巡った。将棋はチェスより複雑でまだプロを負かすレベルではないと言われている。この対戦もあっさりと敗北するという予測が多かったが、結果は善戦と呼べるものだった。
チェスの場合プログラムもそのチャンピオンに特化させたものが組まれたと言われる。相手の研究は人間同士の場合も普通に行われることなので、当然とも言えるやり方だ。番組前半を見ていないので確定はできないが、ボナンザの場合はそうした特殊な要素はなかったのではないかと思われる。もちろん、そうした要素を入れることができるかどうかもまたひとつの課題だろうが。

人がコンピュータに負けると言っても、実際はコンピュータは所詮機械でしかない。戦うのは人と人だ。将棋を指すことに全力を尽くす者と、将棋というゲームをコンピュータという場で表現する者との戦い。人工知能はSF的なものではなく、あくまで人が作りし範囲を逸脱することはない。今回の番組でも最も興味深かったものはボナンザ制作者の様子だった。
それと同時に人の頭脳の凄みも認識させられた。将棋というルールの枠内でさえ未だ人の脳に追いつけない。人が人を超える知能を作り上げる日は来るのかと思わざるを得ないようなそんな戦いでもあった。

そんな最強ソフト、ボナンザは実はフリーソフトである。制作者一人というのも驚きだ。ネット文化のひとつの極みって感じで、こういう文化風土をネット上でもっとしっかりと支援していく環境や精神の拡大がいま必要なんだけどね。
私も以前ダウンロードしたけれど、100年かかってもまともにやって勝てないのは分かっている。実は中学のときに囲碁・将棋クラブができてそこに入り、入ったときは一番強かったのに数ヵ月後には一番弱くなっていたという実力の持ち主なのよ(爆。上達していないというか、上達しようという意欲に欠けるというか、全く成長していないというか。見るのは好きなんだけどね。

今回のカテゴリをあえて「スポーツ」にしたのは、将棋をスポーツと捉えているから。これはチェスがスポーツのジャンルとされていることからの派生でもあるが、スポーツという文化の本来の姿はこうした娯楽なのだから私にとっては違和感はない。私の場合、自分でするものでなく見るものになっちゃってる点も他のスポーツと同様というか。
だらだらと書いたが、いつの日かコンピュータソフトが名人を破るのを見てみたいね。

Bonanza


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