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感想:『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生』

2009年10月24日 16時33分39秒 | 入間人間
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生 (電撃文庫 い 9-3)嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生 (電撃文庫 い 9-3)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2007-12-10


これでもかと言うくらい激しく壊れまくったキャラクターのオンパレードではあるが、壊れてない人間が真っ当なのかと言うとそんなわけもない。極端過ぎるのは間違いないが、所詮は誰も多かれ少なかれ壊れてはいる。自覚のあるなしはともかく。

みーくんが戯言使いよりも真っ当なのは、読んでいて不快にならないのは、甘えていない点だろう。過去の惨事によってどうしようもなく壊れたのは確かだとしても、まーちゃんを守るためには甘えていられない。ビターチョコレートのふりをして甘ったるかった”戯言”とは違い、味は上等でなくともビターはビターだ。

結末が明快ではなく、含みを残しているのが気になるが、悪戦苦闘を絵に描いたようだった2巻に比べると本書はかなり良くなった。西尾維新の表現センスで入間人間のストーリーなら最高なのだが、無いものねだりをしても仕方が無い。今後救いようがあるとつまらないし、無いと悲惨だしでどっちに転んでも読み続けるべきか悩むシリーズではあるのだが、それでも他にないものが明確にある作品なのは確かだ。それだけで十分に読む価値がある。


感想:『とある飛空士への恋歌 2』

2009年10月24日 16時32分56秒 | 本と雑誌
とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫)とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫)
価格:¥ 600(税込)
発売日:2009-07-17


1巻がプロローグならこの2巻は序章。巨大な浮島イスラでの日常が幕を開けた。

学園生活がメインとなった本書は、青春小説っぽくなっている。主人公のヘタレっぷりは相変わらずだが、それでも好きな女の子の前で一所懸命にヘタレ振りを見せないように健気に振舞う姿は好感が持てる。男の子は女の子の前では見栄を張ってナンボの世界。

アリエルの料理の腕と、特に彼女の作るラーメンは見所の一つと言えよう。ベタだけれど彼女のキャラクターがこの作品を大いに支えているわけだし。
全250ページの物語の245ページ目に巻頭カラーに記された言葉、「でもせめていまは、たわいない希望を語ってみたい」が登場する。そう、たわいない希望を語りたいほどの日常をせっせと築き上げてきただけに、残る5ページが衝撃となる。

以下ネタバレ。

本書ではまだ戦争は予感の段階って感じだが、恐らく今後は戦いの日々が始まるのだろう。戦争と隣り合わせの学園生活と言えば、『新世紀エヴァンゲリオン』や『高機動幻想ガンパレード・マーチ』が目に浮かぶ。本書で登場した若い飛空士たちが、この試練にどう立ち向かうのか。非常にワクワクした気持ちで次巻の刊行を待ちたい。