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開園148日、
今日の「スウェーデン館_中国2010年上海万博公式サイト」をクリックすると、上のような文字が目に飛び込んできます。
上海万博の会期は10月31日までの180日間です。
そして、スウェーデン館(パビリオン)が・・・・・
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ネット上には数多くの関連記事がありますが、それらの中から資料価値が高いものを選んでみました。
ネット上にある主な関連サイト
●上海万博スウェーデン館(上海市観光局のホームページ)
上海国際博覧会は2010年5月1日から10月31日までの半年間開催されます。閉幕まであと37日(9月25日現在)、昨日(9月24日)の参観者数はおよそ35万人、累計参観者数はおよそ5577万人だったそうです。
2010年10月17日にこの記事を追加
●スウェーデン館_パビリオンCゾーン_中国2010年上海万博
●Welcome to the website of the Swedish Pavilion
スウェーデン館のウェブサイトへようこそ
博覧会の統合テーマは「より良い都市、より良い生活」(Better City、 Better Life)。この統合テーマに沿って、スウェーデンがスウェーデン館で提案するテーマは「持続可能性」(Sustainability)で、具体的には「持続可能な都市」(Sustainable cities Swedish theme at Expo 2010 in Shanghai)です。まさに時代が求めている最先端のテーマです。
スウェーデンでは、持続可能な都市の概念づくりや建設の実施は、今に始まったことではありません。次の図が示しますように、既に18年前の1992年の「地球サミット」の頃から自治体を中心に始まっていました。
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ストックホルム最大の「都市再生プロジェクト」の現状(2007-07-11)
緑の福祉国家62 「政策評価」のためのチェック項目(2007-06-01)
年度末にあたって、改めて「日本の都市再開発への疑問」(2008-03-27)
今日の決断が将来を原則的に決める(2007-04-04)
それでは、このあたりで40年前の「大阪万博」にタイムスリップしてみましょう。大阪万博の「スカンジナビア館」の外観と主張は次のようなものでした。そして、統合テーマは「人類のシンポと調和」でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/d2/1bf8ed85d94fdf8ba4a0186869b8e354.jpg)
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1970年の大阪万博のスカンジナビア館(2007-03-18)
第1回国連人間環境会議(2007-03-28)
ネット上で見つけた興味深い関連記事
●幻のスカンジナビア館~1
●幻のスカンジナビア館~2
●牛鍋蝸牛(ぎゅうなべ・かたつむり)地名の虫ブログ : スカンジナビア
●小田原万博探偵ブログ : 幻のスカンジナビア館の図面をさがせ。
●小田原万博探偵ブログ : 幻のスカンジナビア館のガレキをさがせ。
●パビリオンその後
●日本万国博覧会 – Wikipedia
●原子力委員会 長計についてご意見を聴く会(第9回)議事録 ご意見を伺った方 小林 傳司 南山大学教授
この議事録は32ページにおよぶ長文ですが、その12ページに次のような記述があります。
xxxxx
・・・・・それから、大学紛争、公害問題、皆さんご存じのとおり、それからアポロ11号、これは1969年の7月です。大阪万国博覧会、人類の進歩と調和、月の石が展示されました。未来学ブームです。唯一未来を謳歌しない展示をしていたパビリオンがありました。それはスカンジナビア館でありまして、そこでは公害問題の展示一色でした。ちょうどこの時期に入れかわるわけですね。意識が少しずつ変わり始める時期です。日本でも万博会場の外側では公害問題が議論されていました。そして、オイルショックが1973年です。そして、アメリカがテクノロジー アセスメントの部局をつくるのが1972年です。・・・・・・
・・・・・大阪万博のときの電力は当時稼働を始めた若狭湾の原子力発電所によって全面的に供給され、それは未来の火として売物でありました。今4割近くの電力を原子力発電所で賄いながら、万博のときに、2005年、愛知万博ですが、売物に絶対なりません。これをどう考えるかということになるわけです。・・・・・
xxxxx
●PDF] 淀野 隆 「私の万博体験」 ~モノとヒトの出会いのドラマ~
この報告書も33ページにおよぶ長文ですが、7~8ページにかけて次のような興味深い記述があります。
xxxxx
・・・・・ ところが博覧会では“ 先進国” の欧米諸国館では、どちらかといえば「ところてん式」動線を重視していた。典型は「英国館」であろう。いかなる内容のショーであろうと、1時間に1,800人に来場してもらい満足な情報を与えるためには、2分間で60 人ずつに情報に接してもらう必要がある、という計算をした。そこで採用されたのが、「マルチ情報提供」である。32 台のプロジェクターを使い16 のスクリーンに英国の文化、芸術、建築、生活などの紹介を2分間隔で見せる。大阪万博では、これをじっくり見るには、観客は忙し過ぎた。しかしマルチ映像との出会いにすべての日本人は驚いた。
スカンジナビア館はこのスライドプロジェクター技術をフルに活用し、公害問題に真正面から取り組んだパビリオンだった。来場者は入り口で「紙のスクリーン」を渡される。その手に持ったスクリーンで、天井から投射される映像を受けて進む。中央から右がマイナスの世界、左がプラスの世界だった。公害に対する警告や生活のあり方が映像や文字で投射された。これも大阪万博のお客には「奇異」であり「面白くない」ものだった。 殆どの来館者が素通りした。仲の良いスカンジナビア館の広報官からある日相談を受けた。
「みんな素通りしてしまう。どうすれば良いだろう?」「そうだね出口の扉を閉めて中で滞在させるようにしたら……」とアイデアを出した。数日後に電話があり「駄目だ!今度はみんな出口の前に集まり出口が開くのを待っている…」これには私も絶句してしまった。
xxxxx
さらに、もう一つ追加します。
●循環型社会への模索-われわれはどこからきてどこへいくのか-
武田信生 支部長(京都大学大学院教授・眞宗大谷派西廣寺住職)
およそ8年前に行われた武田さんのこの講演の要約の中に「大阪万博で、スカンジナビア館は『工業社会における環境保護』を提唱し、技術が人間にマイナスに働くこともあるという警告をしていた」という記述があります。
私はこの講演の要約に示された武田さんの「環境問題」に対するお考えに全面的に賛同します。ただ、ここで注意しなければならないのは、この講演の要約の中で武田さんがおっしゃている「循環型社会」と、現在、日本の政府や自治体が進めている「循環型社会」は、同じ言葉を使っているにもかかわらず、両者は定義がまったく異なり、似て非なるものであることです。日本政府や自治体が進めている「循環型社会」は循環型社会形成推進基本法(2000年、平成12年6月2日法律第110号)に準拠するものですが、この法律の目的は大量生産/大量消費/大量廃棄で成り立っている日本社会の廃棄物の処理・処分に力点を置いた基本法だからです。
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「持続可能な社会」をめざす国際社会と独自の「循環型社会」をめざす日本(2007-09-30)
平成19年版「環境・循環型社会白書」の不可解(2007-10-27)
このように、1970年の「大阪万博」と40年後の「上海万博」でのスウェーデンの振る舞いを概観してみますと、日本が高度成長期を経験した直後に、スウェーデンは他の北欧諸国と協力して「大阪万博」で今でいう「地球規模の環境問題」に警鐘をならし、2010年の「上海万博」では、高度経済成長まっただ中にあり、おそらく持続不可能な都市上海で、「持続可能な都市」の構築の必要性を訴え続けていることがわかります。
スウェーデンと日本の間には、「環境問題に対する考え方や対応」について、20年の落差があると言っても過言ではないでしょう。
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今日の「スウェーデン館_中国2010年上海万博公式サイト」をクリックすると、上のような文字が目に飛び込んできます。
上海万博の会期は10月31日までの180日間です。
そして、スウェーデン館(パビリオン)が・・・・・
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ネット上には数多くの関連記事がありますが、それらの中から資料価値が高いものを選んでみました。
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●上海万博スウェーデン館(上海市観光局のホームページ)
上海国際博覧会は2010年5月1日から10月31日までの半年間開催されます。閉幕まであと37日(9月25日現在)、昨日(9月24日)の参観者数はおよそ35万人、累計参観者数はおよそ5577万人だったそうです。
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●スウェーデン館_パビリオンCゾーン_中国2010年上海万博
●Welcome to the website of the Swedish Pavilion
スウェーデン館のウェブサイトへようこそ
博覧会の統合テーマは「より良い都市、より良い生活」(Better City、 Better Life)。この統合テーマに沿って、スウェーデンがスウェーデン館で提案するテーマは「持続可能性」(Sustainability)で、具体的には「持続可能な都市」(Sustainable cities Swedish theme at Expo 2010 in Shanghai)です。まさに時代が求めている最先端のテーマです。
スウェーデンでは、持続可能な都市の概念づくりや建設の実施は、今に始まったことではありません。次の図が示しますように、既に18年前の1992年の「地球サミット」の頃から自治体を中心に始まっていました。
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ストックホルム最大の「都市再生プロジェクト」の現状(2007-07-11)
緑の福祉国家62 「政策評価」のためのチェック項目(2007-06-01)
年度末にあたって、改めて「日本の都市再開発への疑問」(2008-03-27)
今日の決断が将来を原則的に決める(2007-04-04)
それでは、このあたりで40年前の「大阪万博」にタイムスリップしてみましょう。大阪万博の「スカンジナビア館」の外観と主張は次のようなものでした。そして、統合テーマは「人類のシンポと調和」でした。
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1970年の大阪万博のスカンジナビア館(2007-03-18)
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・・・・・大阪万博のときの電力は当時稼働を始めた若狭湾の原子力発電所によって全面的に供給され、それは未来の火として売物でありました。今4割近くの電力を原子力発電所で賄いながら、万博のときに、2005年、愛知万博ですが、売物に絶対なりません。これをどう考えるかということになるわけです。・・・・・
xxxxx
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xxxxx
・・・・・ ところが博覧会では“ 先進国” の欧米諸国館では、どちらかといえば「ところてん式」動線を重視していた。典型は「英国館」であろう。いかなる内容のショーであろうと、1時間に1,800人に来場してもらい満足な情報を与えるためには、2分間で60 人ずつに情報に接してもらう必要がある、という計算をした。そこで採用されたのが、「マルチ情報提供」である。32 台のプロジェクターを使い16 のスクリーンに英国の文化、芸術、建築、生活などの紹介を2分間隔で見せる。大阪万博では、これをじっくり見るには、観客は忙し過ぎた。しかしマルチ映像との出会いにすべての日本人は驚いた。
スカンジナビア館はこのスライドプロジェクター技術をフルに活用し、公害問題に真正面から取り組んだパビリオンだった。来場者は入り口で「紙のスクリーン」を渡される。その手に持ったスクリーンで、天井から投射される映像を受けて進む。中央から右がマイナスの世界、左がプラスの世界だった。公害に対する警告や生活のあり方が映像や文字で投射された。これも大阪万博のお客には「奇異」であり「面白くない」ものだった。 殆どの来館者が素通りした。仲の良いスカンジナビア館の広報官からある日相談を受けた。
「みんな素通りしてしまう。どうすれば良いだろう?」「そうだね出口の扉を閉めて中で滞在させるようにしたら……」とアイデアを出した。数日後に電話があり「駄目だ!今度はみんな出口の前に集まり出口が開くのを待っている…」これには私も絶句してしまった。
xxxxx
さらに、もう一つ追加します。
●循環型社会への模索-われわれはどこからきてどこへいくのか-
武田信生 支部長(京都大学大学院教授・眞宗大谷派西廣寺住職)
およそ8年前に行われた武田さんのこの講演の要約の中に「大阪万博で、スカンジナビア館は『工業社会における環境保護』を提唱し、技術が人間にマイナスに働くこともあるという警告をしていた」という記述があります。
私はこの講演の要約に示された武田さんの「環境問題」に対するお考えに全面的に賛同します。ただ、ここで注意しなければならないのは、この講演の要約の中で武田さんがおっしゃている「循環型社会」と、現在、日本の政府や自治体が進めている「循環型社会」は、同じ言葉を使っているにもかかわらず、両者は定義がまったく異なり、似て非なるものであることです。日本政府や自治体が進めている「循環型社会」は循環型社会形成推進基本法(2000年、平成12年6月2日法律第110号)に準拠するものですが、この法律の目的は大量生産/大量消費/大量廃棄で成り立っている日本社会の廃棄物の処理・処分に力点を置いた基本法だからです。
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このように、1970年の「大阪万博」と40年後の「上海万博」でのスウェーデンの振る舞いを概観してみますと、日本が高度成長期を経験した直後に、スウェーデンは他の北欧諸国と協力して「大阪万博」で今でいう「地球規模の環境問題」に警鐘をならし、2010年の「上海万博」では、高度経済成長まっただ中にあり、おそらく持続不可能な都市上海で、「持続可能な都市」の構築の必要性を訴え続けていることがわかります。
スウェーデンと日本の間には、「環境問題に対する考え方や対応」について、20年の落差があると言っても過言ではないでしょう。