酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

ノー政の証明

2008-06-03 22:08:51 | Weblog
 日本もEUに倣って減反政策見直しか。

 町村信孝官房長官が先月末の講演で「世界には食糧不足の国がある。日本が減反やっているのはもったいない。見直さなければ」と述べたらしい。一見、もっともに聞こえる。

 ただ、現職の閣僚がこうした発言をするからには、現行の農業政策との整合性が問われる。いままでの減反は何のためだったのかとの説明も必要だ。そうでなくて、ただ食料不足の声に踊って減反見直しを云々するのでは軽率極まりない。

 信念に基づいた発言でなかったということは今日になってはっきりした。
 
町村クンが午後の会見で、「今すぐ減反をやめて、コメの値段が暴落していいなんて考えていない。政策の方向性ということで申し上げた」と釈明したのだ。

 31日の講演でもそんなことは言っていない。何を気兼ねしているんだろうか。こんな体たらくではとても首相候補足り得ない。おそらく自民党の農林部会あたりからねじ込まれて、修正に及んだのだろう。

 町村クンが講演で言ったのは「食糧自給率を45%に引き揚げる目標でいいのか。もっと上の5割、6割を目指すべきだ」との趣旨だ。必ずしも間違ってはいない。

 米の価格にしても、現在水準が妥当かどうかは検証されてしかるべきだ。減反の最大の罪は、農家からやる気を奪ったことだ。なにしろ田んぼに稲を作らないで遊ばせておけば金になるというのだから…。

 こんなインチキな政策がもう40年近くも続いている。旧社会党は減反の補償費を上げることに力を尽くした。農家を堕落させたもう一方の旗頭と批判されても仕方あるまい。

 農家は作りたいだけ米を作ればいい。値段は味と需要で決まる。おいしい米は値段の暴落など起きないだろう。やり方さえ考えれば輸出も可能だ。穀物不足の中、米の増産は歓迎されこそすれ、批判を受けることはないだろう。

 EUの欧州委員会は先月下旬、減反政策の廃止などを盛り込んだ共通農業政策の改革案を加盟国に提示した。食料、穀物の高騰に対処するためだ。

 食料自給率が40%にも満たない日本が、減反政策を続ける一方で海外の穀物や食料を買いあさることが許されるかどうか。減反見直しに言及するなら腹をくくって発言してほしい。覚悟も過去への反省もないまま、でまかせを言い立てられては困る。

 
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