酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

読売新聞、頑張る!?

2017-06-02 09:29:36 | メディア
 安倍首相から「詳しくは読売新聞を熟読して」と持ち上げられた読売新聞が、またまた忠勤に励んでいるようだ。先月30日付けの「公務員獣医 定員割れ7割」の記事がそれである。

 ≪鳥インフルエンザ対策などで中心的な役割を果たす公務員獣医師について、都道府県の7割超が2016年度、募集定員を確保できなかったことが分かった。獣医学部の新卒者らが民間の動物病院を選ぶ傾向が強まり、成り手が不足しているためだ。給与上乗せなどを打ち出す自治体も多い。読売新聞が全都道府県にアンケートを行い、16年度の採用状況などをたずねた≫=30日朝刊。

 一見どうってことのない記事である。だがなぜこの時期に「獣医師不足」を取り上げるのか。加計学園による今治市への獣医学部新設問題が火を噴いている最中に…。記事には加計のかの字もないが、「獣医学部の新設は必要」との世論形成を目論んでいることは疑いない。

 安倍や官邸サイドは「総理の意向」云々は脇に置いて、地元の要望・岩盤規制の打破・獣医学部新設の必要性-を強調することで事態を乗り切ろうとしている。この記事はそれを側面から補強するために書かれたのだろう。

 「家畜よりペットを診たいという学生が多いうえ、民間に給与面で劣る」などごく普通の記事っぽく装われてはいるが、衣の下が透けて見える。≪アンケートでは28府県が『公務員を志す獣医学部生がそもそも少ない』などと訴え…≫=同。獣医学部のパイ全体を膨らませれば、公務員志望の学生も増加する―とにおわせているのだ。

 やっぱ獣医さんて足りないよね―こうした声が国民の中なら出てくれば、この記事は大アシストである。

 それにしても晋三君、「私の意向かどうかは、確かめようと思えば確かめられる。次官であれば『どうなんですか』と大臣と一緒に私のところに来ればいい」「なんでそこで反対しなかったか、不思議でしようがない」とはよくおっしゃいますね。私的な席での政策批判?をとがめられて更迭された外交官でなくてもそう思いますぜ。

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