酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

五輪開幕まで一か月

2021-06-23 16:13:20 | 話題
 東京五輪の開幕まであと1か月、ほんの少し前までは「ひょっとすると中止もあるかな」という観測もあったが、事ここに至ればやるしかないのだろう。とはいえ、菅義偉首相が言う「安全で安心な五輪」をどう実現するか、ハードルは低くない。一連の流れを見ていると「中止」の選択肢はもともとなかったのだ。それは菅が言うように「(政府は)開催の可否を判断する立場にない」からではなく、「中止となれば巨額の違約金が発生する」からでもない。「私を首相にしてくれた安倍(晋三)さんの顔はつぶせない」「中止なら政権が吹っ飛ぶ」ーあたりが本音に違いない。

 菅は最近の会見でコロナ禍での五輪開催について問われるたびに「国民の命と健康を守り、安心安全な大会を実現することは可能だ」と繰り返し述べている。連日50人規模の死者が発生し、累積の死者数は1万5千人にも達しようとしている。既に命と健康が大きく毀損されている現状を菅はどう見ているのだろう。

 東京五輪の米国向け放映権を持つNBCユニバーサルのジェフ・シェルCEOは「開会式が始まればみんな(コロナのことなど)悪れて楽しむだろう」「五輪に勝る番組はない。17日間、毎晩(関心を)独占できるからね」と述べている。おそらく菅も同じようなことを考えているに違いない。「五輪が始まって日本選手が大活躍すればみんな吹っ飛ぶ」。昨年春の「国民にマスクが行き渡れば一発ですよ」のアベノマスクを思い出す。

 菅が期待を寄せる日本選手団、メダルラッシュとなる可能性が高い。何せ圧倒的に有利なのだ。外国選手は直前の来日が多いと推定されるうえ、バブルに包み込まれ練習も思うに任せない。ストレスは日本選手よりはるかに高いはずだ。しかも、母国の応援団は皆無。菅がG7の会合で各国首脳に「最高の選手の派遣をお願いしたい」と要請したのは「最高の選手」が来日しない事態を危惧してのことだ。

 ここ一両日、五輪を巡るメディアの伝えっぷりに変化がみられる。五輪の観客数についての5者会談で定員の50%、上限1万人と決まったことについての報道で「首相 緊急事態なら無観客も」とも伝えている。開催強行、専門家の提言を振り切っての「観客あり」…。菅の「緊急事態ならー」発言はこれらの強行策をカムフラージュするための巧みな仕掛けだ。五輪会場での酒販売も同じ仕掛けだ。丸川珠代あたりを使って酒類販売を匂わせ、世論の強い反発に配慮する格好で一転禁止にー。誰のシナリオか分からないが、見え見えだ。

 来月に入り、五輪カウントダウンが始まるとメディアは一斉に五輪シフトに入るはずだ。どこがどんな伝え方をするのか? しっかりと見ていきたい。

 

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