酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

朝日新聞が「朝日ホールディングス」に変わる日

2008-03-04 04:10:31 | Weblog
 朝日新聞社とグループ企業の朝日ビルディングは、フェスティバルホールや朝日新聞大阪本社が入るビル3棟を二つの超高層ビルに建て替える「大阪・中之島プロジェクト」の計画概要を発表した。大通りを東西から挟むように建てるツインタワーは、ともに高さ200メートル。最高水準の耐震性と最先端のオフィス環境を備え、長年親しまれてきた大阪朝日ビルの丸みを帯びた外観は低層部に受け継ぐ=2月29日付け朝日新聞。

 新聞の顔とも言える1面に、こんな不動産広告まがいの記事を写真つきで掲載するなんて、朝日新聞もやりますね。ご丁寧に第3社会面まで使っている。朝日新聞から「新聞」の二文字を取って「朝日ホールディングス」とでも改称した方がよさそうである。

 総事業費は1000億円規模、さすが朝日だ。

 高級ホテルやショッピング施設も入るらしい。大阪の六本木を目指す勢いだ。しかし、このツインタワー、変な格好ではないか。下は昔の丸ビル、上は近代的なタワー。「木に竹を接ぐ」とはこのことだ。

 創刊を目指している「高級紙」をめぐって内部対立が続くともいわれる朝日の分裂ぶりが建物のデザインにも反映されているようでほほえましい。

 冗談はさておき、毎日の名古屋ビルといい、この新朝日タワーといい、新聞社が本業で食えなくなっていることの現われではないか。新聞社には、本社所在地の土地購入などでとかくの噂が絶えなかった。不動産屋の素質はもともと備わっていたんだな、きっと。

 新聞の末期症状を告げる動きが目立つ。朝日、読売、日経の「あらたにす」もその一つだ。yahooやgoogloの向こうを張るというよりも、共同+地方紙連合の47ニュース叩きが狙いと見た方がいい。足の引っ張り合いは業界が左前になったときに起きると相場が決まっている。不祥事の暴きあいもこうした流れを映したものに違いない。

 毎日がJ字なるネーミングで始めた「大文字化」競争はとどまるところを知らない。文字数を減らして字を大きくする。年寄りが読みやすいのは確かだが、減った情報量をどこでカバーするのか。読売、朝日はページ増を考えているかもしれない。そうなれば地方紙は体力勝負で疲弊する。

 電通などと組んだ、広告サイズの変更なども企図している可能性が濃厚だ。矢継ぎ早の紙面変更で地方紙を引きずり回そうという魂胆なのだろう。

 グループ総体としての経営体力を高め、ペーパーレス時代の生き残りを策す。

 普通の企業であれば特に問題はない。だが、報道・言論機関で株式譲渡に制限がある新聞社の所業となると、話は別だ。新聞本体も多角経営がもたらす余波を受けずには済まないからだ。利益第一主義が報道や論評を押しのける。社会の木鐸などという言葉はそこでは死語である。

 世界に冠たる新聞王国・日本から、まともな新聞がやがて消える。朝日の新大阪ビルが新聞の壮大な墓標とならないよう祈るだけである。

                         合掌。
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