酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「世田谷騒動」と取材力

2011-10-16 09:58:59 | Weblog
 世田谷区弦巻の歩道脇で高線量の放射線が検出された1件は、瓶詰めのラジウムが原因と分かり一段落した。

 13日の検出時点で大きく取り上げたのはNHKと共同だ。NHKは19時のニュースのトップで報じ、「いったいなぜ?」と不安がる住民の声を紹介した。千葉でも高い線量が検出されていた。福島由来なら汚染の拡散の深刻さを裏付けることになるだけに、警戒心を持つのは当然だろう。

 しかし、朝日や読売はきわめて地味な扱いだった。発生源が福島ではなく、歩道脇の空き家だという感触を得ていた可能性が高い。

 高圧洗浄機で除洗しても線量は大して下がらなかったという。空から降り積もったものでなく、空き家のどこかから出ている。NHKの記者らは、なぜこうした推理を働かせなかったのだろう。家の持ち主や直近まで住んでいた人の職業を調べるなどの基礎的取材はしていたのだろうか。

 放射能→福島と短絡してはいなかったか。

 なぜと問う取材の基本が問われている。こういう報道が風評被害を引き起こすのだ。記事や放送で「風評被害が懸念されます」と訴えるなら、まず自らの取材姿勢を反省してもらいたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする