酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

不可解な「フライングなし」判定

2011-07-10 09:37:43 | Weblog
 先週のアジア陸上男子100メートル決勝は、不可解なフライング判定で後味の悪いレースとなってしまった。

 ほぼ一線で飛び出したと思ったが、2発目のピストルが鳴り、フライング。日本のエース江里口の6レーンにレッドタグが表示された。江里口失格と思いきや、審判団協議の結果「機械の誤作動」でやり直しとなった。

 《神戸市で開催中の陸上のアジア選手権で8日、男子百メートル決勝のスタートでフライングを判定する装置が誤作動するトラブルがあった。

 陸上ではスタートの反応時間が1000分の100秒未満の場合にフライングと判定される。大会組織委員会によると、江里口ら4選手が1000分の94秒から99秒と計測された。目視でフライングを確認できなかったスターターらがメーカー側に確認したところ、装置の異常が認められ、約10分後に再スタートとなった。

 当初は手続きの不備で最も反応時間の早かった江里口のみがフライングと指摘され、尾県貢・大会組織委員長は「江里口選手に与えた精神的なダメージは計り知れず、申し訳ない」と謝罪した。

 日本陸連は試験運用を含めて、この装置を導入して3年目だが、4選手が一度にフライングと判定された誤作動は初めてという。装置は選手がスターティングブロックを押す力が弱い場合などに反応時間が検出不能となるなど課題も指摘されている》=毎日jp=。


 毎日の記事は「機械的トラブル」のせいにしているが、本当にそうなのか。スターティングブロックとピストルを連動させたフライング判定装置は、いまや陸上競技の必須アイテムだ。大きな大会はすべてこの方式であり、各メーカーの装置の信頼度は高い。ところが、このレースでは審判が「目視ではフライングは確認できなかった」と異議を挟み、電子判定を覆してしまった。目視では確認できないから電子判定装置を導入したのではないのか。これでは話があべこべだ。

 江里口ではなく外国人選手だったらどうだったか、との疑問がわく。大会の目玉とも言える江里口をフライングで消し去ることを躊躇したのではないか。国際大会で4人失格という異常事態を避けたかったとも思える。

 こうした協議運営がまかり通れば、レースの公平性が損なわれる。機械の精度を向上させるのはもちろんだが、「俺は確認できなかった」などという<クレーム>は排除しなければならない。

 メディアはこのメーカーをよく取材して「装置のどこがどのように異常だったのか」を明らかにしてもらいたい。うやむやは許されない。

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