酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

東電の体質

2011-04-19 05:59:29 | Weblog
 東電福島第1原発事故収束へ向けての「工程表」が17日発表された。会見したのは勝俣会長、原子力担当の武藤副社長らで、清水正孝社長の姿はなかった。

 清水社長といえば、事故後体調を崩し、しばらく雲隠れしていた人物である。ようやく表に出てきたと思ったら、14日の会見で「年内に柏崎刈羽3号機の運転を再開したい」と発言、地元から猛反発を食らった。部下である柏崎所長からも「あれ(運転再開)は社長が希望を述べたもの」と突き放されるありさまだ。

 《東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県柏崎市、刈羽村)の横村忠幸所長は14日、同発電所で記者会見し、清水正孝社長が前日の会見で同原発3号機の年内運転再開を目指す考えを示したことについて、「(社長発言は)会社の希望として言ったことだと考えている。定期検査をいつまでに終えるといった工程ありきの発言ではない」と述べ、事実上、社長発言を否定して謝罪した》=産経JP=。

 17日の会見に清水社長の姿がなかったのは、余計なことをしゃべらないように引っ込めたか、また体調不良に陥ったかだと推測していた。ところが、清水氏にはもっと大事なことがあったのだ。翌日に控えた参院参考人招致である。「有能な社員」を集めて懸命に想定問答を繰り返していたのだろう。

 その甲斐あってか、18日の質疑では片山虎之助に「今日のあなたの答弁を聞いていると、東電は官僚機構以上の官僚組織だということがよく分かる」とほめられていた。

 原発の収束見通しを国民の前に約束する会見より、国会参考人陳述の方を優先する考え方に、東電の体質が現れている。

 勝俣も清水も「引責退任」するという。当然だが原発危機をほっぽり出して逃げ出すことは許されない。17日の会見に清水を出さなかったのは、「幕引きは清水にさせる」という勝俣の深謀遠慮かもしれない。

 
 
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