酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

大山鳴動浪人ひとり!?

2011-03-04 06:12:02 | Weblog
 「受験体制の根幹を揺るがす事態」と大騒ぎした入試問題ネット掲載事件が、あっけなく解決した。仙台の予備校に通う浪人生の仕業だった。当方の見立てとは違って、「本当に合格したかった」のだという。

 《京都大など4大学の入試問題が試験時間中にインターネットの質問掲示板「ヤフー知恵袋」に投稿された事件で、京都府警は3日、仙台市の予備校生(19)を京大の入試業務に対する偽計業務妨害容疑で逮捕した。

 府警などによると、予備校生は先月25、26の両日に実施された京大の文系数学と英語の入試で、携帯電話を使って問題をインターネットの質問掲示板「ヤフー知恵袋」に投稿し、入試業務を妨害した疑いが持たれている》=毎日jp=。

 4日付けの朝刊各紙は1面トップに白抜きカットで「19歳逮捕」と大はしゃぎだ。そこまでの価値はあるのかねえ。これまで大々的に報じてきた行き掛かりでこんな扱いになってしまったということなら、それこそ問題だ。

 共同が配信した専修大准教授・山田健太の談話がこの点を指摘している。

 《「今風」のカンニング行為が社会の関心を集めることは分かるが、一連の社会の反応は過剰と言えるのではないか。事細かな通信内容に始まり、本人や家族のプライバシーが身ぐるみ剥がされていく勢いを報道からは感じる。カンニング行為は偽計業務妨害罪に該当するとのことだが、通常なら受験資格の剥奪で終わる話であり、身柄拘束の必然性があるかについては議論があるのでは。警察は逮捕理由として社会的な影響の大きさを挙げているようだが、報道がそうした雰囲気をつくってしまっている》。

 逮捕には「みせしめ」「一罰百戒」的な思惑も込められているのだろう。携帯で既存のサイトを使ってカンニングすれば、必ず足がつく。これが事件の教訓だ。

 各紙が「携帯禁止の妙案なし」などと大学の困惑ぶりを書いているのは、お笑いである。携帯でのカンニングを心配するより、問題の適正化など、別な気配りをしてほしいものだ。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする