酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「八百長」世論調査

2011-02-12 10:06:30 | Weblog
 13日の「新潟日報」を見てびっくりした。1面トップは「八百長『以前から』76% 公益法人62%否定 大相撲 全国世長」という大見出しが伝える大相撲の世論調査についてだ。調査したのは共同通信、恐らく12日に1面トップの候補として配信したものだろうから、他の地方紙もそれなりに扱っているに違いない。

 《共同通信社が11、12両日に実施した全国電話世論調査で、大相撲の八百長問題に関し、力士らのメールのやりとりが発覚する以前から「八百長はあると思っていた」が76・1%に達し「ないと思っていた」の18・6%を大幅に上回った。

 日本相撲協会の放駒理事長(元大関魁傑)は八百長について「過去にはなかったと判断している」と6日の記者会見で話しているが、世論の見方は大きく食い違う結果となり、厳しい対応を迫られそうだ》=共同=。

 同じ紙面には菅内閣の支持率が20%を割ったことも報じられている。「世調依存報道」の問題点は過去にも書いたが、大相撲の八百長について、こんな世調と記事まで書くとは恐れ入る。


 八百長で世論調査をしようという発想もたいしたものだが、そのまとめかたにはあきれる。

 世間の大半の人が「八百長はある」とみなし、理事長の「過去にはなかった」発言に否定的だ、というのである。

 メディアがやるべきことは、市井の人のご高説を承って伝えることではない。八百長があったという事実を発掘して、協会に迫ることだ。こういう難しい仕事は週刊誌にお任せというのでは、新聞はいらない。

 相撲協会が公益法人であることの是非などは、世調の対象になりうるだろうが、「八百長はあったと思うか、なかったと思うか」などの問いは、ブログ子の理解を超える。

 日テレ=NNN=の世調《NNNが11~13日に行った世論調査によると、「大相撲で八百長の事実が明らかになったことに驚いたか」という質問に対し、「驚いた」が29.9%、「驚かなかった」が67.9%、「わからない。答えない」が2.2%と、7割近い人が、八百長に驚きはないと答えたことがわかった》レベルなら、まだ分かるのだが…。

 事実が明らかでないことについて、不特定多数から意見を聞き「こう思っている人が多かった。だから…」などと報じるのは誘導につながる。配信する側や受け手の新聞社がその点に無自覚なのを憂える。
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