酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「侍ジャパン」のお寒い現実

2008-11-24 17:26:17 | Weblog
 ようやくスタートした原辰徳の「侍ジャパン」が選手選考でごたごたしている。


 《来年3月にある第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の2度目の日本代表スタッフ会議が21日、都内で行われた。大リーガーを含む48人の代表候補選手に出場意思を打診したが、けがなどを理由に辞退者が数人出た。一部の球団は全候補選手が辞退したと見られ、いきなり12球団の足並みが乱れるスタートとなった。


 原監督は「全世界、プロ野球のほとんどの選手、球団が協力姿勢を見せてくれた」と前置きしたうえで「1球団、誰ひとり協力者がいなかったのは、やや寂しい」と話した。


 中日は4選手が候補に挙げられたが、全員が辞退した模様。春先まで肩が仕上がらないとか、負傷を理由にした選手がいた。中日の白井オーナーは「北京五輪には人も出して協力した。うちはけが人が多い。落合監督もけが人は出さないと言っていた」。原代表監督就任時に「全面協力」を約束した加藤コミッショナーは「人選は監督、コーチに任せているので」と口を濁した》=21日 朝日WEB=。


 メディアはこういう揉め事が大好きだから、中日が球団ぐるみでボイコットという基調で報道をリードしている。WBCに肩入れしているのは読売である。商売敵の中日が鼻を曲げても不思議ではない。落合も「なんで原なんぞに協力しなきゃならんの」と思っているかもしれない。


 腹に一物あっても、大義名分の前には団結するのが日本の「伝統」らしい。だから、落合は次のように言う。


 《中日の落合博満監督は22日、来年3月に開かれる国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)について、最初にリストアップされた日本代表候補48人の中に中日から4人が含まれ、追加で打診された1人を含めた5人が出場を辞退したことを明らかにした。「いずれの選手も自分の意思で辞退した。球団も監督も出場しろとも辞めろとも言わない。出たい選手は出ればいいし出たくないという選手は出なくていい。出たい選手でやればいいじゃないか」と話した。


 落合監督は「選手は日本プロ野球組織(NPB)の社員ではない。監督も選手も球団と契約している。あくまでも個人の意思。フリーエージェント(FA)だって個人の意思。彼らには彼らの生活権がある。けがをしたとき、NPBは責任をとってくれるのか」とプロ野球選手の立場を説き、「たまたまうちのチームから(最初に)4人が選ばれた。このうちの2人からはシーズン中に、もう代表選手になるのは勘弁してください、と聞いた。若い2人については、自分に不安を持っていた」と明かした》=23日 東京新聞。


 おそらく落合が言う通りなのだろう。原や山田はこれが理解できない。「故障もしてないのになぜ出ない。ジャパンに協力できないなんておかしい」。


 選手の性格はそれぞれだ。失敗を糧に成長していく選手もいれば、大舞台での失態で決定的ダメージを受けてしまう選手もいる。そこから這い上がるのは容易なことではない。
 

 出たくないのに、選考されたんで仕方なく出る選手が戦力になるはずがない。二つ返事で加わってくる選手で固めればいい。あれこれ話に尾ひれを付けるのは、面白くはあるが生産的ではない。要は原らが「大人でない」ということだ。


 一連の報道ぶりを見ていると、中日と落合を悪者に仕立てたいという意図を感じる。どの筋が仕掛けていることか知らないが、みみっちい話だ。こんなことでは北京五輪の二の舞になるのではないか。


 たかが野球。もっとおおらかにやってほしい。
コメント
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