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酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

柔道の次は剣道???

2012-07-20 05:51:24 | Weblog
 2008年の剣道日本一、神奈川県警の正代賢司巡査部長が児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで警視庁に捕まった。

 ≪女子高生に裸の写真を携帯電話に送らせたとして、警視庁少年育成課は十九日、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、全日本剣道選手権大会で優勝経験のある神奈川県警第二機動隊巡査部長正代(しょうだい)賢司容疑者(31)=横浜市旭区白根=を逮捕したと発表した。

 逮捕容疑では、昨年十月中旬、当時十六歳の女子高校生に携帯電話で撮影させた本人の裸の写真三枚をメールで送らせ、自分の携帯電話に保存したとされる。

 少年育成課によると、「間違いない」と容疑を認めている。

 正代容疑者は昨年十月ごろ、インターネット掲示板にプロフィルを載せていた女子高生に「友達になろう」とメールを送り、知り合った。

 警察官であることや剣道の優勝経験など、自分の素性を明らかにしていた。女子高生は剣道に興味があり、正代容疑者はあこがれの存在だった≫=東京新聞web=。

 なんともとほほのお巡りさんだが、頭を抱えているのは警察庁や神奈川県警だけではあるまい。文部科学省あたりはどうだろう。

 この4月から中学校で武道が必修になった。多くは柔道だが、剣道を取り入れている学校もある。武道必修化については異論も多かったが、ダンスと抱合せるという奇策で指導要領に盛り込むことに成功したいきさつがある。推進派の論拠は「武道は人をつくる」であった。文科省の学習指導要領には次のような記述がある。

 ≪武道に積極的に取り組むとともに,相手を尊重し,伝統的な行動の仕方を守ろうとすること,分担した役割を果たそうとすることなどや,禁じ技を用いないなど健康・安全に気を配ることができるようにする≫

 アテネと北京で金メダルに輝いた柔道の内柴正人が準強姦罪で起訴されたのは記憶に新しい。今度は日本一剣士の児童ポルノ容疑である。指導者としての立場や自分への憧れを悪用して、少女らにいかがわしい行為をさせていた疑いがある。「武の心」が泣いている。

「心技体が備わってこそ、頂点を極められる」などとよく言うが、強さと人格は無関係なのだ。スポーツのヒーローを道徳の手本に祭り上げてはいけない。選手を委縮させ、内向させる。そのことによって溜まったストレスがマグマとなって噴き出す。英雄転落譚の多くはそう教えている。

 で、中学校での武道である。礼に始まって礼に終わるのが武道とか。いっそのこと礼と正座だけを教えてはどうか。これなら怪我の心配もない。 
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中国製アメリカ選手団ユニフォーム

2012-07-19 06:15:13 | Weblog
 ロンドン五輪開幕まであと1週間とちょっと、メディアは盛り上げに懸命だが〝場外〟の舌戦もにぎやかになってきた。金メダルの数を競うことになりそうなアメリカと中国が、ユニフォームをめぐってさや当てを繰り広げているのだ。まず、ジャブを突いたのは米議会。

 ≪ロンドン五輪で着用する米国代表チームのユニホームが中国製であることが分かり、米議会の怒りを買っている。

 米国繊維産業の苦境を背景に、大物議員らは「オリンピック委員会は恥を知るべきだ」などと痛烈に批判。これを受けて、デザインを手がけた米有名デザイナーのラルフ・ローレンさんは13日、「2014年のソチ五輪は米国製になる」と発表した。

 騒ぎの発端は、米テレビの報道。AP通信などによると、民主党のハリー・リード上院院内総務は「すべてのユニホームを積み上げて燃やし、最初からやり直すべきだ」と記者会見で怒りをあらわにした。

 民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務ら他の議員からも「米国製のユニホームを着るべきだ」「我が国製造業が厳しい雇用情勢にある中で中国に外注するなんて。自滅的だ」などと激しい非難の声が上がっている。

 ユニホームはベレー帽、ブレザー、ズボンやスカートなど一式で、開会式などで着用する。ラルフ・ローレンさんは、2020年まで米五輪委と契約しているという≫=15日 読売ONLINE=。

 これに対して中国国営通信新華社がただちに反撃した。

 ≪中国製ユニホーム、米中問題に発展!? ロンドン五輪米国代表ユニホームの中国製問題について16日、中国国営新華社通信が反論の論評を掲載した。

 ラルフ・ローレンがデザインした米国代表のユニホーム。これが中国製であることが判明し、米国の政治家や国内世論から批判が相次いでいる。これに対して新華社通信は「オリンピック精神は政治とスポーツを分離するもの。しかし、米国の政治家はユニホームに政治のタグを強制的に付けようとしている」と批判。「これは偏狭的な国家主義であり、五輪精神を冒涜し、無知をさらけ出すものだ」としている。また、「今回の問題は“メイド・イン・チャイナ”という米国選挙の中で最も敏感な単語によって引き起こされたもの」だとし、「米国は、中国が提供する安価なユニホームによって、どれだけ多くの人が恩恵を受けるかを覚えておくべきだ。“メイド・イン・チャイナ”に対する米政治家の不当な批判は、非常に政治的で、偽善的なものである」と反論している≫=SANNKEIBIZ。

 中国製が幅を利かせているのは世界中とこでも同じだが、星条旗を背負った米国選手団のユニフォームまでも―となれば、アメリカとしては穏やかではいられない、ということなのだろう。

 しかし、考えてみれば身の回りの繊維製品はほとんどが中国製だ。スポーツ用品は特にその傾向が強い。ナイキ、アディダス、ミズノ、アシックス、プーマ…。ブランドはとりどりだが、付いているタグをみれば「made in China」、もしくは東南アジア産。「国産」など数えるほどだ。ラルフ・ローレンがデザインしただけでましというべきだろう。

 先日のNHKBSドキュメントウェーブの「イタリアブランドを作り出せ」では、いまやイタリアファッションはデザインから仕立てまで中国人が大進出、その数5万人―と伝えていた。

 中国製に怒り心頭に発しているようでは、新華社に「無知」とけなされても仕方がない。米国ブランドを維持したいなら、まず自国の産業界の指導からだ。
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「大津中2自殺」急展開を考える

2012-07-12 10:00:25 | Weblog
 大津市立中2年の男子生徒が昨年10月、自宅マンションから飛び降りて自殺した事件が、この1週間で大ニュースに膨れ上がった。4日付で各紙が報じた「生徒は自殺の練習をさせられていたというアンケート結果があったのに、市教委が握りつぶしていた」―がきっかけである。

 ≪大津市で昨年10月、同級生からいじめを受けていた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自宅マンションから飛び降り自殺した問題で、学校が全校生徒に実施したアンケートに対し、15人の生徒が「自殺の練習をさせられていた」と回答していたことが3日、関係者への取材で分かった。市教委は昨年11月の記者会見でこの事実を明らかにしていなかった。

 男子生徒の両親が今年2月、大津市や加害生徒3人と保護者を相手取り、約7720万円の損害賠償を求めて大津地裁に提訴。5月の第1回口頭弁論で市はいじめがあったと認めたが、「いじめを苦にしての自殺と断じることはできない」と主張していた。両親の代理人はアンケートの回答について、17日に開かれる第2回口頭弁論に提出する準備書面で主張する≫=毎日jp。

 この中学に対して爆破予告はあるは、市長を脅迫した容疑で愛知の69歳に逮捕状は出るは…。ネット上では実名入りの虚実入り乱れた情報が飛び交っている。そして、極めつけは滋賀県警による学校と市教委への強制捜査開始である。

 ≪大津市立○○中二年の男子生徒=当時(13)=が昨年十月、マンションから飛び降り自殺した問題で、滋賀県警は十一日夜、暴行容疑で大津市教育委員会事務局と中学校を家宅捜索した。早ければ八月中に捜査の結果を出す。

 県警によると、家宅捜索容疑は、昨年九月二十九日に大津市の陸上競技場での体育大会で、同級生の少年三人が男子生徒の両手を鉢巻きで縛り、口に粘着テープを張るなど暴行したとされる。

 男子生徒は十月十一日朝、自宅マンション十四階から飛び降り、死亡した。

 中学校が全生徒を対象にしたアンケートで男子生徒が「殴られたり蹴られたりしていた」と直接見た生徒がいることや「ハチの死骸を食べさせられそうになっていたと聞いた」などの記述が複数あり県警はこれらについて強要や暴行容疑などでの立件の可否を調べる。県警は十一日、少年課内の特別捜査隊の捜査員ら二十人と大津署の五人で専従捜査チームを設置。学校と市教委の幹部らから事情聴取を始めた。今後生徒にも話を聞く≫=東京新聞web=。

 市教委の初期対応のまずさは覆うべくもない。教育委員会がすっかり行政機関と化してしまい、学校現場で何が起きているかの想像力を欠いているのが大きな要因だろう。市町村教委が学校を指導することなどどだい無理なのだ。(逆に都道府県や政令市では教員上りが幅を利かせ、事件のもみ消しを図ったりしているのだが…)。大過なく任期を過ごす。これは公務員の鉄則である。

 滋賀県警の唐突な強制捜査もこの文脈で理解できる。自殺した生徒の父親が再三にわたって被害届を提出しようとしていたのを、警察はその都度拒んでいたのだ。

 ≪大津市で昨年10月、いじめを受けた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が飛び降り自殺した問題で、生徒の父親(47)が滋賀県警に被害届を再び提出する意向を固めたことが7日、関係者への取材で分かった。父親はこれまで「同級生から暴行を受けていた」とする被害届を県警大津署に3回提出しようとしたが、いずれも受理を拒否されている≫=毎日jp=。

 警察の失態を取り繕う意味でも、やる気を見せる必要があったのだ。いじめによる自殺となれば、当然刑事事件だ。だが、この種の事件は下手人を挙げて終わりではない。むしろ、なぜこんな事件=いじめ=が起き、自殺するまで放任されたのかが問われなければならない。前のめりの強制捜査は、事件に対して学校(教師、生徒、父母ら)が内省する機会を奪うことになりはしないか。
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小沢離党の虚実

2012-07-03 09:08:54 | Weblog
 小沢一郎がグループの49人を引き連れて民主党を離党した。消費税法案などの衆院採決で造反してから10日後である。


 ≪民主党の小沢一郎元代表は2日午後、野田佳彦首相の消費税増税方針に反対して、支持グループ議員と共に離党届を提出した。衆院38人、参院12人の計50人。週内にも新党を結成する方向で、2009年に政権交代を果たした民主党は分裂することになった。一方、民主党は野田佳彦首相が出席した役員会で、小沢氏らを慰留しない方針を確認した。離党届提出を踏まえ除籍(除名)処分とする見通しだ。

 小沢氏らの離党により首相の政権基盤が大きく揺らぐのは間違いない。増税法案の参院審議を前に、首相は厳しい局面を迎える。自民、公明両党は増税法案成立後、速やかな衆院解散・総選挙を求める方針だ。

 離党届提出後、小沢氏は記者会見し「もはや野田首相の下での民主党は、政権交代を成し遂げた民主党ではない」と強調。消費税増税をめぐる首相の対応を「国民との約束を守ろうとする者たちを処分するというのは本末転倒だ」と批判した。

 その上で「新党立ち上げを視野に入れ離党する」と述べた。時期は明言しなかった。消費税増税反対と脱原発を主要政策に掲げる≫=共同。

 造反劇直後に新聞各社が行った世論調査によると造反・離党支持はいずれも20%弱、「期待しない」は80%近くに上っている。連日あれだけ「小沢叩き」を展開していれば、当然こうなる。こんな調査にほとんど意味はない。

 問題はなぜ小沢が「政党をつくっては壊す」を繰り返すのかである。壊し屋などと揶揄するだけで、深く考察した記事は見たことがない。小沢を遠巻きに眺め、ああだこうだ言っているだけのメディアはもどかしい。

 小沢はある意味典型的な「時流を読む」政治家だから、論理の一貫性には乏しい。民主党代表時に原発推進へ舵を切り、今は脱原発を唱える。政策転換するなら、真摯な自己批判をしてからだろう。

 小沢で気になるのは、古い付き合いの「友人」が少ないことである。かつて腹心だった熊谷弘はその代表格だ。二階俊博、石破茂、岡田克也…。新進党や自由党の盟友たちはいずれも小沢の元を去った。今も従っているのは、厚顔だけが売りの山岡賢治、創価学会のはぐれ怪人・東祥三ぐらいのものだ。妻和子にも三行半を突き付けられたとか。

 田中真紀子=富士山論というのがある。「遠目はいいが近寄るとゴミだらけ」という意味である。小沢にもこれが当てはまるのかもしれない。

 消費税や原発は次期総選挙の最大のテーマといえよう。一方の旗を小沢が掲げることには違和感がある。真に日本の将来を憂えるというなら、自らは身を引いて指南役や黒子に徹すべきだ。政治家は人気商売である。今の小沢にこの役は務まらない。

 それにしても、三文役者ばかりの茶番劇はうんざりである。橋下某や石原某も同類、困ったね、これは。

 
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最速ボルトに異変?

2012-06-30 11:05:32 | Weblog
 ロンドン五輪の出場権をかけた陸上のジャマイカ選手権男子100メートルで、ウサイン・ボルトがトレーニングパートナーのヨハン・ブレークに完敗した。「ロンドンでは9秒5を切って勝ちたい」と胸を張っていた人類史上最速の男に何が起きているのか。


 ≪陸上のジャマイカ選手権第2日は29日、キングストンで男子100メートル決勝が行われ、昨夏の世界選手権王者のヨハン・ブレークが世界歴代4位の9秒75で制した。

 世界記録保持者のウサイン・ボルトは9秒86で2位に終わった。フライング失格を除き、ボルトが100メートルで敗れたのは2010年8月以来2年ぶり。3位はアサファ・パウエルで9秒88。女子100メートル決勝は、北京五輪女王のシェリーアン・フレーザープライスが今季世界最高の10秒70で優勝。今大会はロンドン五輪選考会を兼ねており、3位までの五輪出場が確実となった≫=読売ONLINE=。


 ボルトはかつてのカール・ルイス同様、いまや走る宣伝塔だ。あまりに“成功”しすぎたため国民の反感を買っているらしい。スポニチは次のように書いている。

 ≪準決勝からトラブルを排除するのが大変だった。でも“諦めないぞ”という気持ちだけは抱き続けた」。異変はスタート付近で起こった。詳細は不明だが、スタンドからのヤジが気になったのかもしれない。年収2030万ドル(約16億円)でフォーブス誌のスポーツ長者番付で63位にランクされた自称・伝説の男にとっては信じ難い雰囲気。しかしそれが今のボルトを象徴している。

 北京五輪には幼なじみの恋人が観客席にいたが、すでに破局。以後、ウエートレス、豊満なバストで有名なタレントらと浮名を流した。7カ月前からはスロバキア出身の28歳の美人デザイナーと交際。ところが5月にこの女性とも別れ、ジャマイカ国民からは「いいかげんすぎる」と手厳しい“レッドカード”を突きつけられていた。さらに今月に入って自身2度目の自動車事故を起こし、警察に無断で現場を立ち去ったことで「特別扱いするな!」とバッシングはさらに広がった≫。

 ボルトや女子短距離のウェザー・プライスらは片田舎や貧民街の出身だ。裸一貫で世界の頂点へと駆け上がっていく姿は成功物語そのものだ。当然、羨望ややっかみも引き受けなくてはならない。日本でお笑い芸人多たちが身から出たさびでつまづいているのと構造は同じだろう。

 で、ボルトの五輪はどうなる。国内ではヒールだったが、ロンドンでは違う。気分よく走れさえすれば100、200とも金は堅いとみる。タイソン・ゲイやブレークは9秒70までは可能だろうが、そこが限界だ。100のゴールラインではボルトが体二つほど前にいるのではないか。
 
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「なでしこ」に良薬

2012-06-19 06:12:57 | Weblog
 ロンドン五輪女子サッカーの帰趨を占う日―米戦はアメリカが4-1で圧勝した。

 ≪【ハルムスタード(スウェーデン)=畔川吉永】日本女子代表(なでしこジャパン)は18日、スウェーデンでの国際招待大会で米国と対戦、1―4で完敗した。


 日本は米国の速さとパワーに押され、序盤に2点を失った。後半にも2点を追加され、反撃は26分に永里優が頭で決めた1点にとどまった。米国は、3―1で勝ったスウェーデン戦に続く連勝≫=読売ONLINE=。

 めまいの症状で3か月以上戦列を離れていた沢穂希の復帰戦としても注目されたが、チームも沢も良いところはほとんど出せずじまいだった。「ロンドンの金に黄信号」などの見方もあるが、メダルに手がかかれば上出来というのが日本の実力だろう。過剰な期待が多少でもしぼめばむしろ好都合だ。

 スピード、強さ、高さ、すべての面でアメリカが上回っていた。モーガンなどには2人付いていても簡単に振り切られシュートまで持って行かれていた。ボールへ寄せる第1歩で負けていては勝負にならない。

 アメリカとの力の差は佐々木監督も認めるところだ。「これで選手の目が覚める」―内心ではそう思っているかもしれない。自分たちの力を正確に把握し、相手との間合いを決めるのが勝負事の鉄則だ。古人曰く「敵を知り己を知らば百戦危うからず」である。

 まあしかし、自分たちが弱い、下手とはだれも認めたがらない。叩きのめされて分かるのだ。その意味で1-4の完敗はよかった。ただ、次のスウェーデン戦も完敗するようだと、自信喪失ともなりかねない。ここらあたりが難しい。
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ニュースの陰ひなた

2012-06-16 06:21:07 | Weblog
 14日から「号外・ニュースフラッシュ」級の出来事が続いている。「6歳未満児童に初の脳死判定」「オウム高橋克也逮捕」「民自公、増税一体改革で合意」の豪華三本立てだ。

 メディアの扱いはおおむね高橋逮捕>6歳未満脳死>3党合意である。15日夜のtvニュースは高橋逮捕に3分の一以上を費やしている。視聴者本位つまり人気取りが第一のメディアなら当然そういう選択となろう。しかし、問題の大きさからいえば、話は違ってくる。

 「子供の脳死」には納得がいかない。本人が拒否していなければ家族の承諾で臓器を提供できるとしている法律そのものがおかしい。幼児があらかじめ脳死や脳死後の移植について意見を述べているはずがない。脳死移植を進めたいという思惑だけが先行して、法律の詰めが甘くなったとしか思えない。

 脳死を伝える記事やニュースも分かりにくい。「低酸素脳症の男児」としているが、なぜ低酸素脳に陥ったかについては触れていない。6歳未満とは何歳なのか。先天性の低酸素脳症なら、提供できるような臓器は育たないのではないか。生まれてから数年間それなりに暮していたが、何かの原因があって、脳に酸素(血流)がいかなくなった―こう考えるのが自然だろう。「両肺と膵臓、小腸は医学的理由などで移植は断念された」(共同)の記述も見える。ドナーについての情報を秘匿しすぎると、不信感が募ってしまう。

 大ニュース3連発で喜んでいる?のは民自公3党首脳だろう。年金・医療は棚上げし、増税だけを丸く収める、しかも国民の目に触れにくいように。この目論見がぴったりはまった格好だ。メディアはそれなりに扱っているものの、特大の白抜きカットが伝える「高橋逮捕」の迫力の前にはさっぱりである。

 いきなり話がそれるが、4~5年前、出場停止を食らってモンゴルに帰国していた朝青龍が「謹慎明け会見」をした際、ボクシングの亀田大毅が謝罪会見をぶつけてきたことがあった。

 警察が3党合意の期限に合わせて高橋を逮捕したなどと言うことはあり得ないだろうが、「大事件」勃発で相対的に扱いが小さくなって得をしたというケースはよくある。1面に大見出しの躍るときほど、小さな記事に目を凝らしたい。

 それにしても、オウムの幹部でもない高橋や菊池た捕まったことに、ここまで大騒ぎする必要はあるまい。
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陸上の日本代表決まる

2012-06-12 04:41:41 | Weblog
 ロンドン五輪まであと50日弱、出場を懸けた戦いもいよいよ大詰めだ。中でも注目は陸上競技。8-10日に大阪長居競技場で行われた日本選手権は、見どころが多かった。その後開かれた陸連の理事会で、五輪代表が以下のように決まった。健闘を期待しよう。

 ≪日本陸上競技連盟は11日、大阪市内で理事会を開き、ロンドン五輪代表に、男子やり投げで2009年世界選手権銅メダリストの村上幸史(32)=スズキ浜松AC=や女子長距離の福士加代子(30)=ワコール=らを新たに選んだ。

 陸上代表は39人(男子25、女子14)となった。村上と福士は3大会連続の五輪代表。

 五輪参加標準記録A(A標準)の突破者で10日までの日本選手権で優勝し、自動的に代表に決まった男子やり投げのディーン元気(20)=早大=ら10人も正式承認した。

 マラソンを除くロンドン五輪代表は次の通り。

 【男子】短距離 ○江里口匡史(23)=大阪ガス、山県亮太(20)=慶大、○高瀬慧(23)=富士通、飯塚翔太(20)=中大、高平慎士(27)=富士通、○金丸祐三(24)=大塚製薬▽中距離 横田真人(24)=富士通▽長距離 佐藤悠基(25)=日清食品グループ▽障害 ○岸本鷹幸(22)=法大、中村明彦(21)=中京大、舘野哲也(20)=中大▽競歩 ☆鈴木雄介(24)=富士通、藤沢勇(24)=ALSOK、西塔拓己(19)=東洋大、☆森岡紘一朗(27)=富士通、○山崎勇喜(28)=自衛隊、谷井孝行(29)=佐川急便▽跳躍 山本聖途(20)=中京大▽投てき ☆室伏広治(37)=ミズノ、○ディーン元気(20)=早大、村上幸史(32)=スズキ浜松AC▽混成 右代啓祐(25)=スズキ浜松AC
 【女子】短距離 ○福島千里(23)=北海道ハイテクAC▽長距離 ○新谷仁美(24)=ユニバーサルエンターテインメント、○吉川美香(27)=パナソニック、福士加代子(30)=ワコール▽障害 木村文子(24)=エディオン、○久保倉里美(30)=新潟アルビレックス▽競歩 ○大利久美(26)=富士通、渕瀬真寿美(25)=大塚製薬、川崎真裕美(32)=富士通▽跳躍 我孫子智美(24)=滋賀レイクスターズ▽投てき ○海老原有希(26)=スズキ浜松AC
 (注)☆は昨年の世界選手権で、○は日本選手権で代表が決まった選手。男女マラソンは3月に発表済み≫=スポニチAnnex=。

 目を引くのはディーン元気と室伏広治の混血組だ。ようやく日本も「国際国家」になってきたということだろう。ダルビッシュも怪腕ぶりを見せている。「日本人もいろいろいるじゃん」という声が聞こえそうだ。

 投てきは日本の弱点と言われていたが、やりとハンマーはテクニックで補える。室伏のおやじや溝口和洋が世界選手権などで外国選手から敬意を表されていたのを思い出す。そこに女のパワーが加わった。やりの海老原有希である。昨年の世界選手権では女子投てき種目で日本選手初めての決勝進出を果たしている。あと2~3メートル伸ばせれば、メダルだってあり得なくはない。投てきは一発引っかかると番狂わせが起きる。室伏みたいに上がドーピングでこけるという例もある。

 トラックは世界とは差がありそうだ。400ハードルの岸本と女子の長距離を除けばセミファイナルまで行ければ上出来だろう。北京でまさかの銅を獲得した男子400リレーだが、今回のメンバーは経験が足りない。

 別枠になっているマラソンはどうだろう。現状では一けた台の順位に入れば大健闘と言えよう。藤原新のハングリー精神には期待しているのだが…。

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「菊池直子」でバカ騒ぎ

2012-06-06 06:11:54 | Weblog
 3日にオウム真理教元信者の菊池直子が逮捕されて以降、メディアは何事が起きたかというほどの大報道合戦を続けている。

 若い女が17年間も逃亡、しかも男と同居していたとあっては格好のお茶の間ネタではある。だが、しょせんそれだけの話ではないか。一部「識者」と称される人々は「事件はまだ未解明な部分があり、菊池容疑者の逮捕が全容解明のきっかけになればと思う」(大谷昭宏・共同)などと述べているが、どうだろう。

 「まだ未解明の部分があり」という前提そのものが間違っている。麻原が何も語っていないため、オウムの核心部分は何も解明されていない。村井刺殺事件や警察庁長官狙撃事件も同様だ。一連のオウム裁判は、事件の上っ面を撫でたに過ぎない。

 菊池は一介の信者であり、下っ端だ。PRビデオなどに出演したり、メディアが「走る爆弾娘」と名付けて大きく報道したため「知名度」が高いに過ぎない。洗脳されやすい素直な女なのだろう。この女が事件の核心を知っているとは到底思えない。

 原発と政局報道に食傷気味だったメディアにとっては、菊池の出現は「干天の慈雨」といったところだろう。しかし、そんなことよりも、本筋をきっちり報道してほしい。なぜ大阪市の橋下市長は原発に対する態度を急変させたのか。野田は本当に小沢切りを決断したのか。「中国外交官事件」や生活保護問題などもさまざまな思惑が絡んだ「政治的事件」ではないのか。

 メディアが国民の目をくらますお先棒を担ぐようでは、この国はいよいよ危うい。
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「世界恐慌」最後の幕が上がった?

2012-06-01 08:55:30 | Weblog
 31日のNY外為市場で一時、ユーロが96円台まで急落した。ギリシャ情勢への懸念が深まっているのと、米国の各種統計数値が市場の予想を下回ったからだという。

 ≪31日のニューヨーク外国為替市場でユーロは、欧州債務危機への懸念が拡大したことを背景に一時1ユーロ=96円48銭をつけるなど、2000年12月以来、約11年半ぶりの円高ユーロ安水準で推移した。円は対ドルでも急伸し一時、約3カ月半ぶりの円高ドル安水準となる1ドル=78円21銭をつけた。

 午後5時現在のユーロは、前日比97銭円高ユーロ安の1ユーロ=96円76~86銭、1ユーロ=1・2361~71ドル。円の対ドル相場は前日比75銭円高ドル安の1ドル=78円25~35銭≫=共同=。

 震源地のギリシャでは、同日、60代の年金生活者が「孫はギリシャで生まれてほしくない」との遺書を残して自殺、当地のメディアは「緊縮政策の犠牲者」と報じているという。

 ≪ギリシャからの報道によると、首都アテネで30日、年金生活者の男性(61)が公園で首をつって自殺しているのが見つかり、衣服のポケットから「孫がギリシャで生まれないことを望む」と国の将来を悲観する遺書が発見された。アテネでは4月にも、緊縮財政に苦しむ年金生活者の男性が命を絶つ悲劇があり、市民は再びショックを受けている≫31日時事=。

 17日のギリシャ再選挙の動向が注目されるが、緊縮肯定派と反対派のいずれが「勝利」したにせよ、問題の解決に近づくわけではない。ギリシャのユーロからの離脱が取りざたされているが、いまさら元のドラクマに戻れるわけがない。仮に戻ったとしても、そんな紙切れ同然の通貨に何の力もない。

 ギリシャをはじめスペイン、ポルトガル、アイルランドなど財政基盤の脆弱な国が、連鎖的に破局を迎える可能性は否定できないだろう。07年、米国に端を発した一連の金融不安は、いよいよ最終段階に入ったとみてよいのではないか。行き着く先は…。

 かつての世界大恐慌は1945年、第2次世界大戦の終結をもって、一応終息した。いまは諸矛盾を戦争で「解決」するという選択肢がない分、出口が見えにくい。「グローバリズムとの決別」や「市場本位制の打破」などとお題目を掲げても、実効性は乏しい。

 こうしている間にも、集まるところには富は集積し続ける。我々庶民はせいぜい節約するしかないのか。
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