東京さまよい記

東京をあちこち彷徨う日々を、読書によるこころの彷徨いとともにつづります

桐ヶ谷坂

2015年01月17日 | 坂道

峰原通りと百反通りの合流点 桐ヶ谷坂周辺明治44年地図 中原口歩道橋から坂上側 中原口歩道橋から反対側(東) 前回の峰原坂上の峰原通りを西へ歩く。やがて百反坂上から延びてきた百反通りに合流する(現代地図)。

一枚目の写真はその合流点付近を撮ったもので、右が百反通りで、その奥が百反坂方面。このあたりも目黒台地の目黒川近くの東端に位置し、標高が20~30m程度である。

二枚目は、明治44年(1911)発行の地図からの部分図で、右下に日蓮宗大学の前の峰原坂から延びる道筋(峰原通り)が見え、右下の右端(東)から延びる道筋(百反通り)が見える。これらが下端近くで合流しているが、現在とほほ同じである。

合流の交差点を右折し、ちょっと歩くと、スーパーがあったので、甘味(一口チョコレート)を購う。歩きながら食べるのにちょうどよく、疲れる前に補給する。

第二京浜の交差点を横断し、そのままちょっと直進すると、桐ヶ谷の交差点であるが、このあたりが現在の桐ヶ谷坂の坂上である(現代地図)。ここを右折して坂を下る。

坂下近くまで下ると、中原口の交差点があり、歩道橋がある(現代地図)。その上から西側を撮ったのが三枚目の写真で、六車線の広い道路が中原街道。ここが始点で西へ横浜市西部まで延びている。

東側を撮ったのが四枚目で、中原口で第二京浜が右へ延び、中原街道が第二京浜から分岐している。

桐ヶ谷坂下 桐ヶ谷坂下 桐ヶ谷坂中腹 桐ヶ谷坂中腹 歩道橋を下ったところで坂上側を撮ったのが一枚目の写真で、緩やかにまっすぐに上っている。

二枚目は、ちょっと上ってから振り返り、坂下側を撮ったもので、先ほどの歩道橋が見える。

さらに歩道を上ると、中腹に大きな交差点があるが(現代地図)、そこから坂上側を撮ったのが三枚目で、そこから坂下側を撮ったのが四枚目である。

歩道橋からの写真や一枚目の写真を見るとわかるが、このあたりは、交差点の真上に首都高目黒線の高架(第二京浜の戸越出入口につながる)が通り、その坂上側には、中原街道の荏原出入口につながるさらに高い別の高架がカーブして通っているため、妙に圧迫感を感じるところである。騒がしく、歩道沿いにはビルが立ち並び、ちょっと暗く、広い中原街道とあいまって、坂巡りでもなければ、好んで訪れたいと思うところではない。

品川区HPの品川区の坂に、この坂について次の説明がある。

『旧中原街道にあって、西五反田6、7丁目あたりから南西に平塚方面に向かって上る坂でしたが、現在は区画整理によって2代目の新街道(現在の中原街道)ができ、坂名も移りました。坂下では第二京浜国道と別れています。』

坂名が旧中原街道から新街道に移ったというのがちょっとおかしいが、その旧街道に興味がでてきた。今回の訪問前、この新しい坂のある新街道は旧道を呑む込むようにして拡幅されたのだろうと思い込んでいたが、調べると、そうではなく、平塚橋まで新街道とほぼ平行に延びる旧街道が北側に残っている。

上記明治地図の部分図に見える平塚村側へ突き出た道が旧中原街道で、その上側に坂名の由来となった「大字桐ヶ谷」の地名が見える。

桐ヶ谷坂中腹 桐ヶ谷坂中腹 桐ヶ谷坂上 桐ヶ谷坂上 横断歩道を渡り上側にちょっと歩いてから撮ったのが一枚目の写真で、坂上に近づいてきた。そのちょっと上側から坂下側を撮ったのが二枚目である。

さらに上り坂上の桐ヶ谷交差点を撮ったのが三枚目である。

そのまま西側に直進し、荏原出入口を過ぎると、これまでの高架下のうっとうしさからやっと解放される。高速道路などの高架下というのはどうも苦手である。

そのあたりでバス停を見ると、「桐が谷坂上」とある(現代地図)。このバス停を入れて中原街道を西側に撮ったのが四枚目である。

品川区HPの桐ヶ谷坂のデータによれば、この坂は延長が284m、最大勾配が5.7%(3.3度)。
(続く)

参考文献
横関英一「江戸の坂 東京の坂(全)」(ちくま学芸文庫)
山野勝「江戸の坂 東京・歴史散歩ガイド」(朝日新聞社)
岡崎清記「今昔 東京の坂」(日本交通公社)
石川悌二「江戸東京坂道辞典」(新人物往来社)
デジタル古地図シリーズ第一集【復刻】江戸切絵図(人文社)
デジタル古地図シリーズ第二集【復刻】三都 江戸・京・大坂(人文社)
「嘉永・慶応 江戸切絵図(尾張屋清七板)」(人文社)
市古夏生 鈴木健一 編「江戸切絵図集 新訂 江戸名所図会 別巻1」(ちくま学芸文庫)
「大江戸地図帳」(人文社)
「東京市15区・近傍34町村⑱荏原郡品川町・大崎町全図」(人文社)
「地形社編 昭和十六年 大東京三十五區内⑯品川區詳細図」(人文社)
「東京人 april 2007 no.238 特集東京は坂の町」(都市出版)
「東京の道事典」(東京堂出版)

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