21_21DESIGN SIGHTで「もじ イメージ Graphic 展」を見てきました。
この展覧会は1990年代以降のグラフィックデザインを、日本語の文字とデザインの歴史を基に紐解いていくという展覧会です。国内外54組のグラフィックデザイナーやアーティストのプロジェクトが紹介され、ボリューミーかつ刺激的な展覧会となっていました。
ギャラリー1の展示は「日本語の文字とデザインをめぐる断章」。日本語の書記体系のデザインの歴史的展開、そして戦後のグラフィックデザインの作品の紹介をしています。まず、各国の文字の紹介があったのですが、日本語の特殊性-漢字、ひらがな、カタカナを併用―の特殊性がわかります。作品は主に戦後から80年代のポスターなどが展示されていましたが、杉浦康平、亀倉雄策、田中一光、横尾忠則…といった、錚々たる人々のパワフルな作品が続きます。
ギャラリー2の展示は「辺境のグラフィックデザイン」。グローバル時代のなかで日本のグラフィック文化が生み出してきたものと今後の可能性を、海外の動向を混じえ、13のセクションに分けて解説しています。テーマは「テクノロジーとポエジー」「造形と感性」「メディアとマテリアル」「言葉とイラストレーション」「キャラクターと文字」などなど…。本、雑誌、漫画、ポスター、看板、諸々のプロダクト…膨大な量の作品が展示されていましたが、いつか見た記憶のあるものもたくさん…あの作品はこの方が、という発見も多々ありました。見ていると当時の時代の空気までがよみがえってくるようです。そして、同じ文字がデザインによってここまでイメージが変わってくる、ということを目の当たりにして、文字による表現がここまで多様だったということに今さらながら衝撃を受けました。文字はコミュニケショーンツールですが、文字自体が作品ともなりメッセージともなるのですね…。「デザイナーと言葉」のセクションではデザイナーの言葉が紹介されていましたが、原研哉さんの「デザインのデザイン」というテキストのなかの「見慣れたものを未知なるものとして再発見できる感性も同じく創造性」「生活の中から新しい問いを発見していう営みがデザイン」という言葉が印象的でした。
そんなわけで、膨大な物量にクラクラしながらも楽しんでまいりました。展覧会のディレクターズメッセージエモver.にもあったように、「世界に類を見ない複雑怪奇な」日本語の書字スタイル。これからどのような変容を見せていくのか、日本人の一人として楽しみではあります…。
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