あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

ご臨終です

2006-01-22 14:00:30 | 悲しい話
今朝、また1人見取った、今月これで3人目である。なんか行く時はみんな続けていくもんだ。DVRの遠隔期、MRSA縦隔洞炎のSEPSIS、AVR後の塵肺で抜管できずMOFの三人である。
DVR遠隔期の人は、心不全コントロールつかず入退院を繰り返していたが、内科的治療も限界に来ており、いわゆるエンドステージであった。最後は延命処置はせずモルヒネで呼吸苦をとって安らかに眠った。以前癌を扱ってた頃には当たり前のようにモルヒネを使って苦痛の除去をするようにしていたが、循環器に来てからははじめてかも知れない。呼吸器繋がれたり、苦しむよりは、むしろこの方がきれいであると思う。家族の納得が得られているのであれば、死に際はできれば美しく演出したいものである。
縦隔洞炎の方はDMのHDで大変ハイリスク、術後は元気になっていったん退院したものの、胸から膿を噴いて再入院。
すぐに開けてデブリ、洗浄、持続吸引開始したが、すでにsepsisの状態、徐々に意識レベル低下し挿管され、血圧保てずHDもできずである。悔やまれる。
塵肺の方は、何度か抜管挑戦するも再挿管を繰り返し、そのうちMOFが進んでしまった。なんで抜管できなかったのか、この反省を次に生かさなければならない。

とにかく、患者を看取るというのはいいものではない、寿命なら仕方が無いところはあるが、術後の急性期では外科として負け勝負である、仕方ないで済まさず、なぜだめだったか、これに対してフィードバックをかけて、今後少しでも減らさなくてはならない。

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