あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

久しぶりのAR

2010-06-25 19:14:29 | Weblog
本日は久しぶりにARの弁置換を担当させていただきました。
AR自体、かなり珍しい手術になってきました。年に数例でしょうか。
82歳と高齢の方でしたが比較的、元気な方でした。
上行の拡張があったので、横切りではなく、Jシェイプで切開して少し縫縮ぎみに閉めました。縦切開の利点は閉鎖は楽ちん、欠点は視野が深くなり、弁輪の操作が難しくなることです。ただ、今日はARですし、大動脈も柔らかかったので比較的視野も良好でした。左の弁輪に少し石灰化あり、取ったら筋肉が出てきてしまったのでプローリンで形成、弁輪径はエコーで26mm、CEPの25mmのサイザーが通過しましたので、23mmのintra annuler positionで入れました。
出血も無く無事終了、あとは目が覚めればOK
久しぶりですし、最近、不調ですので、一つ一つかなり慎重に集中してやりました。
あっという間でしたが、遮断79分、4時間弱で終了しました。
しかし、ボスはこれを半分の2時間でやってのけるので、まだまだ道は遠いものです。

今日は2例目にUAPが入りました。
18年前にもUAPの緊急でSVGの三枝バイパスをされた方で、nativeはすべてCTO、SVGグラフトのみに依存して生きている方ですが、今回なんと、SVG3本とも90%、まー良く、18年もったものですね、と患者さんにいってみたが、さすがにほっとくわけにはいかんのです。
90%とはいえ、すべてliving graftであります。開胸で切ったらたぶん助からん。
という事で、左開胸でアプローチとなりました。
off-pumpでLITA-LAD、下行AO-SVG-#14-#4AVという作戦で、今やってます。
第五肋間で開けて肋軟骨切ったら、心臓丸見えです。
心嚢内の癒着も比較的ルーズでして、やはり18年も経てばルーズになるのでしょう。
こういう時の左開胸、いい作戦だと思いますが、肺の癒着があると、泣いちゃいますね。

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