先日は夜間に解離が来まして、ボスや部長が来れないとのことで、わたくしが担当させていただきましたがなんとかなりました。
もともとRCAのAMIを伴っていまして、前医でPCIを試みましたがカテが解離腔に入ってしまうとのことで、手術となりました。開けてみたらRCAの入口部がちょん切れていました。AMIでしたので冷やしている間にRCAにはバイパスを置いていたので、心筋保護はよいのですが、これまで、離断してしまっている症例は見たことがありませんでしたので、はてどうしたもんかと、、、、。ボスなら迷わず、ベントールへ行くのでしょうが、私はいまだベントールは未経験ですので、とりあえず、修復しかないと。苦肉の策でパッチで内膜の入口部は閉じて、バイオグルーでがっちり固めて、#1はフェルトでつぶして閉鎖することとしました。これでだめならベントールしかないなと思いつつ、上行置換とA弁釣り上げにSVG-#2として、なんとかなりました。6時間と時間はかかってしまいましたが、ポンプ離脱後の止血にもさほど苦労せずに終了。恵まれていることに、これまでOPCABをそこそこさせてもらってきたおかげで、バイパスに対する抵抗感がありませんので、おかしければ即、バイパスを置くことができます。しかもon-pumpですので、かなり楽に感じます。しかし、AMI合併の解離の成績はやはり厳しいもので、目は覚めたので頭はよいのですが、まだLOSが続いており、CVP高くて完全な右室梗塞といった感じです。どこまで心臓が回復してくれるかによりますが、なんとかしたいものです。バイオグルーは初めて使いましたが、10秒程度でガチガチに固まりますので解離腔の閉鎖には安心感があり最高ーですが、吻合部に外から塗布するのは、よし悪し、今回も末梢側は丁寧に縫いましたので、運よくか、バイオグルーのおかげかわかりませんが、針穴からも出血はなかったのですが、中枢側がね、へたくそな吻合でしたので、やや出血してしまい、バイオグルーのおかげで、周りの脂肪ともくっついちゃって、どっから吹いているかよくわからず、、、、おまけにガチガチに固まってしまっているので、追加吻合がやりにくい、、、。
そもそも出血させるのがいけないのだが、やはり、針穴程度の出血にはよいのであろうが、へたくそな吻合の外科的出血には、さすがのバイオグルーも歯が立ちませんね。当り前か、、、バイオグルー塗布する前に、怪しいところは追加しておいたほうがよかったかな、、、ちょっと反省、でも血流再開の前にドライな状態で塗布しないと意味ないしね、、、うーん、まー、そもそも、こんなのに頼っていてはいけないのだな、きれいに吻合することですね。大体において、末梢側はえらい丁寧に吻合するからよい出のあるが、中枢側はどうしても末梢側が固定されているし、気が抜けてしますのでしょうか、吻合の精度がおちると思われる。吻合の方法も、少し検討してみたいと思う。あともう一つ、私は大血管のグラフトはいつもかなりツンツンにするのが好きなのだが、今回もツンツンにしたら、SVGの中枢吻合を置くスペースがあまりにも無くて苦労した。これも反省点、、、バイパスを追加するときは、もう少しグラフトに余裕を持たせるか、もしくは血管径にもよるがややべべリング状にというか、斜めにカットして人工血管の全面だけを広くとるようにすべきと思った。いろいろと自分でやってみると反省点が出てきます。前回の解離のときも両側のAMIを伴っていた症例であり、両側にステント3本入れてもらっていたけど、結果的にポンプ離脱後に、あとからバイパスが必要となり、その反省を踏まえ今回は先にバイパスを置いたのですが、前回はポンプ離脱後ということもあり、パーシャルかんだらえらいことになり、人工血管のパーシャルはかめないということが判明したのでした。
なかなかシンプルな解離に当たらないのですが、今回もいろいろと反省点がありまして、結果的に救命できましたのでよかったですが、また次につなげたいと思います。
もともとRCAのAMIを伴っていまして、前医でPCIを試みましたがカテが解離腔に入ってしまうとのことで、手術となりました。開けてみたらRCAの入口部がちょん切れていました。AMIでしたので冷やしている間にRCAにはバイパスを置いていたので、心筋保護はよいのですが、これまで、離断してしまっている症例は見たことがありませんでしたので、はてどうしたもんかと、、、、。ボスなら迷わず、ベントールへ行くのでしょうが、私はいまだベントールは未経験ですので、とりあえず、修復しかないと。苦肉の策でパッチで内膜の入口部は閉じて、バイオグルーでがっちり固めて、#1はフェルトでつぶして閉鎖することとしました。これでだめならベントールしかないなと思いつつ、上行置換とA弁釣り上げにSVG-#2として、なんとかなりました。6時間と時間はかかってしまいましたが、ポンプ離脱後の止血にもさほど苦労せずに終了。恵まれていることに、これまでOPCABをそこそこさせてもらってきたおかげで、バイパスに対する抵抗感がありませんので、おかしければ即、バイパスを置くことができます。しかもon-pumpですので、かなり楽に感じます。しかし、AMI合併の解離の成績はやはり厳しいもので、目は覚めたので頭はよいのですが、まだLOSが続いており、CVP高くて完全な右室梗塞といった感じです。どこまで心臓が回復してくれるかによりますが、なんとかしたいものです。バイオグルーは初めて使いましたが、10秒程度でガチガチに固まりますので解離腔の閉鎖には安心感があり最高ーですが、吻合部に外から塗布するのは、よし悪し、今回も末梢側は丁寧に縫いましたので、運よくか、バイオグルーのおかげかわかりませんが、針穴からも出血はなかったのですが、中枢側がね、へたくそな吻合でしたので、やや出血してしまい、バイオグルーのおかげで、周りの脂肪ともくっついちゃって、どっから吹いているかよくわからず、、、、おまけにガチガチに固まってしまっているので、追加吻合がやりにくい、、、。
そもそも出血させるのがいけないのだが、やはり、針穴程度の出血にはよいのであろうが、へたくそな吻合の外科的出血には、さすがのバイオグルーも歯が立ちませんね。当り前か、、、バイオグルー塗布する前に、怪しいところは追加しておいたほうがよかったかな、、、ちょっと反省、でも血流再開の前にドライな状態で塗布しないと意味ないしね、、、うーん、まー、そもそも、こんなのに頼っていてはいけないのだな、きれいに吻合することですね。大体において、末梢側はえらい丁寧に吻合するからよい出のあるが、中枢側はどうしても末梢側が固定されているし、気が抜けてしますのでしょうか、吻合の精度がおちると思われる。吻合の方法も、少し検討してみたいと思う。あともう一つ、私は大血管のグラフトはいつもかなりツンツンにするのが好きなのだが、今回もツンツンにしたら、SVGの中枢吻合を置くスペースがあまりにも無くて苦労した。これも反省点、、、バイパスを追加するときは、もう少しグラフトに余裕を持たせるか、もしくは血管径にもよるがややべべリング状にというか、斜めにカットして人工血管の全面だけを広くとるようにすべきと思った。いろいろと自分でやってみると反省点が出てきます。前回の解離のときも両側のAMIを伴っていた症例であり、両側にステント3本入れてもらっていたけど、結果的にポンプ離脱後に、あとからバイパスが必要となり、その反省を踏まえ今回は先にバイパスを置いたのですが、前回はポンプ離脱後ということもあり、パーシャルかんだらえらいことになり、人工血管のパーシャルはかめないということが判明したのでした。
なかなかシンプルな解離に当たらないのですが、今回もいろいろと反省点がありまして、結果的に救命できましたのでよかったですが、また次につなげたいと思います。
これも周りのスタッフのおかげであります。
感謝感謝です。
コンプレックスな症例を6時間でやっておられて充分遅くないと思うのですが・・・
また色々教えて頂ければ幸いです。
また、秘伝の手技があれば、教えてください。
ただ、この症例もやはり、遠隔期にはもしかしたら仮性瘤など作る可能性もあり、ほんとは姑息的なのだとわかっていますが、緊急は救命が第一ですから、許してもらいたいです。あとからボスに言われましたが、ほんとは、右のorificeのところだけ弁輪まで切り込んで舌状にした人工血管で吻合すればよかったといわれましたが、しかし、結果がすべてであります。合併症なく3週間目に歩いて退院しましたので、いいでしょう。
先生が仰るように
①基本的な技術の積み重ね
②トラブルケースにどう対応するか
が心臓血管外科はとても大切で、カニュレーションだとか吻合もある程度の外科技術があればできると僕は思っているのですが、
困難な状況に直面した時の状況判断や②に関して絶対的な経験を持つのがチーフサージャンの先生方なのだと思います。
そういう意味でも1例1例何か毎回新しいことを得ていかなければならないなと痛感します。
私も今の一例一例を大事に、次の症例ではもっと良くなるように、進歩するように、そんなつもりで頑張りたいと思います。
術中のdecision makingにしろ、手術の説明、段取り、全てにおいて術者というのはトータルマネジメントが必要なんだと思います。
アカデミックなこともしたいのですが、手がついてこないと不安になります。また色々と御教授ください。