あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

オープンステント

2014-10-06 21:33:21 | Weblog
今日の症例は7月から使えるようになりましたオープンステント使ってみました。
もともと遠位弓部の嚢状瘤と慢性心房細動でフォローされていましたが、瘤径が徐々に拡大するとのことで、TEVARどうかと紹介でしたが、CAGやったらLMT90%とのことで、アスベスト肺の方なので、できればTEVAR、OPCAB+PVisolationできないかなと思っていましたが、TEVARはネックが短く、結局3debranch必要とのことで、そんなら普通に弓部置換の方がよっぽど安全ということで、弓部置換+CABG+MAZEとなりました。
LMTはほぼ単独病変なので、どうせ大動脈輪切りにするならLMTのパッチ形成にしようと思いましたが、LMTはどうも石灰化病変のようなのでCABGにしました。
また、オープンステントが使えるようになりまして、当日お手伝いに来るお友達から先日使ったというお話をききまして、そりゃ使おうということで。TEAVRほど細かくなく大雑把なものですが、やはり初期の成績では対麻痺が非常に多かったこともあり、奥に入れすぎなのでしょうがTh7は超えないようにしました。今は、たとえ1bリーク残ったとしても、あとからTEVARができますし、その方が対麻痺も少ないと思うので、初回で奥に入れるのだけは避けたいところです。やはり、冷やしているとはいえ手術でAKAをカバーすると、血流やら血圧やらいろいろな問題でTEVARよりも対麻痺の可能性が高いのね。
7時間半かかりましたが、2時間後には無事目覚めて、とりあえず、手足は動いていたので大丈夫だと思いますが、術後のCTで末梢がどこまで挿入されたか、確認が必要です、するするっと入ってしまうので意外と奥に入っているそうです。
メリットは兎に角、吻合が手前になりますので、ラクチン、止血もラクチン、対麻痺の予防だけしっかりすればいいかな、TEVARという合わせ技も使えるし。
また、次に使いたいです、ほんとは解離の弓部置換で最も威力を発揮すると思われますが、なんと在庫が追い付かないとのことで、今のところ市内にストックは置けないとかで、年内中には生産を間に合うようにするということでした。
笑いが止まらないでしょうね。ただ、ここまで結構長い年月がかかってますからね。

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