
2023年1月27日公開 117分 G
商業国家で水以外は何でも手に入る金の国と、豊かな水と緑に恵まれているが貧しい水の国は、隣国同士だが長年にわたりいがみ合ってきた。金の国のおっとり王女サーラ(浜辺美波)と、水の国で暮らすお調子者の建築士ナランバヤル(賀来賢人)は、両国の思惑に巻き込まれて結婚し、偽りの夫婦を演じることに。自分でも気づかぬうちに恋に落ちた2人は、互いへの思いを胸に秘めながらも真実を言い出せない。そんな彼らの優しい嘘は、やがて両国の未来を変えていく。(映画.comより)
商業国家で水以外は何でも手に入る金の国と、豊かな水と緑に恵まれているが貧しい水の国は、隣国同士だが長年にわたりいがみ合ってきた。金の国のおっとり王女サーラ(浜辺美波)と、水の国で暮らすお調子者の建築士ナランバヤル(賀来賢人)は、両国の思惑に巻き込まれて結婚し、偽りの夫婦を演じることに。自分でも気づかぬうちに恋に落ちた2人は、互いへの思いを胸に秘めながらも真実を言い出せない。そんな彼らの優しい嘘は、やがて両国の未来を変えていく。(映画.comより)
2017年「このマンガがすごい!」で第1位を獲得した岩本ナオの同名コミックのアニメーション映画化作品です。
冒頭でアルハミト国(金の国)と、バイカリ国(水の国)の確執が描かれます。些細な事で諍いを起こし幾度も戦争を繰り広げた末に、両国の間に1つの条約が結ばれます。それは“アルハミトは国で1番美しい娘をバイカリに嫁に出し、バイカリは国で1番賢い若者をアルハミトに婿に出す”というものでした。しかし平和は保たれず、両国は争いを続け1000年が経ち、いつしか両国の国境は巨大で長大な壁で往来が閉ざされます。
アルハミトに流通ルートを塞がれたバイカリは貧しくなり、族長のオドゥニ・オルドゥ(てらそままさき)は敵意を募らせ、アルハミトの国王ラスタバン三世(銀河万丈)も、人口増加で水資源の枯渇が迫りバイカリの水資源を奪うことを考えます。一見平和そうに見える両国はしかし互いに前途を閉ざされた状態にありました。
アルハミトに流通ルートを塞がれたバイカリは貧しくなり、族長のオドゥニ・オルドゥ(てらそままさき)は敵意を募らせ、アルハミトの国王ラスタバン三世(銀河万丈)も、人口増加で水資源の枯渇が迫りバイカリの水資源を奪うことを考えます。一見平和そうに見える両国はしかし互いに前途を閉ざされた状態にありました。
アルハミトの第93王女サーラは、バイカリ国で1番賢い若者との結婚が決まりますが、屋敷に運び込まれた輿の中にいたのは子犬で驚きます。おっとりした優しい性格の王女は「何か手違いが起きたのだろう、この無礼が公になればまた戦争になる」と考え、ばあやと相談して子犬のことは秘密にしようと決めます。同じ頃、バイカリの青年技師ナランバヤルは、アルハミトからの「国で1番美しい娘」を嫁として押し付けられますが、輿から出てきたのは子猫。「外交非礼を働いて戦争の口実にする気だ」と見抜いた彼もまたこれを秘密にします。
ルクマンと名付けた子犬と町に出たサーラは、姉の第一王女レオポルディーネ(戸田恵子)たちと出会い、婿を見に来たと言われて動揺します。何とか理由をつけて断ろうとしますが、日を改めて会わせることを約束させられます。
お気に入りの国境の壁の近くで対策を考えようとしたサーラでしたが、ルクマンが壁に空いた穴からバイカリの領地に入り込み、慌てて追いかけると、ルクマンが地面の穴に落ちているのを見つけます。
何とか助けようとしているサーラを、オドンチメグと名付けた子猫を連れて散歩中のナランバヤルが見かけて、ルクマンを穴から助け出すと、お礼に一緒にお弁当を食べようとサーラに誘われます。豪華なお弁当とサーラの純粋さに感激した彼が、何か困りごとがあれば力になると申し出ると、サーラは姉たちとの約束を思い出して「戦争を避けるために自分の婿のふりをしてほしい」と頼みます。
ばあやに身なりを整えられたナランバヤルを連れ、姉たちに会うために王都に向かう途中で、右大臣のピリパッパ(茶風林)に出会います。ナランバヤルは彼が国王に次ぐ権力を握っていてバイカリとの戦の準備をしていること、アルハミトの水資源が数十年で尽きようとしていることを知ります。
姉たちとの面会の場にはレオポルディーネの愛人で左大臣のサラディーン(神谷浩史)もいました。レオポルディーネのバラバラに分解された時計を直して欲しいという依頼を難なくこなしたナランバヤルは、姉とサラディーンの揺さぶりを何とか誤魔化します。アルハミトが送ったのは片耳の黒い子猫と聞いたがと言う2人に、サーラは「父がそんなことをするはずがない」と言い切ります。
姉たちとの面会を無事切り抜け、新たな戦争の危機をとりあえず回避した二人。サーラを一足先に帰したナランバヤルはサラディーンと飲みに行き、バイカリからアルハミトに水路を作ることを提案します。水資源があればアルハミトが戦争する理由も無くなり、バイカルも国力の差を知れば戦争より国交を開くことで得られる経済効果を考えて、互いに戦争を回避できると熱心にサラディーンを口説き落として協力を引き出すことに成功します。サラディーンは人気役者で左大臣の肩書はお飾りのようなものですが、アルハミトは左大臣の地位を有効に使って国を救おうと語り掛けたのです。
2人の会話をピリパッパの部下バウラが盗み聞きしていましたが、レオポルディーネの配下のライララ(沢城みゆき)に「他言すれば家族を殺す」と脅されます。
姉たちとの面会を無事切り抜け、新たな戦争の危機をとりあえず回避した二人。サーラを一足先に帰したナランバヤルはサラディーンと飲みに行き、バイカリからアルハミトに水路を作ることを提案します。水資源があればアルハミトが戦争する理由も無くなり、バイカルも国力の差を知れば戦争より国交を開くことで得られる経済効果を考えて、互いに戦争を回避できると熱心にサラディーンを口説き落として協力を引き出すことに成功します。サラディーンは人気役者で左大臣の肩書はお飾りのようなものですが、アルハミトは左大臣の地位を有効に使って国を救おうと語り掛けたのです。
2人の会話をピリパッパの部下バウラが盗み聞きしていましたが、レオポルディーネの配下のライララ(沢城みゆき)に「他言すれば家族を殺す」と脅されます。
ナランバヤルはサーラの屋敷で世話になりながら、サラディーンと水路作りに奔走します。戦争派の右大臣に拘束されていたジャウハラ(木村昴)ら知識階級の学者たちを釈放させ彼らの協力も得ます。知識階級なのに思いっきり体力派なの😓
そんなある日、屋敷から消えたオドンチメグを探しに出たサーラは、子猫を追いかけてバイカルに行き、ナランバヤルの姉と出会います。弟の嫁と誤解した姉はサーラをナランバヤルの家に連れて行きます。家で寛いでいるオドンチメグを見つけて安心したのも束の間、族長のオドゥニがアルハミト一の美女を見ようと村に押し掛けてきます。困ったナランバヤルの父サンチャルから息子の嫁のふりをしてくれと懇願されたサーラは、彼が妻帯者だと誤解してショックを受けますが、彼が助けてくれたことを思い出し“ナランバヤルの妻”を演じることにします。
サーラを見てがっかりしたオドゥニのナランバヤルをけなす発言に、サーラは飲み比べの賭けの申し出を受けて見事勝ち、ルクマンとオドンチメグを連れてアルハミトへ戻る途中、水路の設計図を取り戻ってきたナランバヤルに出会います。彼に妻がいるという話を思い出し涙ぐむサーラでしたが、彼が両国の間に水路を作るために働いてくれていると知り、「いつでも難しい方の道を選んでください」と言うと、屋敷に送ろうとする彼を自分は大丈夫だから設計図を取りに戻るよう勧めて屋敷に戻ります。
戦争を望まぬ王女派の後押しもあり、水路建設の計画は徐々に進んでいきますが、これを快く思わない開戦派のラスタバン三世とピリパッパはサーラの婿のナランバヤルの暗殺を企てます。
サラディーンやピリパッパとの会談に向かうナランバヤルに「行けば殺される」と警告したのはパウラです。彼も水路ができれば戦争も起きず平和に暮らせると、内心で計画に賛同していて、ジャウハラやライララと共に襲い掛かってきた兵士たちと戦います。
サラディーンやピリパッパとの会談に向かうナランバヤルに「行けば殺される」と警告したのはパウラです。彼も水路ができれば戦争も起きず平和に暮らせると、内心で計画に賛同していて、ジャウハラやライララと共に襲い掛かってきた兵士たちと戦います。
王宮の様子がおかしいことに気付いたレオポルディーネたちが王に会いに行こうとする中、サーラはナランバヤルたちの所に駆け付けます。パウラとライララが二人の衣装を羽織って身代わりとなって兵士たちを引き付ける中、王族しか知らない秘密の抜け道に辿り着いた二人は手を取り合って進もうとしますが、ラスタバン三世が剣を手に迫ってきます。
バイカリとの和平を進めようとして失敗し国民に嘲笑されてきたラスタバン二世の名を継がされた王は、自分が死んだ後の名声に固執し、ナランバヤルに「お前が本当にバイカリで1番賢いなら、父からこの恥ずべき名を与えられた理由を説明してみろ」と迫ります。ナランバヤルは、「ラスタバン二世はバイカリ側では和平の王として称えられている。それを知っていたからこそ付けられた名でしょう」と言い、戦争ではなく水路の完成という1000年先までも残る偉業で名を残すべきだと訴えます。
バイカリとの和平を進めようとして失敗し国民に嘲笑されてきたラスタバン二世の名を継がされた王は、自分が死んだ後の名声に固執し、ナランバヤルに「お前が本当にバイカリで1番賢いなら、父からこの恥ずべき名を与えられた理由を説明してみろ」と迫ります。ナランバヤルは、「ラスタバン二世はバイカリ側では和平の王として称えられている。それを知っていたからこそ付けられた名でしょう」と言い、戦争ではなく水路の完成という1000年先までも残る偉業で名を残すべきだと訴えます。
このやり取りの中で、父王がバイカリに子猫を送ったことを知ったサーラは、ナランバヤルに妻がいないと知って安堵の涙を流します。(父の不実はここでは問題じゃないのね😓 )娘が自分を父として国王として信じている姿を見て、ラスタバン三世は、戦争以外の道について考えを改めると刃を収め、暗殺は中止されます。
ラスタバン三世に招かれたオドゥニは、国力の差を目の当たりにして驚愕します。王は族長に「国で1番賢い若者だといって子犬を寄越した」ことには目を瞑ると匂わせつつ、正式に和平交渉が始まり国交が開かれます。(いやいや、あんたも子猫を送っただろ😁 )
正式に結婚したサーラとナヤンバヤルの間にはサーラによく似た2人の娘が生まれます。成長したルクマンとオドンチメグを連れた娘たちがお弁当を届けに向かった先には、仲睦まじく水路の視察を行うサーラとナヤンバヤルの姿がありました。
サーヤは辺境の王女と呼ばれ、王宮の人々から相手にされていませんでした。それは決して美人とは言えない彼女の容姿のせいなのか、一夫多妻らしいアルハミトで彼女の母の地位が低かったのかは不明ですが、しかしサーヤの心根の優しさや王族の気品が容姿を上回って魅了されます。
ナヤンバヤルの言葉遣いがどうにも浮いて聞こえるのが気になるのと、族長やサラディーンやレオポルディーネのキャラ設定とか色々突っ込み要素はありますが、物語としては面白かったです。😀